【レビューください、は卒業しよう】“書かせる宿”じゃなく“書きたくなる宿”に。

“絶対にやらない”良いレビューを書いてとお願いする行為。民泊・貸別荘で本当にやるべきことは「おもてなしの質を磨くこと」だった。
「レビューお願いします」はおもてなしの敗北
民泊や貸別荘の運営において、レビューは非常に重要です。
高評価レビューが多ければ多いほど、新規の予約につながりやすく、宿の価値も自然と上がっていきます。
だからこそ、多くのオーナーや運営会社が、
**「良いレビューを書いてください」**というお願いを、ゲストに直接送ってしまいがちです。
でも、それ──
あなた自身が泊まる側だったらどう感じますか?
“お願いレビュー”はゲストにプレッシャーを与える
ゲストの多くは、「本当にいい体験だった」と思えば自然とレビューを書いてくれます。
その行動は自発的で、感情がこもり、読み手の心にも届きやすい。
ところが、滞在後に届いたメッセージがこんな内容だとどうでしょう?
「レビューがとても大切なので、良い評価をお願いします」
「星5を付けていただけると嬉しいです!」
「何かご不満があれば連絡ください。レビューにはぜひ高評価を!」
こうした“懇願メッセージ”を受け取ったゲストは、こんなふうに思います:
-
「プレッシャーだな…」
-
「頼まれたから書くのってなんか違う」
-
「そもそもそれって、私の自由じゃないの?」
そして最悪の場合、
**“わざわざ頼まないと良い評価がもらえない施設”**という印象を持たれてしまうのです。
レビューを書きたくなる宿は、お願いしなくても書かれる
これは実体験ですが、筆者が運営している民泊施設では、一切「レビューを書いて」とお願いしていません。
それでもレビュー率は非常に高く、星4.8〜4.9の水準をキープしています。
なぜか?
ゲストが「これは書きたい!」と思える体験を提供しているからです。
-
清掃が徹底され、入った瞬間に感動がある
-
スタッフやホストの対応がスマートかつ温かい
-
宿の雰囲気がインスタ映えして、自然とSNSや口コミに載せたくなる
-
小さな気配り(ウェルカムメッセージやメッセージカード)が心に残る
こうした**“感動のタネ”を宿側が用意しておくことで、レビューは勝手に生まれてくる**のです。
「レビュー依頼」にかける工数は、“おもてなしの強化”に回せ
滞在後に一斉送信でレビューをお願いし、返信を待ち、書かれたか確認して…
そんな手間のかかるルーティンに時間をかけるくらいなら、
そのエネルギーを「おもてなしのクオリティ向上」に回した方が、はるかに効果的です。
たとえば:
-
ウェルカムドリンクや簡単なギフトの導入
-
ローカルのおすすめスポットが載ったオリジナルMAPを置く
-
誰でも感動する照明の演出や音楽のチューニング
-
ゲストが「次もまた来たい」と思うチェックアウト体験を演出する
「良いレビューをお願いする」のではなく、
「良いレビューを書かずにはいられない宿をつくる」。
これが、選ばれ続ける宿が共通して実践している姿勢です。
■ ゲストとの信頼は“強要”ではなく、“共有”から生まれる
良いレビューとは、ゲストがあなたの施設で過ごした「良い記憶」の記録です。
その記録を強引に頼むのではなく、自然と心が動いた瞬間を共有してもらうことこそが理想。
そのために必要なのは、レビュー催促メッセージではなく、
ゲストの感性を揺さぶる「体験」をどれだけ用意できるかにかかっています。
まとめ:「レビューください」を言わなくてもいい宿になる
民泊や貸別荘の世界は、今や競争が激しく、「どれだけ高評価レビューがあるか」が武器になります。
でもそれは、頼んで集めるものではなく、作り込んだ“おもてなし”の副産物です。
レビューはお願いするものではなく、
自然と集まるもの。
その土台を築くには、レビュー催促の文面を考える時間を、
「ゲストの感動」に変えるアイデアを考える時間に変えること。
これが、長く愛される宿の唯一の道です。