民泊・貸別荘で増える“カスハラ電話”問題|現場が本当に疲弊している理由

なぜ日本人は「問題解決」より“感情”に向かいやすいのか?現場で感じるリアル
民泊や貸別荘を長く運営していると、
本当に色々な問い合わせが来ます。
- 鍵が分からない
- Wi-Fiが弱い
- 道に迷った
- エアコンがつかない
これは普通です。
むしろ宿泊業なので当然。
問題はここから。
最近、宿泊業界でかなり増えているのが、
“感情で押しつぶそうとする電話”
です。
いわゆる、
カスタマーハラスメント(カスハラ)
問題。
これ、
現場ではかなり深刻です。
特に感じること
かなり意外に思われるかもしれませんが、
老若男女問わず、日本人ゲストに多い
です。
もちろん全員ではありません。
むしろ普通のゲストの方が圧倒的に多い。
でも、
“感情型クレーム”になる割合で言うと、
現場感覚では日本人がかなり多い印象があります。
外国人ゲストとの違い
これ、
かなりあります。
外国人ゲストも普通に主張はします。
- 寒い
- 分かりにくい
- 写真と違う
- 不便
普通に言います。
でも多くの場合、
「問題を解決したい」
なんです。
つまり、
- 鍵開けたい
- Wi-Fi繋げたい
- 部屋入りたい
目的が明確。
そして解決すると、
「OK、ありがとう」
で終わることが多い。
かなりドライ。
一方、日本人型カスハラ
ここがかなり独特。
最初は普通なんです。
例えば
「チェックイン方法が分かりにくいです」
ここまでは普通。
でも途中から、
- 「普通こうしますよね?」
- 「社会人としてどうなんですか?」
- 「責任者出してください」
になっていく。
しかも不思議なのが、
問題はもう解決している
ケースがかなり多い。
鍵は開いた
Wi-Fiも繋がった
部屋にも入れた
でも終わらない。
なぜなのか?
これ、
現場でかなり考えます。
そして長年見ていて感じるのは、
日本人って途中から“目的が変わる人”がかなり多い
ということ。
最初は、
「問題を解決したい」
だった。
でも途中から、
「自分がどれだけ不快だったかを分からせたい」
に変わる。
さらに進むと、
「相手を反省させたい」
になる。
最終的には、
「自分が勝ちたい」
になることもある。
これ、海外だと意外と少ない
もちろん海外にも怒る人はいます。
でも多くは、
“目的ベース”
なんです。
- 部屋変えて
- 返金して
- 修理して
要求が明確。
そして終われば終わる。
でも日本人型って、
“感情処理”
が途中から主目的になるケースがかなり多い。
なぜこうなるのか?
ここ、
かなり日本特有だと思っています。
島国文化
まず大きいのがこれ。
日本って、
「空気」
をかなり重視する文化です。
- 察する
- 配慮
- 気を遣う
- 我慢する
これが前提。
つまり普段、
かなり感情を抑えている。
でも抑えすぎるとどうなるか
あるタイミングで、
一気に爆発する
んです。
しかもその時、
“今の問題”だけじゃなく、
過去のストレスまで乗る。
例えば
- 仕事でイライラ
- 家庭で疲れてる
- 旅行で疲弊
- 移動で疲れた
そこに、
「チェックイン分かりにくい」
が来る。
すると途中から、
“鍵の問題”
ではなくなる。
さらに日本人特有なのが
“正しさ”
への執着。
例えば。
- マニュアル通りか
- 常識か
- 普通か
- 配慮あるか
ここをかなり重視する。
だから途中から、
「私は間違ってないですよね?」
確認モードになる。
そして宿泊業、
かなりターゲットにされやすい
なぜか?
