Columnsコラム

無人・自動化民泊で急増中|宿泊者名簿を取らないまま入室させるリスク

目次

    自動送信でチェックイン案内が届いた――でも名簿は未入力

    民泊で増えている「知らないうちに違法」な運営の実態

    最近、民泊業界でよく耳にする言葉があります。

    「うちは自動化しているので大丈夫です」

    ですが先日、

    弊社スタッフが実際にAirbnbで民泊を予約した際、

    かなりゾッとする体験
    をしました。

    実際に起きたこと

    弊社スタッフが、

    ごく普通にAirbnbで民泊施設を予約。

    すると――

    • 宿泊者名簿の入力依頼は一切なし

    • パスポート提出の案内もなし

    • それなのに

    • チェックイン方法(暗証番号・入室手順)が自動で送られてきた

    という流れでした。

    この時点で、

    何が起きているか分かる人は分かります。

    この運営、すでにアウトです

    結論から言います。

    宿泊者名簿を取得していない状態で

    チェックイン方法を送るのは、違法です。

    これは感覚の話ではありません。

    法律上の話です。

    住宅宿泊事業法、旅館業法いずれにおいても、

    • 宿泊者の氏名

    • 住所

    • 職業

    • 国籍(外国人の場合)

    • パスポート情報

    これらを取得・保存することは義務です。

    つまり、

    名簿を取る前に入室させてはいけない

    のが大前提。

    例外として「現地での名簿取得」は認められるが、今回のケースは違う

    ここで一つ、

    誤解されやすい点を整理しておきます。

    宿泊者名簿については、例外として、

    • チェックイン時に

    • 現地に設置されたタブレット等を使い

    • 宿泊者本人がその場で入力

    • 併せて本人確認を実施

    という運用であれば、

    名簿取得として問題ありません。

    実際、適切に設計された無人施設では、

    • エントランスにタブレットが設置されている

    • その場で名簿入力が完了しないと入室できない

    • 管理側がリアルタイムで確認している

    といった仕組みを採用しています。

    しかし、今回のケースはそれに該当しない

    今回、弊社スタッフが体験したケースでは、

    • 現地にタブレットは一切なし

    • チェックイン時の本人確認もなし

    • 事前にメールで「オンライン名簿を入力してください」という案内のみ

    • しかも名簿が未入力の状態でも

      チェックイン方法が自動送信されていた

    という状況でした。

    これは、

    「現地で名簿を取得している」

    とは到底言えない運用

    です。

    「オンラインで事前入力させているからOK」は危険な勘違い

    よくある誤解が、

    「事前にオンライン名簿を送っているので問題ない」

    という考え方。

    ですが、

    • 入力されたかどうかを確認していない

    • 未入力でも入室できてしまう

    • 当日の本人確認がない

    この状態では、

    名簿を取得しているとは見なされません。

    形式的にフォームを送っているだけで、

    運用として成立していないのです。

    行政が見るのは「仕組み」ではなく「実態」

    行政が確認するのは、

    • 名簿入力フォームを送ったか

      ではなく

    • 実際に、誰の名簿が、いつ取得されているか

    です。

    今回のように、

    • オンライン名簿は未入力

    • 現地入力も不可

    • 本人確認もなし

    この状態で宿泊させていれば、

    完全に言い逃れできません。

    なぜこんなことが起きるのか?

    理由は、とてもシンプルです。

    自動送信に頼りすぎているから

    多くの民泊運営会社・代行業者が、

    • 予約確定

    • 自動でチェックイン案内送信

    というフローを組んでいます。

    この仕組み自体は便利です。

    しかし問題は、

    名簿取得の確認をしていないまま

    「送信されてしまう」設計

    になっていること。

    「あとで名簿を取る」は通用しない

    よくある言い訳がこれです。

    「チェックイン後に入力してもらう予定でした」

    ですが、

    これは完全にアウトです。

    法律上求められているのは、

    宿泊させる前に、名簿を取得していること

    後出しは認められていません。

    無人運営×自動化の落とし穴

    この問題が特に多いのが、

    • 無人運営

    • チェックイン完全自動化

    • AI・自動メッセージ任せ

    こうした運営スタイルです。

    便利そうに見えますが、

    法令遵守の責任まで

    自動化できるわけではありません。

    むしろ、

    誰も確認していない=違反に気づかない

    という状態が生まれやすい。

    オーナーが一番危険な立場に立たされる

    ここで重要なポイントがあります。

    違法状態の責任を負うのは、

    運営会社ではなくオーナー

    であるケースがほとんどです。

    • 行政からの指導

    • 是正命令

    • 業務停止

    • 最悪、許可取消

    「知らなかった」

    「代行に任せていた」

    これは、

    一切通用しません。

    自動送信=先進的、ではない

    業界では、

    • 自動化

    • AI対応

    • テンプレ完備

    こうした言葉が

    「すごそう」に見えがちです。

    ですが現場では、

    一番基本的な名簿取得すらできていない

    ケースが、

    本当に増えています。

    これは進化ではなく、

    ただの手抜き

    です。

    「便利」と「違法」は紙一重

    今回の体験で改めて感じたのは、

    便利さを追求しすぎると、

    簡単に一線を越える

    ということ。

    特に民泊は、

    • 法律

    • 条例

    • 行政指導

    が密接に絡む業態です。

    仕組みが回っている=合法

    ではありません。

    これから民泊・貸別荘を始める人へ

    もしこれから、

    • 民泊

    • 貸別荘

    • 無人運営

    を検討しているなら、

    必ず確認してください。

    ✔ 名簿は「いつ」「誰が」「どうやって」取得しているか

    ✔ 名簿未提出の状態でチェックインできない設計か

    ✔ 自動送信に例外処理があるか

    ここが曖昧なまま始めるのは、

    正直かなり危険です。

    まとめ:今は何も起きていなくても、突然来る

    今は、

    • 行政から何も言われていない

    • トラブルも起きていない

    それでも、

    名簿未取得の状態で

    チェックインさせていた履歴があればアウト

    です。

    「起きてから考える」では遅い。

    起きる前に確認する

    それが、これからの民泊運営では必須です。

    もし今の運営で

    「自動化しているから大丈夫」と言われている場合でも、

    一度、名簿取得フローと自動送信の仕組みを確認してみてください。

    「これって大丈夫?」

    その確認だけでも構いません。

    早めのチェックが、

    一番安く、一番確実なリスク対策です。