Columnsコラム

ホテルとの違いに戸惑う外国人ゲスト——民泊運営会社として伝えたい「民泊という文化」の本質

目次

    インバウンド需要が年々高まる中、私たち民泊運営会社にとって、外国人ゲストの受け入れは非常に重要なテーマです。

    海外から日本を訪れる多くの方が、ホテルではなく**民泊(Vacation Rental)**を宿泊先として選ぶ理由は、「現地の暮らしを体験したい」「家族で一緒に過ごせる広い空間がほしい」など、非常に前向きなものです。

    しかしながら、現場で運営していると、「民泊をホテルと同じような感覚で利用する」外国人ゲストとの間に、少なからず価値観のギャップが生じているのが実情です。

    このコラムでは、私たち民泊運営会社の視点から、よくある事例や背景、そして弊社が行っている対策についてお伝えいたします。

    よくあるケース①:荷物を事前に送付し、受け取りをホストに依頼

    海外の多くのホテルでは、宿泊者名を伝えておけばホテルスタッフが荷物を預かってくれます。

    その感覚で、日本の民泊施設にもAmazonやECサイトから荷物を直接送り、**「受け取っておいてほしい」**とご依頼いただくケースが少なくありません。

    しかし、民泊施設の多くはスタッフが常駐しておらず、宅配物の受け取り体制が整っていないのが現実です。

    とくに、マンションの一室や戸建て一軒家を貸し出す形態では、受け取りの失敗=紛失や誤配、配送業者とのトラブルに直結します。

    また、ごく稀にですが、ホストの電話番号を注文時に入力されるケースもあり、業務に支障をきたす事例も発生しています。

    よくあるケース②:友人を招いてのティータイム、ちょっとした集まり

    もうひとつよく見られるのが、「友人や知人を招いてお茶や会話を楽しみたい」というご希望です。

    これは、ホテルのロビーや1階のカフェスペースのような感覚で、「宿泊施設=ある程度自由に人を呼んでよい空間」と捉えられていることが背景にあります。

    しかし、民泊施設の多くは、住居用のマンションの一室や住宅街の一軒家であり、近隣住民と同じ生活空間にあるという前提があります。

    そのため、**「宿泊者以外の立ち入り禁止」や「パーティー・集まりの禁止」**といったルールが、法律や地域ルールに基づき明確に定められていることがほとんどです。

    たとえ小規模な集まりであっても、近隣住民にとっては「不特定多数の人の出入り」と感じられるリスクがあるため、クレームや通報につながることもあります。

    民泊は「ホテル」ではなく「生活空間」

    私たち民泊運営会社が一番強く伝えたいのは、民泊はホテルではなく、暮らしの空間であるということです。

    宿泊施設としての機能はありますが、それは生活空間の延長線上にあるものであり、ホテルのようなフロントサービスや設備、公共スペースは基本的に存在しません。

    また、チェックアウト後に荷物を受け取れないのも、次のゲストがその空間を利用する準備に入るためです。

    これは、清掃・管理体制の観点からも、他のゲストの満足度を守るうえでも必要な対応となっています。

    弊社では「価値観のすり合わせ」を事前に丁寧に行っています

    私たちは、こうした価値観の違いから生まれるトラブルを未然に防ぐために、予約時・チェックイン前にゲストとの間で丁寧な「価値観のすり合わせ」を行うことを徹底しています。

    具体的には:

    • 民泊の特性(ホテルとの違い)を事前に説明

    • 荷物配送の対応方針を明示

    • 訪問者・パーティーに関する禁止事項の共有

    • ゴミの出し方や騒音マナーなど、日本の生活ルールの案内

    などを、多言語対応マニュアル・チェックイン案内・チャットサポート等でお伝えしています。

    とくに初めて民泊を利用される外国人ゲストには、「日本の民泊はこういう場所ですよ」という説明を丁寧に行うことで、“カルチャーギャップ”の解消につなげています

    民泊の魅力と責任は、紙一重

    民泊は、ホテルでは味わえない自由さや温かみがあり、多くのゲストにとって忘れられない滞在体験になる可能性を秘めています。

    その一方で、運営や利用には、ホテルとは異なる種類の“責任”が求められます

    運営側は、地域との共生を意識しながら施設を管理し、

    ゲスト側は、住まいをお借りしているという感覚を持ちながら滞在する——

    この双方の理解と協力があってこそ、民泊は地域社会の中で健全に根付き、成長していくものだと、私たちは考えています。

    トラブルにお悩みの民泊オーナー様へ

    民泊運営において、「荷物の受け取りトラブル」「近隣との関係悪化」「外国人ゲストとの意思疎通の難しさ」など、日々の対応に頭を悩ませているオーナー様も少なくありません。

    もし、現在ご自身での運営に限界を感じていらっしゃる場合は、一度、弊社にご相談ください

    弊社では、国内外のゲストに対応した多言語サポート、事前のルール共有、近隣住民への配慮を重視した運営方針などを通じて、トラブルの予防と満足度の向上を両立させる民泊運営を行っております。

    「初めての民泊運営で不安がある」

    「既に運営しているがトラブルが多くて疲弊している」

    「清掃・チェックイン・ゲスト対応を任せたい」

    そんなオーナー様のお悩みに、柔軟かつ的確にお応えいたします

    ぜひ、お気軽にご相談ください。