民泊・貸別荘運営会社の「エリア撤退」は今後増えるのか?オーナーが知っておくべき現実

民泊・貸別荘運営会社の「エリア撤退」は今後増えるのか? ~オーナーが知っておきたい宿泊業界の現実~
少し重たい話になるかもしれません。
でも、これから貸別荘や民泊を始める方には、ぜひ知っておいてほしいと思っています。
ここ数年、宿泊業界は本当に大きく変わりました。
コロナが終われば元に戻る。
そう思われていた時期もありました。
実際には違いました。
ゲストは戻りました。
でも、
運営は昔より何倍も難しくなっています。
「予約が入れば終わり」の時代ではなくなった
10年前。
民泊運営というと、
予約管理。
清掃手配。
ゲスト対応。
そんなイメージでした。
もちろん大変でした。
でも今は違います。
宿泊者名簿。
本人確認。
パスポート管理。
近隣対応。
騒音対策。
レビュー管理。
OTAごとのルール変更。
法令対応。
条例対応。
消防。
保健所。
そして自治体ごとの運用も変わります。
運営会社の仕事は、
年々増えています。
法律は「始める時」より「続ける時」の方が難しい
宿泊施設を始める時、
営業許可を取得します。
消防検査もあります。
保健所とのやり取りもあります。
ここで終わりだと思われがちです。
しかし実際は違います。
始まってからの方が長い。
そして大変です。
法改正。
自治体からの通知。
実態調査。
届出。
報告。
新しいルール。
毎年何かが変わります。
つまり、
運営会社は「管理会社」ではなく、「法令対応会社」でもあるのです。
地方ほど運営コストは高くなる
これはあまり知られていません。
例えば白浜。
淡路島。
高島。
御殿場。
どれも人気エリアです。
しかし、
設備業者。
清掃会社。
駆けつけ体制。
夜間対応。
現地確認。
都市部より手間も時間もかかります。
さらに法令対応まで増える。
運営会社からすると、
一施設あたりにかかる負担は年々増えています。
「このエリアから撤退します」
少し前までは、あまり聞かなかった言葉です。
しかし最近は業界内でも、
「○○エリアは新規を止めます。」
「△△地域は運営を縮小します。」
そんな話を耳にする機会が増えました。
もちろん全ての会社ではありません。
しかし私は、
今後こうした動きは増える可能性があると思っています。
理由は単純です。
利益より、運営負担の方が大きくなるエリアが出てくるからです。
オーナー様が一番困る瞬間
ここが一番大切です。
もし運営会社が、
「来月でこのエリアから撤退します。」
と言ったらどうなるでしょうか。
新しい運営会社を探す。
OTAを引き継ぐ。
清掃会社を探す。
価格設定を引き継ぐ。
レビュー管理。
宿泊者対応。
想像以上に大変です。
宿泊施設は、
引っ越しのように簡単にはいきません。
だからこそ、
「長く運営できる会社かどうか」
を見ることが重要なのです。
私たちがエリアを増やす時に考えること
実は私たちも、
「人気だから」
だけで新しいエリアへ進出することはありません。
まず考えるのは、
5年後も運営できるか。
10年後も続けられるか。
です。
清掃会社はあるか。
協力業者はいるか。
駆けつけ体制は作れるか。
行政との関係はどうか。
そこまで考えて初めて、
そのエリアで運営を始めます。
逆に言えば、
そこまで考えないと、
オーナー様に迷惑をかける可能性があるからです。
「管理戸数」より大事なこと
運営会社を探す時、
「何百件管理しています。」
という数字を見る方も多いと思います。
もちろん実績は大切です。
でも私なら、
別の質問をします。
「このエリア、何年運営していますか?」
「撤退したエリアはありますか?」
「今後もこの地域で運営を続ける予定ですか?」
この質問の方が、
実は会社の考え方が見えます。
まとめ
法令はこれからも変わります。
宿泊業界も変わります。
そして運営会社に求められる仕事は、
これからさらに増えていくと思います。
だからこそ、
今後はエリアによって、
新規受付を停止する会社。
縮小する会社。
撤退を選ぶ会社。
そうした動きが出てくる可能性は十分考えられます。
これは悲観的な話ではありません。
宿泊業が成熟していく中で、
自然な流れなのかもしれません。
だからこそオーナー様には、
「今運営してくれる会社」ではなく、
「5年後も、10年後も、その地域で一緒に走ってくれる会社かどうか」
という視点で運営会社を選んでいただきたいと思います。
宿泊施設は建てたら終わりではありません。
運営会社との付き合いも、
長い経営の始まりなのです。

