Columnsコラム

【新築には勝てない?】白浜・淡路島・沖縄の貸別荘ブームと、10年以上稼働を見据えた“本気の造り”

目次

    観光地の貸別荘は今、新築ラッシュ

    ここ数年、白浜・淡路島・沖縄といったリゾートエリアでは、新築の貸別荘が続々と誕生しています。SNS映えする外観、大きな窓、最新の設備、清潔感――初めて見るゲストの多くが「ここに泊まりたい」と直感的に思うのも当然です。

    特に白浜や淡路島では、海が見えるロケーションに“新築3LDK+ジャグジー”といった物件が月に数件ずつ登場しており、まさに**「見た目勝負」の時代**が到来しています。

    では「新築じゃなければ勝てない」のか?

    結論から言えば 「必ずしも新築である必要はない」 です。

    しかし、それは “築年数に甘えて良い”という意味ではありません

    実際に私たちが運営している施設の中にも、築30年以上の中古戸建てを大規模リフォームして貸別荘として成功している物件があります。

    ただしそれは、「手間もコストもかけて、しっかり作り込んだ」場合に限ります

    新築と張り合うには、“見た目”と“中身”の刷新が不可欠

    ゲストが求めるのは「新しい物件」ではなく「清潔で快適な空間」。

    これを実現するには、築年数に関係なく、以下のような改修・準備が必須です。

    • 内装フルリフォーム(壁紙、床、キッチン、浴室など)

    • エアコン、給湯器、Wi-Fiなどの最新設備

    • 水回りの徹底清掃と定期的なメンテナンス

    • 家具・寝具類の入れ替えと統一感あるインテリア

    • 写真映えする外観や植栽の整備

    こうした要素をしっかり押さえれば、中古物件でも十分に新築物件と戦えます。

    表面的なリフォームだけでは“持たない”

    「内装だけ少し綺麗にして貸し出す」というスタイルでは、最初の2〜3年は稼働しても、リピーターがつかず、口コミも落ちていき、数年後には空室だらけになるケースが多いです。

    観光地では特に口コミが命。

    写真と実物のギャップや、「カビ臭い」「備品が古い」「エアコンが効かない」といった評価がつけば、修復は困難です。

     

    「新築には勝てない」ではなく、「お金をかけなければ勝てない」

    • 白浜・淡路島・沖縄などでは新築貸別荘が目立ち始めている

    • 新築でなくても、しっかりとお金をかけたリノベーションで十分勝負できる

    • 初期投資をケチった物件は、2〜3年で稼働が落ち、負のスパイラルに

    • 長期稼働を実現するためには、設計・設備・運営導線まで「本気」で作るべき

    • 貸別荘は“短距離走”ではなく“長距離レース”――10年稼働を見据えた設計が必要

    なぜ“長期稼働”の視点が重要なのか?

    貸別荘は「初期費用を回収したら終わり」ではなく、10年単位で収益を生み続ける資産です。

    短期的に利益を上げようと安く仕上げるのではなく、「10年稼働させるつもりでお金をかける」ことが成功の鍵となります。

    初期にしっかり費用をかけておけば:

    • 稼働率が安定し、オフシーズンも予約が入る

    • 清掃・維持コストが抑えられる(壊れにくい設備導入)

    • リピーターがつき、広告費が減る

    • 売却時も高く評価される

    という長期的なメリットを享受できます。

    実際の成功例:築古リフォームでも高稼働を実現

    弊社が手掛けた白浜の1軒家は、築35年の和風住宅でしたが、全面的にリノベーションを行い、以下のような工夫を加えました。

    • 窓からの景色を活かすようにウッドデッキとジャグジーを新設

    • 水回りはすべて最新設備に変更

    • 壁を取り払い開放感のあるLDKに

    • 元の和室は旅館風インテリアで「和モダン」へ変化

    結果的に「新築と勘違いした」とレビューがつくほどで、今では通年で稼働率80%を超える人気物件となっています。

    まとめ:勝ち負けは“築年数”ではなく“作り込み”

    • 新築物件が人気なのは事実

    • しかし、築古でもしっかり作れば同等以上に勝負できる

    • ゲストは“清潔・快適・映える”空間を求めている

    • 数年でガタが来るような表面リフォームではなく、10年スパンで考える投資が重要

    • 中古物件でも、長期的な視野と本気の改装で“収益資産”に変わる


    「最初はとりあえず簡単に始めよう」では、今の貸別荘市場では通用しません。

    ゲストの期待値が上がっている今、求められるのは “価格” ではなく “価値” です

    中古物件であっても、妥協なく作り込むことで、「新築に勝つ」貸別荘は十分に作れます。

    その判断が、10年後の収益と持続力を決めるのです。