“サービス業だから”
です。
日本って、
「お客様は神様」
文化がかなり強い。
だから一部では、
「強く出れば相手が折れる」
と思われやすい。
実際かなりあります
- 長電話
- 説教
- 威圧
- 高圧的
でも不思議なのが、
本人は“カスハラしている自覚”が薄い
ケースがかなり多い。
むしろ、
「正しいことを教えている」
感覚の人もいる。
これ、
教育や育ち方もかなり影響あると思う
日本って、
- 我慢
- 協調性
- 空気を読む
をかなり重視して育つ。
でも逆に、
“感情の処理”
を学ぶ機会が少ない。
だから不満が出た時、
冷静に整理するより、
“感情が溢れる”
方向に行きやすい。
しかも最近はSNS時代
ここもかなり大きい。
今って、
- レビュー
- SNS
全部“発信力”になる。
つまり、
「相手にダメージを与えられる」
手段が増えた。
実際最近かなり増えている
- 「レビュー書きます」
- 「Google載せます」
- 「SNS出します」
これ、
現場では本当に増えています。
でも逆に外国人ゲスト
かなり合理的。
例えば。
「部屋寒い」
↓
「毛布ほしい」
↓
終わり。
日本人型。
「寒い」
↓
「事前案内が悪い」
↓
「普通こうしますよね?」
↓
「旅行が台無し」
↓
「責任者出してください」
途中から、
“暖かくなりたい”
が目的じゃなくなる。
現場側が一番疲弊するのはここ
問題そのものより、
“終わらない感情”
です。
そして最後に
“スタッフを守る”という視点も、これからの宿泊業ではかなり重要になっています
昔の宿泊業界って、
「とにかく謝る」
「最後まで対応する」
が当たり前でした。
でも最近は、
現場の空気がかなり変わってきています。
なぜか。
実際に、
スタッフが疲弊して辞めていくケースが本当に増えているからです。
例えば、
- 長時間の威圧電話
- 人格否定
- 深夜の感情的な連絡
- 解決後も終わらない説教
これが続くと、
現場スタッフの精神的負担はかなり大きい。
しかも民泊・貸別荘って、
少人数で回している会社も多い。
つまり、
“1件のカスハラ”
が、
現場全体にかなり影響します。
だから最近は、
- 通話録音
- チャット履歴保存
- 対応履歴管理
を行う運営会社もかなり増えています。
これは冷たい対応ではなく、
「スタッフを守るため」
です。
さらに最近、
現場でかなり重要になっているのが、
“どこまで対応するか”
ではなく、
“どこで対応を打ち切るか”
を決めること。
もちろん、
正当な問い合わせには最後まで対応する。
でも、
- 威圧
- 暴言
- 長時間拘束
- 恫喝
- 過度な人格攻撃
などが続く場合。
「これ以上の対応はできません」
と線を引くことも、
運営としてかなり重要になってきています。
そして最悪の場合。
- 他ゲストへの迷惑
- スタッフへの危険
- 運営継続困難
などがある場合には、
“宿泊拒否”
という判断が必要になるケースもあります。
宿泊業って、
“お客様だから何をしても許される”
ではありません。
ゲストも人間なら、
対応するスタッフも人間です。
だからこれからの民泊・貸別荘運営では、
「ゲスト満足」
だけではなく、
「現場スタッフを守れる運営」
も、
かなり重要になっていくのかもしれません。
このコラムについて
本コラムは、民泊運営歴10年・宅地建物取引士資格を持つ管理部長・柳瀬が、実務経験をもとに執筆しています。
OTA(Airbnb・Booking.com 等)の実運用、価格調整・稼働率改善、住民・ゲスト・管理組合とのトラブル対応、行政対応・是正指導、うまくいかなかった運営や撤退判断まで――現場責任者として経験してきた民泊運営のリアルを踏まえた内容です。
本コラムでは、きれいな成功談や理想論だけのノウハウではなく、
**「実際に現場で何が起きるのか」「どこでつまずきやすいのか」「判断を誤りやすいポイントはどこか」**を、実務目線でお伝えしています。
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