【コラム】「明日から清掃できません」と突然の連絡──猛暑と人手不足が直撃する、リゾート地・貸別荘の“清掃崩壊”

2025年の夏。
観光需要は完全に回復し、多くのリゾート地ではコロナ禍前を超える賑わいを見せている。
貸別荘やヴィラタイプの宿泊施設は“密を避けてゆっくり過ごせる”滞在スタイルとして人気が高く、7月〜8月の予約率はほぼ満室。まさに「かき入れ時」だ。
しかし今、その裏で大きな異変が起きている。
貸別荘の個人オーナーから、「清掃会社が突然ストップした」という相談が弊社に相次いでいるのだ。
「申し訳ありません。明日から対応できません」──かかってきた一本の電話
ある平日の午後。弊社の運営相談窓口に、1本の切羽詰まった電話が入った。
「今朝、委託していた清掃会社から“もう対応できない”と連絡が来たんです。明日チェックアウトのゲストがいるのに、誰もいないんです…」
電話の主は、海辺に建つ1棟貸しの別荘を個人運営しているオーナーだった。
それから数日間、同じような問い合わせが次々と寄せられた。
「予約がパンパンなのに清掃できない」「代替の業者がまったく見つからない」──
これはもはや一部地域の話ではない。リゾート地全体を揺るがす“清掃崩壊”が始まっている。
なぜ今、リゾート清掃が突然止まったのか? 現場の実情
▽1. 一棟貸しはとにかく広い。時間も手間も3倍以上
貸別荘の清掃は、マンションタイプの民泊とは比にならない。
部屋数が多く、バスルーム・トイレも複数、BBQ設備や庭の片付け、洗濯物の山、備品補充…。
1件終えるのに2~3時間かかるのは普通。それを1日2~3件やる体力が必要。
▽2. エアコンの効かない現場、40度超の清掃環境
室内はチェックアウト直後で空調も切れている。換気も悪く、炎天下の屋外作業も加われば熱中症リスクは常に隣り合わせ。
「午前中に1件やったら、午後はもう動けない」──これが現場のリアルだ。
▽3. リゾートバイト・外国人労働者が途中で“飛ぶ”
今年も例年通り、短期のアルバイトが音を上げて突然いなくなるケースが多発している。
「2日で来なくなった」「スマホがつながらない」「鍵だけ持って帰ってしまった」など、緊急連絡がオーナーのもとに直接届くことも。
▽4. ノウハウがない新規清掃業者は、夏に潰れる
開業したばかりの清掃会社が、夏の高稼働を甘く見てキャパオーバーで稼働停止するケースが全国で発生。
「思ったより大変だった」「人が回らない」と連絡を絶たれるオーナーが続出している。
「急に代わりの清掃会社を探す」は、ほぼ無理ゲーです
清掃会社に急に断られ、慌てて代わりを探すオーナーがまず直面する現実。それは──
繁忙期に動ける清掃会社は、もう空いていない。
清掃会社は6月~8月の繁忙期に向けて数か月前からスケジュールを組み切っている。
直前に飛び込みでお願いしても、「申し訳ありません、今シーズンはもういっぱいです」と断られるのがほとんど。
代替業者を見つけたとしても、
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現地での鍵受け渡しルールがわからない
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リネンや備品の管理ができない
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写真で報告してもらえない
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価格が急に2倍以上に跳ね上がる
など、品質も費用も安定しない博打になる。
だからこそ「丸投げできる業者」に最初から任せるのが正解
今回、あらためてはっきりしたことがある。
それは──**「清掃だけを個別に外注する時代は終わりつつある」**ということだ。
清掃、鍵管理、備品補充、トラブル対応、レビュー返信などをバラバラにやるのではなく、“運営一式をまるごと任せられるプロに依頼する”ことが最も安全かつ合理的だということ。
▽丸投げのメリット:
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清掃員の体調不良や欠員に備えた“代替体制”がある
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リネンや消耗品の管理・補充も自動化
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ゲストトラブルにも即対応、オーナーは電話に出なくていい
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レビュー対策まで一貫して見てくれる
そして何より、急に「清掃ができません」と言われるリスクから解放される。
「費用が高いから自分でやる」のリスクは、失う信頼と時間
確かに、丸投げ運営はある程度の手数料がかかる。
だが、繁忙期に自分で掃除に通い、ゲストからのクレーム対応に追われ、清掃員の急な欠勤に右往左往する……それを**「無料の労働」として織り込める人はそう多くない**。
自分の時間と精神の平穏、そして施設の信頼を守るという意味で、
丸投げは“贅沢”ではなく“保険”である。
結論:「清掃は自分で管理できる」ではなく、「管理する価値があるか?」
清掃は、宿のクオリティを支える“裏の主役”である。
そこが崩れれば、宿の印象も、レビューも、そして予約の未来も崩れる。
貸別荘運営は“ビジネス”である以上、すべて自分で背負うのではなく、プロに任せる判断力が問われる。
特に夏の繁忙期、
清掃業者が飛んでからでは遅い。飛ばれる前に、体制を整えるのがプロの選択だ。