沖縄で民泊用不動産を買うのは難しい?

観光地の魅力と裏腹にある、現実的なハードルとは
青い海、豊かな自然、独自の文化――。
沖縄は今も昔も不動の人気を誇る観光地であり、国内外から多くの旅行者が訪れる「宿泊需要の宝庫」です。こうした背景から、「沖縄で民泊用の不動産を購入して運用したい」と考える投資家やオーナーも年々増加しています。
しかし、実際に沖縄で民泊用物件を手に入れ、運営するのは**思ったよりも“簡単ではない”**のが現実です。本コラムでは、沖縄での民泊用不動産購入の難しさや、その理由についてわかりやすく解説します。
■ 沖縄で民泊を始めるのが難しい5つの理由
1. 規制が地域によって厳しい
那覇市・北谷町・恩納村など観光地として人気のあるエリアほど、住居専用地域での民泊禁止・制限が多くなっています。また、那覇市ではホテルや簡易宿所を規制する動きが強まっており、届出や許可が下りないケースも。
→「買ったはいいが、民泊できないエリアだった」というケースが後を絶ちません。
2. 物件価格が高騰傾向にある
沖縄は観光需要に支えられたリゾート地である一方、土地・建物価格は年々上昇傾向。民泊に適した物件は競争率が高く、首都圏と変わらない価格帯で取引されることも。
ROI(投資回収率)をシビアに見ると、「思ったより儲からない」状況になりがちです。
3. 外国人・インバウンド需要に依存している
沖縄の民泊需要の多くは、韓国・台湾・中国からの訪日観光客に支えられている面があり、地政学リスクや国際情勢の影響を受けやすいのも事実です。コロナ禍ではその依存構造が大きな痛手となりました。
4. 地域コミュニティとの関係構築が必要
沖縄の住宅地では、近隣住民とのトラブルや苦情が民泊において大きな問題となってきました。地元との信頼関係なくして民泊を長期運営するのは困難で、都市部以上に“地域との共生”が求められます。
特に騒音・ゴミ出し・違法駐車などのトラブルは、民泊事業者にとって致命的なダメージに。
5. 運営会社・管理体制の選定が重要
県外在住のオーナーが沖縄で民泊を運営する場合、地元の信頼できる運営会社や清掃業者の確保が必要不可欠です。ですが、全体の業者数は限られており、対応が不十分な業者に依頼してしまうと、施設運営そのものが立ち行かなくなることも。
■ 難しいからこそ、“現地理解”と“戦略性”がカギ
沖縄での民泊は、たしかに難しい面があります。しかしそれでも、適切なエリア選定・法規制の確認・現地パートナーの確保ができれば、高い稼働率とリピート客に支えられた安定運営が実現できます。
そのためには、
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観光需要と規制のバランスが取れたエリアを選ぶ
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法務・許可手続きに強い専門家に相談する
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現地運営会社とタッグを組んで“地元に受け入れられる民泊”を目指す
という視点が不可欠です。
■ まとめ:沖縄民泊は“憧れ”だけで突っ込まない
沖縄の不動産投資は夢があります。
しかし、民泊運営を見据えて物件を購入する場合は、「憧れ」や「観光人気」だけでは成功しません。
必要なのは、冷静な情報収集と、地に足のついた戦略です。
「難しい=無理」ではなく、
「難しい=準備と知識が必要」というだけの話。
正しい準備ができれば、沖縄での民泊は今でも非常に魅力的なビジネスチャンスと言えるでしょう。