思わぬ落とし穴・・・安い代行に任せたら全部が“オプション”だった

〜安さに飛びついたオーナーが味わう、民泊運営の現実と落とし穴〜
民泊運営を始めたばかりのオーナーが、まず気になるのは「手数料」だ。
そして数ある運営代行業者の中から、「手数料10%」「固定月額5,000円」など、“破格”とも言える価格を提示する代行業者を選んでしまうケースは少なくない。
だが、実際に委託してみると、次々と見えてくるのは**“料金の罠”と“対応の限界”**だった――。
これは、コスト削減を最優先したことで、結果的に“高くついた”オーナーたちの体験談であり、同じ過ちを繰り返さないための警鐘でもある。
表面上の「安さ」には裏がある
「手数料10%で全対応!」と書かれていたが…
初期契約時には「集客・メッセージ対応・清掃手配・レビュー管理込みで手数料8%!」と案内されていた。
ところが運営が始まると、実際には以下のような**“オプション課金”の連続**だった。
つまり、基本手数料だけでは“最低限の放置運営”しかしてもらえない。
実態①:サービスが「できません」「対応していません」だらけ
実際に運営を始めると、こうした言葉に何度も直面する:
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「その対応はやっておりません」
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「そちらで対応をお願いします」
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「清掃業者の空きがないため日程調整できません」
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「価格の変更はこちらで決めておりません」
要するに、**オーナーがやってほしいことはほとんど“非対応”**か、別料金。
しかも、頼んだところで対応スピードは遅く、意思疎通もうまくいかない。
実態②:担当者に“ノウハウ”がない
安価な代行会社では、人件費削減のために経験の浅いアルバイトや外注スタッフが対応しているケースも多い。
以下は、あるオーナーが受けた対応例:
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「レビュー評価が3.5に下がったのですがどう対応したら?」→「様子を見ましょう」
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「周辺の競合価格はどうなっていますか?」→「調査は行っておりません」
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「清掃業者が毎回ゴミを放置します」→「別の業者は紹介できません」
つまり、「民泊のプロフェッショナル」とは名ばかりで、最低限のオペレーションしかわからない担当者が実際の現場を仕切っていることも多いのだ。
実態③:地域事情・トラブルにまったく対応できない
たとえば大阪市内の物件で、近隣住民から「夜間の騒音がうるさい」と通報されたケース。
オーナーが連絡すると、
「当社では騒音苦情への対応は行っておりません。お客様自身で管理会社か警察にご連絡ください。」
という信じられない回答が返ってきた。
行政からの立ち入り調査が入りそうな状況でも、業者は“自社の範囲外”として責任を取らない。
実態④:長期的な運用改善が一切ない
手数料が安い代行会社は、**「成果報酬型」でなく「作業代行型」**である場合が多い。
そのため、物件の稼働が良くても悪くても関係ない。
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稼働が落ちても「特に対策はありません」
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競合との差別化について提案なし
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清掃クレームが増えても業者の変更なし
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写真が古くなってもそのまま
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リスティングの文面も最初のまま放置
つまり、物件を“成長させる”意識が存在しない。
結果:オーナーがやることがどんどん増える
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自分でレビューをチェックして返信
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価格設定を自ら変更する
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清掃後の写真確認
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ゲストからのトラブル連絡に直接対応
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清掃業者への指示書を作成
「全部任せたいから代行を頼んだはずなのに、気づけばほぼ半分以上は自分で管理していた」という声も。
これは**「見せかけの安さ」が生んだ、自業自得のような苦労**と言える。
結論:「安さ」ではなく「価値」で選ぶべき
民泊代行は単なるコストではなく、**あなたの物件のブランド価値と利益を左右する“経営パートナー”**である。
だからこそ、重要なのは以下のような視点だ:
✅ 価格ではなく「中身」に目を向ける
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価格調整、レビュー管理、緊急対応、トラブル処理など、すべて込みのフルサポート型か?
✅ 担当者の知見・熱量を確認する
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質問への返答が的確か?改善提案があるか?
✅ オプション料金が明確か
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「基本料以外に何が別料金か」が事前に開示されているか?
最後に:民泊運営は「安く済ませる」ものではない
民泊は立派な不動産事業であり、観光業でもある。
そこに安易な代行業者を選べば、**「一生モノの悪評」「運営停止」「近隣トラブル」**という高すぎる代償を払うことになる。
「安さ」に目を奪われるのではなく、信頼・実力・誠実さという“見えにくい価値”をしっかり評価すること。
それが、民泊運営を長く安定して続けていくための、最も確実な道なのだ。