Columnsコラム

民泊・貸別荘運営会社の教育不足が招く現実。最後に困るのはオーナー様です

目次

    教育しない運営会社は、なぜオーナーも新人も不幸にするのか

    ~宿泊業で一番怖いのは「経験不足」ではなく「放置」です~

    最近、運営会社を変更したいというオーナー様から、本当によく似たご相談をいただきます。

    「担当者が何を聞いても『確認します。』ばかりなんです。」

    「売上の相談をしても答えが返ってきません。」

    「法令のことを聞いても、毎回違う回答なんです。」

    「担当者が数か月で辞めてしまいました。」

    こういう話を聞くたびに、私たちは担当者を責める気にはなれません。

    むしろ思うのは、

    「この人、ちゃんと教えてもらえてるんかな。」

    です。

    宿泊業は「見て覚えて」ではできません

    昔は、

    「見て覚えろ。」

    そんな仕事もたくさんありました。

    でも宿泊業は違います。

    旅館業法。

    住宅宿泊事業法。

    OTAごとのルール。

    価格設定。

    レビュー分析。

    インバウンド対応。

    設備管理。

    近隣対応。

    消防。

    保健所。

    英語。

    中国語。

    韓国語。

    覚えることは本当に山ほどあります。

    それを、

    「とりあえずやってみて。」

    「分からんかったら調べて。」

    だけでできるほど簡単な仕事ではありません。

    電話は鳴り続けます

    宿泊施設は365日動いています。

    朝から電話。

    ゲストから電話。

    設備業者から電話。

    清掃会社から電話。

    夜には海外ゲストからメッセージ。

    レビュー対応。

    価格変更。

    OTAから連絡。

    その中で、

    経験の浅い担当者が一人。

    横を見ても、

    相談できる人がいない。

    「社長は営業で外。」

    「先輩も担当で忙しい。」

    「自分で調べるしかない。」

    これ、

    正直かなりしんどいと思います。

    辞める人が悪いのでしょうか

    業界の中では、

    「担当が辞めた。」

    「急に来なくなった。」

    そんな話を耳にすることがあります。

    もちろん、

    社会人として無断退職は良いことではありません。

    でも、

    その前に考えたいことがあります。

    その人は、

    ちゃんと教育を受けていたのでしょうか。

    相談できる環境はあったのでしょうか。

    失敗してもフォローしてくれる人はいたのでしょうか。

    何もないまま現場へ出されていたのであれば、

    会社にも改善すべき点はあるのではないでしょうか。

    一番困るのはオーナー様です

    担当者が辞める。

    新しい担当になる。

    また辞める。

    また変わる。

    施設の説明をする。

    過去の経緯を話す。

    ゲストの特徴を説明する。

    売上の考え方を共有する。

    また一から。

    これを繰り返しているオーナー様もいらっしゃいます。

    本来、

    オーナー様が契約しているのは担当者ではありません。

    運営会社です。

    担当者が変わっても、

    運営品質が変わらない。

    それが会社の役割ではないでしょうか。

    教育しない会社は、新人も育ちません

    新人は、

    最初から何でもできるわけではありません。

    だから教育があります。

    だから先輩がいます。

    だから代表がいます。

    ところが、

    教育せずに現場へ出す。

    困ったら自分で調べる。

    分からなかったら持ち帰る。

    これでは、

    いつまで経っても判断できる人は育ちません。

    結果として、

    オーナー様への提案もできない。

    市場分析もできない。

    売上相談にも答えられない。

    本人もしんどい。

    オーナー様も困る。

    誰も得をしません。

    私たちは教育に一番時間をかけます

    宿泊業は、

    マニュアルだけでは運営できません。

    だから私たちは、

    いきなりオーナー様を担当させることはありません。

    代表が判断する。

    一緒に現場を見る。

    なぜその判断になったのかを説明する。

    数字を見る。

    市場を見る。

    競合を見る。

    その積み重ねがあって初めて、

    一人で考えられるようになります。

    教育とは、

    知識を教えることではありません。

    判断基準を伝えることだと思っています。

    「担当者を育てる会社」と「担当者を消耗する会社」

    ここが一番大きな違いです。

    教育をする会社は、

    新人が育ちます。

    経験も積みます。

    オーナー様との信頼も生まれます。

    でも、

    教育をしない会社は、

    新人が辞めます。

    また新人が入ります。

    また辞めます。

    その繰り返しになります。

    そして、

    一番その影響を受けるのは、

    オーナー様です。

    まとめ

    最近、

    運営会社変更のご相談を受けるたびに思うことがあります。

    担当者が悪いわけではありません。

    新人が悪いわけでもありません。

    本当に見直すべきなのは、

    教育をしない会社の仕組みです。

    宿泊施設は、

    数千万円、時には一億円を超える資産です。

    その運営を任せる以上、

    経験だけでなく、

    教育体制もぜひ確認してください。

    「誰が担当ですか?」

    だけではなく、

    「その担当者を、誰が育てていますか?」

    この質問をするだけで、

    その会社の運営品質はかなり見えてくると思います。

     

    このコラムについて

    本コラムは、民泊運営歴10年・宅地建物取引士資格を持つ管理部長・柳瀬が、実務経験をもとに執筆しています。

    OTA(Airbnb・Booking.com 等)の実運用、価格調整・稼働率改善、住民・ゲスト・管理組合とのトラブル対応、行政対応・是正指導、うまくいかなかった運営や撤退判断まで――現場責任者として経験してきた民泊運営のリアルを踏まえた内容です。

    本コラムでは、きれいな成功談や理想論だけのノウハウではなく、

    **「実際に現場で何が起きるのか」「どこでつまずきやすいのか」「判断を誤りやすいポイントはどこか」**を、実務目線でお伝えしています。

    コラムを読んで

    「今の運営、このままで大丈夫なのか」

    「一度、第三者の意見を聞いてみたい」

    「これから民泊・貸別荘を始めたいが、何から考えるべきか分からない」

    と感じた方は、運営相談・新規相談だけでもお気軽にお問い合わせください。

    現状整理から方向性の確認まで、実務経験をもとにお話しさせていただきます。