Columnsコラム

個人で貸別荘や民泊運営をすることが向いていない人第五選

目次

    ~理想と現実のギャップに苦しむ前に知っておきたいこと~

    地方移住やスローライフ、そして「空き家活用」の文脈で、民泊や貸別荘を個人で始めたいという声は年々増えています。「人に泊まってもらって収入も得られて、理想的な暮らしができそう!」――確かに聞こえは良い話です。

    しかし、実際の運営はロマンだけでは乗り越えられない、地道で雑多で、想像以上に気力体力を使う日々でもあります。夢ばかりが先行してしまうと、早々に「こんなはずじゃなかった…」と挫折してしまうケースも。

    そこで今回は、「個人で貸別荘や民泊運営をすることが向いていない人」の特徴を五選として解説します。これから始めようと思っている方にとって、冷静な判断材料になれば幸いです。

    「楽して稼げる」と思っている人

    民泊や貸別荘の運営は、一見すると「空き部屋を貸すだけで収入になる」「自動で回る仕組みができれば不労所得」など、手軽な副業のように思われがちです。

    しかし現実は、ゲスト対応・掃除・備品管理・修理対応・レビュー返信・集客・価格調整など、地味で面倒な作業のオンパレード。とても「楽に稼げるビジネス」とは言えません。

    向いていない人の例:

    • 不労所得を目指している

    • 自動化に過剰な期待をしている

    • 「一度始めれば放っておいても回る」と思っている

    クレームやトラブル対応が苦手な人

    ゲストは十人十色。中には神経質な人、常識の違う人、時に無茶な要求をしてくる人もいます。また、設備の不具合や清掃ミス、天候トラブル、鍵の紛失など、想定外の出来事が頻発します。

    そんな時に、冷静に対処できない・すぐに落ち込む・感情的になってしまうようでは、運営がストレスの塊になってしまうでしょう。

    向いていない人の例:

    • 人から文句を言われるのが極端に苦手

    • トラブル対応で感情的になりやすい

    • レビューの★3でも引きずって眠れなくなる

    清掃や細かい作業が嫌いな人

    民泊や貸別荘運営における最大の労力は「清掃」です。ベッドメイキング、髪の毛一本の除去、アメニティの補充、トイレの徹底消毒、窓拭き、庭の落ち葉掃除……。これらを1日に何回も繰り返すのが日常です

    「清掃が嫌い」「細かい作業が面倒」「他人の使ったものに触りたくない」という感覚を持っている人は、委託コストをかけないとやっていけませんし、それでも完璧にはなりません

    向いていない人の例:

    • ホコリや髪の毛に過敏

    • 整理整頓や片付けが苦手

    • 同じ作業を毎日繰り返すのが耐えられない

    費用対効果を最重視する“コスパ思考”の人

    貸別荘や民泊は、初期投資・維持費・消耗品代・広告費など、予想外にお金がかかるビジネスです。それに対して、予約が少ない時期もあれば、急なキャンセルで収入がゼロになることもあります。

    こうした浮き沈みのある業態において、「費用対効果が見合わない」「投資に対してリターンが少ない」とストレスを感じるタイプは、精神的に消耗しやすいのです。

    向いていない人の例:

    • 「やるからには毎月確実に黒字になってほしい」

    • コストをかけることに強い抵抗感がある

    • 効率が悪い作業を許せない

    マニュアル通りに物事が進まないとイライラする人

    民泊業や貸別荘業は、予定通りに進まないことだらけです。

    • 当日キャンセル

    • 到着時間が遅れまくるゲスト

    • 予約サイトの不具合

    • 排水溝が詰まってチェックイン直前に水漏れ

    • ゴミの出し忘れでカラス被害

    こういった“想定外”に対して、臨機応変に、冷静に、柔軟に対応できる心構えがなければ、運営はただの苦行です。

    「予定外が嫌い」「計画通りに進まないと不安」「自分の時間が乱されるとストレスになる」

    そういう人は、民泊とや貸別荘という“混沌とした現場”には不向きです。

    おわりに:理想だけで飛び込まず、「自分の適性」を見極めてから始めよう

    民泊や貸別荘運営は、確かに魅力的なライフスタイルの一つです。しかしそれは、向いている人にとっては楽しく、向いていない人にとっては苦痛な働き方でもあります。

    「好き」と「得意」が噛み合わないと、続けるのはとても難しい。始める前に少し立ち止まり、「なぜやりたいのか」「本当にその暮らしを望んでいるのか」を冷静に見つめ直すことが、後悔しないための第一歩です。