遠隔でリゾート民泊を運営する難しさ|都市型民泊との決定的な違いとは

遠隔でリゾート民泊を運営する難しさについて現場目線で解説 ~「大阪でできたから地方でもできる」は意外と危険です~
ここ数年、白浜、淡路島、高島、御殿場などのリゾートエリアで運営相談をいただく機会が増えています。
その中で最近特に感じることがあります。
それは、
「都市型民泊の運営経験」と「リゾート貸別荘の運営経験」は全く別物だということです。
むしろ同じ宿泊業として扱う方が危険かもしれません。
実際に最近は、
「運営をお願いしたけれど半年で切り替えたい」
「オープンして数か月で運営会社を変更したい」
という相談も増えています。
なぜそんなことが起きているのでしょうか。
大阪と東京で起きていること
まず前提として、大阪や東京では年々規制が厳しくなっています。
住宅宿泊事業(民泊新法)は年間180日制限があります。
自治体ごとの上乗せ条例もあります。
近隣トラブルへの対応も厳しくなっています。
さらに宿泊施設自体も増え続けています。
以前のように、
「とりあえず民泊を始めれば儲かる」
という時代ではありません。
そのため最近では、
大阪や東京で運営していた会社が地方へ進出するケースが増えています。
これは自然な流れです。
新しい市場を探すこと自体は悪いことではありません。
しかし問題はここからです。
リゾート民泊はゲームのルールが違う
例えば大阪市内の民泊。
ゲストは観光が目的です。
朝から夜まで外出しています。
宿は寝る場所という感覚の方も多いです。
一方でリゾート貸別荘。
ゲストは施設を楽しみに来ています。
BBQ。
サウナ。
露天風呂。
テラス。
焚火。
ドッグラン。
プール。
極端な話、
観光地に行かず施設だけで過ごすゲストもいます。
つまり、
宿そのものが商品です。
ここが都市型民泊との大きな違いです。
「エアコン1台故障」の重みが違う
以前、都市部の民泊でエアコンが故障したことがありました。
もちろん大問題です。
ただ代替案もあります。
近隣のホテル。
別部屋への移動。
短時間での業者手配。
選択肢が比較的多いのです。
しかし白浜や高島の貸別荘は違います。
夏休み。
お盆。
連休。
周辺施設は満室。
業者も予約でいっぱい。
交換部品も数日待ち。
そしてゲストは家族8名。
この状況でエアコンが故障したらどうなるでしょうか。
正直、胃が痛くなります。
リゾート運営を経験したことがある人なら分かると思います。
地方は設備トラブル一つで難易度が一気に上がるのです。
清掃会社がいれば大丈夫という誤解
地方進出したばかりの会社でよく見かける考えがあります。
「清掃会社と契約したから大丈夫です」
もちろん清掃会社は重要です。
ただ実際にはそれだけでは足りません。
設備業者。
水道業者。
電気業者。
ガス業者。
害虫駆除業者。
近隣対応。
駆けつけ体制。
緊急連絡先。
地域の事情。
これらが必要になります。
リゾート施設は一棟貸しが多いため、マンション型民泊より設備トラブルの範囲も広くなります。
つまり、
清掃会社=運営体制ではない
のです。
実際に起きている運営会社の切り替え
最近相談を受けたオーナー様の話です。
運営会社を選んだ理由を聞くと、
「大阪でたくさん運営していたから安心だと思いました。」
とのことでした。
実績も立派でした。
ホームページも綺麗でした。
ところが運営開始後、
設備トラブルへの対応が遅い。
報告が少ない。
レビュー改善提案がない。
現地確認の頻度が少ない。
という問題が発生したそうです。
もちろん会社名を出すつもりはありませんし、その会社が悪いと言いたいわけでもありません。
ただ、
都市型民泊で成功していることと、リゾート貸別荘で成功することは別の能力
なのです。
リゾート運営は「仕組み」より「経験」がものを言う
最近はAIもあります。
自動返信もあります。
システムも進化しています。
しかし地方運営になると最後は人です。
台風が来た。
大雪が降った。
温泉設備が故障した。
鹿が庭に入った。
イノシシが出た。
蜂の巣ができた。
都市部ではあまり聞かない話が普通に発生します。
実際に地方運営を長くしていると、
「またこの季節か」
という感覚になります。
経験が蓄積されていくのです。
逆に初めて地方へ進出した会社は、毎回が初体験です。
当然ですが対応スピードや判断にも差が出ます。
オーナー様が見るべきポイント
もしリゾート貸別荘の運営会社を探しているのであれば、
管理戸数だけを見るのではなく、
その会社が何年間リゾートエリアを運営してきたか
を確認した方が良いと思います。
白浜。
淡路島。
高島。
御殿場。
沖縄。
こうしたエリアで実際に運営経験があるか。
そして今も継続しているか。
そこは非常に重要です。
まとめ
大阪や東京の規制強化によって、多くの運営会社が地方へ目を向けています。
それ自体は自然な流れです。
しかし、
都市型民泊とリゾート貸別荘は全く違います。
必要な体制も違う。
必要な経験も違う。
起こるトラブルも違う。
ゲストが求めるものも違う。
だからこそ最近では、
地方進出したばかりの運営会社から、再び運営会社を切り替えるオーナー様も少しずつ増えているように感じます。
リゾート貸別荘は写真映えする施設を作れば成功するわけではありません。
オープンしたその日から始まる日々の運営こそが、本当の勝負です。
そしてその勝負は、ホームページの見栄えや管理戸数よりも、現場経験の差が大きく出る世界なのかもしれません。

