Columnsコラム

民泊・貸別荘運営会社を選ぶ前に知ってほしい。「担当者任せ」の運営体制が危険な理由

目次

    「社長ちゃうんかい!」契約した瞬間に担当が変わる運営会社。

     

    本当にその体制で大丈夫ですか?

    最近、運営会社を変更したいというオーナー様から、本当によく似たご相談をいただきます。

    「契約するまでは社長が対応してくれていたんです。」

    「SNSもYouTubeも社長ばかり出ていて、この会社なら安心やと思ったんです。」

    「でも契約した瞬間、『今日から担当が変わります。』って言われました。」

    ここまでは、まだ分かります。

    社長が何百件も担当できるわけではありません。

    でも、その次に続く話を聞くと、

    正直、「それはあかんやろ…。」と思うことがあります。

    「担当者に相談しても答えが返ってこない。」

    「毎回『確認します。』で終わる。」

    「売上の相談をしても市場の説明がない。」

    「法令のことを聞いてもよく分かっていない。」

    「気付いたら担当者が辞めていました。」

    最近は、

    「担当が急に来なくなって、連絡が取れなくなりました。」

    というご相談までありました。

    もうここまでくると、

    担当者が辞めたことが問題ではありません。

    その人しか施設を見られなかった会社の体制に問題があると思っています。

    民泊業界は新規参入が本当に多い

    ここ数年、民泊や貸別荘の運営会社は本当に増えました。

    それだけ宿泊業が注目されているということなので、業界全体としては良いことでもあります。

    ただ、その一方で、運営相談を受けていると少し気になる話も耳にします。

    入社してすぐ担当になった。

    教育はほとんどない。

    「分からなかったら調べて。」

    「とりあえずやってみて。」

    そんな環境で現場へ出るケースがあるという話です。

    もちろん、しっかり教育体制を整えている会社もたくさんあります。

    ですが、相談内容を聞いていると、

    「この担当者さん、誰にも教えてもらえていないんやろな…。」

    と思ってしまうこともあります。

    「やりながら覚えて。」でできる仕事ではありません

    宿泊業って、想像以上に忙しい仕事です。

    朝から電話。

    ゲストから電話。

    清掃会社から電話。

    設備業者から電話。

    近隣から連絡。

    夜は海外ゲストからメッセージ。

    英語。

    中国語。

    韓国語。

    レビュー対応。

    価格調整。

    法令対応。

    設備トラブル。

    これが全部同時に動きます。

    そこへ経験の浅い担当者が入って、

    「分からなかったら調べて。」

    「Google見たら分かるよ。」

    「AIに聞いてみたら?」

    そんな状態だったらどうでしょう。

    正直、

    それは担当者もしんどいです。

    相談する先もない。

    判断してくれる人もいない。

    横で教えてくれる先輩もいない。

    電話だけ鳴り続ける。

    プレッシャーだけ増えていく。

    その結果、

    辞めてしまう。

    業界の中でも、そうした話を耳にすることがあります。

    私たちは、その担当者を責める気にはなれません。

    むしろ、

    そういう環境を作ってしまっている会社の方が問題だと思っています。

    一番困るのはオーナー様です

    でも、本当に困るのは誰でしょうか。

    新人でもありません。

    会社でもありません。

    オーナー様です。

    数千万円。

    施設によっては一億円を超える投資をして、

    「この会社なら安心。」

    そう思って運営を任せた。

    でも実際に担当しているのは、

    まだ経験が少なく、相談できる相手もいない担当者だった。

    売上が落ちても、

    市場分析はない。

    競合分析もない。

    「様子を見ましょう。」

    それだけ。

    そして数か月後、

    担当者が退職。

    また一から説明。

    施設の特徴。

    今までの経緯。

    売上の考え方。

    全部やり直し。

    これ、本当にオーナー様がやる仕事でしょうか。

    「社長が有名」より大事なこと

    最近はSNSやYouTubeで情報発信している会社も増えました。

    それ自体は素晴らしいことです。

    でも、私たちがオーナー様に一番見てほしいのは、

    契約した後です。

    社長がどれだけ有名か。

    どれだけフォロワーがいるか。

    それよりも、

    契約した後、

    誰があなたの施設を見てくれるのか。

    ここを見てください。

    私たちが代表しか担当しない理由

    よく聞かれます。

    「担当者はいないんですか?」

    基本的に、オーナー様との運営相談や売上相談は代表が対応しています。

    理由は一つです。

    宿泊施設の運営は、

    受付業務ではありません。

    経営だからです。

    売上をどう伸ばすか。

    競合とどう戦うか。

    法令が変わったらどう対応するか。

    設備投資は必要か。

    単価をどう動かすか。

    これは経験が必要な仕事です。

    だから私たちは、

    経験の浅い担当者だけに任せることはしません。

    もちろんスタッフはいます。

    清掃手配、ゲスト対応、事務作業など、それぞれ大切な役割があります。

    でも、

    オーナー様の資産をどう運営していくかという判断は、代表が責任を持って行います。

    「代表が忙しいから担当へ任せる」

    確かに効率だけを考えれば、その方が楽かもしれません。

    でも私たちは逆に考えます。

    オーナー様が預けるのは、

    建物ではありません。

    人生で何度もない大きな投資です。

    その相談を、

    一番経験がある人が受けなくてどうするんだろう。

    そう考えています。

    まとめ

    最近、運営会社変更のご相談で、

    「担当者が辞めました。」

    「担当が飛びました。」

    「何も教えてもらえていない担当でした。」

    そんなお話を聞く機会が増えました。

    担当者が辞めること自体は、どの会社にも起こり得ます。

    でも、

    担当者が辞めただけで運営品質まで変わるのであれば、それは担当者の問題ではありません。

    会社の仕組みの問題です。

    運営会社を選ぶ時は、ぜひ一つだけ聞いてみてください。

    「契約した後、実際に誰が私の施設を担当し、最終的に誰が責任を持ってくれますか?」

    その答えには、その会社の運営に対する考え方がそのまま表れています。

    宿泊施設は、建てて終わりではありません。

    運営は何年も続きます。

    だからこそ、本当に大切なのは「営業が上手な会社」ではなく、契約した後も経験のある人が責任を持って伴走してくれる会社なのではないでしょうか。

     

    このコラムについて

    本コラムは、民泊運営歴10年・宅地建物取引士資格を持つ管理部長・柳瀬が、実務経験をもとに執筆しています。

    OTA(Airbnb・Booking.com 等)の実運用、価格調整・稼働率改善、住民・ゲスト・管理組合とのトラブル対応、行政対応・是正指導、うまくいかなかった運営や撤退判断まで――現場責任者として経験してきた民泊運営のリアルを踏まえた内容です。

    本コラムでは、きれいな成功談や理想論だけのノウハウではなく、

    **「実際に現場で何が起きるのか」「どこでつまずきやすいのか」「判断を誤りやすいポイントはどこか」**を、実務目線でお伝えしています。

    コラムを読んで

    「今の運営、このままで大丈夫なのか」

    「一度、第三者の意見を聞いてみたい」

    「これから民泊・貸別荘を始めたいが、何から考えるべきか分からない」

    と感じた方は、運営相談・新規相談だけでもお気軽にお問い合わせください。

    現状整理から方向性の確認まで、実務経験をもとにお話しさせていただきます。