民泊ホスト泣かせの夏 ― Airbnbが決める“ゴキブリ返金ライン”とは?

※本記事は、弊社が実際に民泊運営中に経験した事例に基づいて執筆しております。
Airbnb全体の公式ルールや他ホストの事例を保証するものではありません。
実際の返金や対応は状況により異なる場合がありますので、参考情報としてご覧ください。
― 夏の夜に現れた「黒い影」と10%返金の謎 ―
夏の夜。ゲストから突然届く一通のメッセージ。
「部屋にゴキブリが出ました。」
……心臓が止まるやつです。
どんなに清掃を徹底しても、
どんなに防虫スプレーを噴きまくっても、
やつらは風のように現れます。
そしてなぜか、チェックイン直後やレビュー前夜に登場するのです。
第一幕:ゲスト vs ゴキブリ、そしてAirbnbサポート登場
ある日、あるホスト(仮にEriさんとしましょう)のもとに、ゲストから写真が1枚届きました。
写っていたのは――小さな黒い影。そう、ゴキブリ1匹。
ゲストは不快感を訴え、返金を希望。
Eriさんとしては、こう思いますよね。
「え、でも…窓開けっぱなしにしてたって言ってたじゃん?」
それでも、Airbnbのルールは非常に“お客様思い”。
サポートからはこんな連絡が。
「ゲストがとても不快に感じており、Airbnbの規定に基づき返金を進めます。」
この時点でホストの心の声:「ま、まあ仕方ないか……」
第二幕:10%か、30%か、それが問題だ
さらに混乱を招いたのが、返金率の謎ルール。
Airbnbサポート曰く、
「1箇所に一定数以上のゴキブリが写っている場合は30%の返金、
別の場所で1匹でも確認されれば、状況に応じて30%の返金となる場合があります。」
……ん?
「一定数」って何匹?「状況に応じて」ってどんな状況?
Eriさんの頭の中は疑問符だらけ。
しかも以前のケースでは、
「写真が1枚しかなかったので10%返金でした」
という説明があったのです。
同じ“1枚の写真”なのに、なぜか今回は“30%”?
第三幕:Airbnbサポートの返答、そして真実はひとつ
混乱を整理しようとEriさんが問い合わせると、
Airbnbサポートからの返答はこうでした。
「混乱を招いてしまい申し訳ございません。
ゲスト様からは1枚の写真が提出されました。
その写真にはゴキブリが1匹しか写っていなかったため、10%の返金が行われました。」
……つまり、今回は10%。
やっと霧が晴れたものの、ホストの心にはモヤモヤが残ります。
結局、「ゴキブリの数」と「写真の内容」で返金率が変わるらしいのです。
どうやらAirbnbは、“写真1枚=10%”、“複数匹=30%”という暗黙ルールがある模様。
第四幕:学び ― ゴキブリより怖いのは「情報の食い違い」
このケースから学べることは明確です。
Airbnbは常にゲスト体験を最優先します。
つまり、
-
証拠写真がある
-
ゲストが不快を感じている
この2つが揃うと、何らかの返金措置がほぼ確実に発生します。
ただし、ホストが冷静に説明し、
「窓を開けていた」「清掃は直前に行われている」など、
外部要因を丁寧に伝えることで、返金額が軽減される可能性もあります。
第五幕:再発防止 ― ゴキブリとの“共存しない”知恵
最後に、ホスト目線でできる対策を。
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チェックイン前に防虫スプレー+写真記録
→ 「清掃・防虫済みです」と証拠を残す。 -
窓やベランダの注意書きを英語・中国語で明記
→ “Please keep the window closed at night.” はマスト。 -
レビュー対応では冷静に
→ 感情的な反論はNG。Airbnbのシステムは「冷静で丁寧な説明」を重視します。
エピローグ:Airbnbホストは“忍耐とユーモア”が命
民泊運営は、まるで人生そのもの。
想定外のトラブルが起き、理不尽なこともある。
でも、ひとつひとつ丁寧に対応していくうちに、
「どうすればゲストも自分も心地よく過ごせるか」が見えてきます。
次にゴキブリが現れた時、
あなたはきっとこうつぶやくでしょう。
「来たな…10%コース。」