「特区民泊が止まるから今がチャンス」に乗った人の落とし穴

――“最後のチャンス”は、本当にチャンスだったのか
ここ数か月、大阪で民泊を始めた人の多くが、
こんな言葉を一度は聞いています。
「特区民泊が止まるから、今が最後のチャンスですよ」
この言葉に背中を押され、
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物件を急いで契約し
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高い家賃を飲み
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初期投資をかけ
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「後発が来なくなるなら有利だ」と考えた
そういう人は、決して少数派ではありません。
しかし今、現場で起きているのは――
チャンスどころか、過去最高レベルの競争環境
という、まったく別の現実です。
「止まる=減る」と思った瞬間に、ズレが始まる
多くの人が誤解したポイントはここです。
特区民泊が止まる
= 民泊の数が減る
= 今いる人が勝つ
この三段論法。
残念ながら、現実はこうです。
止まったのは“新規受付”であって、
物件数は止まっていない。
むしろ、
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受付停止前の駆け込み
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法人参入
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運営会社の大量展開
によって、
大阪の民泊物件数は、過去最高水準まで増えた
というのが実態です。
駆け込み参入が生んだ「見えない地獄」
受付停止が話題になると、
市場では必ずこうなります。
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「今しかない」
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「早く押さえた者勝ち」
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「迷ってる暇はない」
この空気の中で起きたのが、
● 立地を妥協した参入
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難波から遠い
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交通が弱い
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観光導線が悪い
● 家賃を飲まされた契約
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民泊だから高くても回る
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USJが近い
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インバウンドは戻る
● 競合分析なしのスタート
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周辺に何件あるか知らない
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価格帯を見ていない
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同タイプが乱立している
「今がチャンス」という言葉は、
冷静な判断力を一番奪う
競争率は“止まるどころか跳ね上がっている”
現場で起きていることを、はっきり言います。
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同じエリア
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同じ広さ
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同じ価格帯
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同じ設備
ほぼ見分けがつかない民泊が大量に存在している。
結果どうなるか。
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価格競争
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クーポン合戦
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レビュー消耗戦
そして最後に残るのは、
家賃が高い物件ほど先に詰む
という、いつもの結末です。
「後発が来ない=安定」は幻想
もう一つ、よくある誤解があります。
「もう新規は増えないから、
今いる人は安泰」
実際には、
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既存物件の入れ替わり
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M&A
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法人による集約
が進み、
“プロ化した競合”が残る
構造になっています。
つまり、
ライバルが減るのではなく、
弱い人が落ちて、強い人が残る
これが、今の大阪民泊です。
「チャンスだった」のは誰か?
冷静に振り返ると、
本当にチャンスだったのは――
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すでに複数物件を運営していた人
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家賃交渉ができた人
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立地を妥協しなかった人
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数字で撤退判断ができる人
であって、
初めて民泊をやる人にとっては、
むしろ“難易度が跳ね上がった局面”
だったと言えます。
今、苦しいのはあなたの判断ミスだけではない
ここは強調したいところです。
今、
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予約が思ったより入らない
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価格を下げないと埋まらない
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1月2月が怖い
そう感じているなら、
それは個人の努力不足ではありません。
市場全体が、
「参入しやすい」から
「生き残りが難しい」フェーズに移行した
だけです。
結論:「今がチャンス」は、誰のための言葉だったのか
最後に、少し意地悪な問いを置きます。
「今がチャンスですよ」と言ったのは、誰だったのか?
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物件を貸したい人
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仲介手数料を取りたい人
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初期費用を回収したい人
その言葉は、
あなたが儲かる前提で言われたものだったのか
一度、立ち止まって考えてみてください。
もし今、
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このまま続けるべきか
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立て直せるのか
-
切り上げるべきか
迷っているなら、
その判断を“一人で抱える必要はありません”。
