Columnsコラム

貸別荘で焚火って大丈夫?──“映える非日常”の裏にある、無人運営ならではの致命的リスク

目次

    「焚火ができる貸別荘」

    この言葉に、ロマンを感じる人は多い。

    炎を囲み、星を見上げ、静かな夜を過ごす。

    写真映えも抜群で、SNSでもよく見かけるようになった。

    しかし――

    結論から言うと、無人運営の貸別荘で焚火は“極めて危険” だ。

    今回は

    • なぜ焚火付き貸別荘が危ないのか

    • 実際に起きているトラブル事例

    • オーナーが後悔するポイント

      を整理しながら、「本当にやっていい施策なのか?」を冷静に考えていく。

    焚火=危険ではない。でも「無人」が致命的

    まず誤解を解いておく。

    焚火そのものがすべて悪いわけではない。

    問題は「無人運営 × 焚火」の組み合わせだ。

    多くの貸別荘では、

    • 夜間はスタッフ不在

    • 管理会社が現地に常駐していない

    • トラブルが起きても“電話対応のみ”

    という体制が一般的。

    つまり、

    何か起きた時、誰も助けに行けない

    これが焚火と非常に相性が悪い。

    「ちゃんと説明すれば大丈夫」は幻想

    焚火付き貸別荘で、オーナーがよく言う言葉がある。

    • 「事前にルールは説明しています」

    • 「マニュアルも置いています」

    • 「注意事項をしっかり書いています」

    だが、現実はこうだ。

    ✔ ゲストは“想定以上に焚火を甘く見る”

    • 風が強くなっても続ける

    • 火の始末を完全にせず部屋に戻る

    • アルコールが入って判断力が落ちる

    • 子どもが近づいても止められない

    焚火は“管理できている時だけ安全”

    管理が外れた瞬間、事故になる。

    実際に起きている焚火トラブル(リアル)

    これは珍しい話ではない。

    ① 火の粉が飛び、ウッドデッキが焦げる

    → 修繕費数十万円

    → 保険が使えないケースも多い

    ② 強風で焚火台が倒れ、芝生が焼失

    → 景観悪化

    → 近隣からの苦情

    → 管理会社が深夜対応

    ③ 炭の不始末で“翌朝くすぶり続けていた”

    → 火災一歩手前

    → 通報され、消防・警察案件

    ④ 子どもが火傷、責任の所在が問題に

    → 「注意書きがあったか」

    → 「監督責任は誰か」

    → 訴訟リスクに発展することも

    焚火は“起きたら終わり”のトラブルが多い。

    無人運営では「初動対応」ができない

    宿泊業で最も重要なのは

    トラブルの初動対応

    ところが焚火トラブルは、

    • 夜間

    • 屋外

    • 進行が早い

    という特徴がある。

    つまり、

    電話している間に状況が悪化する

    • 消火が遅れる

    • 近隣が先に通報

    • オーナーは“事後報告”

    これが繰り返されると、

    地域から「危険な施設」というレッテルを貼られる。

    近隣・自治体・消防との関係が一気に悪化する

    焚火トラブルは、

    オーナーとゲストの問題では終わらない。

    • 焦げ臭

    • 夜間の騒音

    • 消防車の出動

    これらはすべて、

    「地域の不安」につながる

    結果として、

    • 管理会社への苦情

    • 自治体への通報

    • 条例・ルールの見直し

    最悪の場合、

    「このエリアでは貸別荘はもう無理」

    という流れになることも、実際に起きている。

    焚火を“売り”にしたがるオーナーの危険な思考

    焚火を導入するオーナーに多いのが、

    • 「他と差別化したい」

    • 「写真映えするから」

    • 「今流行っているから」

    だが、焚火は

    ・稼働率を安定させる要素ではない

    ・リピーターを増やす決定打でもない

    ・トラブル率だけが跳ね上がる

    という、

    費用対効果が非常に悪い設備になりがち。

    焚火をやめて正解だった施設の共通点

    実際、焚火を廃止した施設からは、こんな声が多い。

    • クレーム対応が激減した

    • 夜間トラブルがなくなった

    • 清掃・原状回復が楽になった

    • 管理会社の負担が減った

    つまり、

    収益は変わらないのに、ストレスだけが減った

    これが現実。

    本当に“選ばれる貸別荘”が重視すべきこと

    焚火より、実際に評価されているのは

    • 清潔感

    • 寝具の質

    • 水回りの快適さ

    • 静かに過ごせる環境

    • 安心感のある運営体制

    特に今は、

    「安全・トラブルが起きにくい宿」

    が選ばれる時代。

    結論:焚火は“無人貸別荘”ではリスクが高すぎる

    焚火はロマンがある。

    写真映えもする。

    だが、

    • 無人

    • 夜間対応不可

    • 地域に住宅がある

    この条件がそろう貸別荘では、

    焚火は“やってはいけない設備”に近い

    もし今、

    • 焚火を導入しようか迷っている

    • すでに焚火トラブルで疲弊している

    なら、一度こう考えてほしい。

    「これは本当に、事業として必要か?」

    焚火は非日常を演出するが、

    事故が起きた瞬間、事業を終わらせる火種にもなる。