「レスが早い」なんて当たり前。民泊運営代行に求められるのは“その先”だった

■ 「レスポンスが早い」は評価じゃない。最低限の条件。
民泊運営代行を選ぶとき、よく見かけるセールスポイントにこう書かれています。
「メッセージは即返信」
「ゲストへの素早い返信で高評価を維持」
一見、信頼できそうな文言です。
でも、民泊運営の現場にいる私から言わせていただきます。
それ、当たり前です。
■ 返信が30分遅れるだけで、レビューは地獄行き
友人がまだ個人で運営していたころの話です。
ある日、チェックイン予定のゲストから「鍵が開かない」と連絡が入りました。
その日は外出中で、スマホの通知に気づかず、返信が30分遅れました。
対応した時にはすでにゲストは苛立ち、近隣で寒さに震えていました。
その結果がこちら:
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⭐️ 1レビュー:「最悪の体験」「連絡が取れなかった」
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OTAから警告:「レスポンスタイムが評価基準を下回りました」
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他の予約に影響が出て、キャンセルが続出
たった“30分の返信遅延”で、数ヶ月積み上げた信頼が崩れ落ちた瞬間でした。
■ “素早い返信”は加点ではない。「できて当たり前」のライン
民泊は、旅の途中で使われるサービスです。
飛行機に遅れが出る、鍵が見つからない、設備の使い方がわからない。
旅先では「ちょっと聞きたいこと」が大量に発生します。
そして、その「ちょっと聞きたい」にすぐ答えてくれるかどうかが、ゲストの満足度を大きく左右するのです。
運営代行に求められるのは、こうした**“現場の即応力”**。
これは“強み”でも“アピールポイント”でもなく、基本の土台でしかありません。
■ レスポンスの遅さ=信頼の喪失。民泊の世界は厳しい。
民泊では、ゲストとのやりとりが評価と直結します。
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✅ 返信が1〜2分で来る → 「安心」「信頼できるホスト」
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❌ 数十分放置 → 「不安」「次は使いたくない」「星1」
特にAirbnbでは、「Response rate(返信率)」と「Response time(返信時間)」がホスト評価の指標として明示され、
一定の水準を下回ると、スーパーホスト剥奪や検索順位の低下という制裁もあります。
民泊の世界では、「早く返すこと」は評価ではなく、やらないとマイナスになる項目なのです。
■ 運営代行に求めるべきは「その先の判断力と現場力」
本当に優秀な運営代行は、返信が速いだけではありません。
✅ 例:ゲスト「エアコンが動かない」と夜中に連絡
☑︎ 普通の代行 →「すぐ連絡ありがとうございます。確認します」と返信
☑︎ 優秀な代行 →「室外機が凍結していないかご確認ください」「代替ヒーターを用意します」「今からスタッフが伺います」と即時判断&現場手配
つまり、「返すだけ」では不十分。
「問題を即解決する力」こそが、運営代行の真の価値です。
■ 自社の運営体制が“早さを維持できるか”をチェックすべき理由
運営代行に任せていても、次のような問題が発生することがあります:
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メッセージをAIで自動返信しているだけ(テンプレ対応)
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夜間は外注コールセンターで、実質「対応できません」
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土日や祝日は反応が遅い
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日本語以外の問い合わせに対応不可
あなたの物件が、365日、言語問わずリアルタイム対応できているか?
これはホストとして非常に重要な確認ポイントです。
■ 「返信が早いです!」と自慢する代行には要注意
個人で運営していた経験上、
「ウチは返信が早いです」と売り込んでくる代行業者ほど、実は他の部分で弱いことが多いです。
なぜなら、「返信の速さ」をあえてアピールするということは、
他にアピールする武器がない=解決力や現場対応力が弱い可能性が高いからです。
■ 最後に:民泊運営は“即レスして当たり前”の世界
あなたの物件が、
「返信が早くて丁寧だから安心できた!」
というレビューをもらったとき、それは褒め言葉のようでいて、
ただの合格点なのです。
むしろ、返信が遅かったら、
レビューに書かれさえしなくても、次は選ばれない宿になります。
【結論】
✅「返信が早い」=評価ポイントではない。最低限の必須条件。
✅ 評価されるのは「早く返したうえで、的確に対応した時」だけ。
✅ 代行を選ぶときは、“レスの早さ”より“対応力と裁量のある現場対応”をチェックせよ。
あなたが本当に信頼すべき代行会社は、
「返すだけ」で終わらず、“すぐに動いて解決する”会社です。
それができないなら、いっそ自分でやった方がマシかもしれません。