未成年だけの宿泊はOK? 民泊・貸別荘での対応とリアルトラブル事例

―災害リスクや禁止行為にも注意したい“責任ある滞在”とは―
はじめに
卒業旅行や推し活の遠征、仲間との最後の思い出作りなど、未成年のグループ旅行は年々増えています。ホテルよりも自由度が高く、大人数で借りられる民泊や貸別荘は、そうした旅行ニーズにマッチする選択肢です。
しかし、未成年者のみの宿泊には契約上のリスク、マナー違反、災害時の対応力の不足など、様々な問題が潜んでいます。特に近年では地震・豪雨などの自然災害の増加に加え、BBQでの火の扱い、喫煙・飲酒といった禁止行為のトラブルも後を絶ちません。
今回は、実際に起きたトラブル事例とともに、ホスト側・宿泊者側がそれぞれどのような配慮と準備をすべきかを詳しく解説します。
民泊・貸別荘で、未成年だけの宿泊は可能なのか?
結論から言えば、施設やホストによって判断は異なるのが現状です。
民泊や貸別荘は、一般の住宅や別荘を利用した非日常空間。管理者が常駐していないことも多いため、緊急時の対応やマナー違反が起きた際に、対処が難しいという側面があります。
未成年宿泊を制限・拒否する主な理由
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契約リスク:未成年者の契約は取り消し可能なため、法的な不安が残る
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責任の不明確さ:備品破損や近隣トラブルが発生した際の対応が困難
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災害への対応力不足:地震や大雨、停電などの緊急事態に対処できない可能性
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マナー違反の多発:BBQの火の不始末、敷地外での喫煙、隠れての飲酒などの違反行為が報告されている
【体験談】実際にあったトラブル事例
ケース1:深夜のBBQで煙トラブル
「テラスでのBBQはOKと伝えていたのですが、グループが夜10時を過ぎても火を使い続け、煙と音で近隣住民から通報がありました。炭の後始末も不十分で、翌朝は火種が残っていて非常に危険でした。」
特に未成年グループでは“火”に対する意識が低く、BBQでの事故やトラブルが起きやすい傾向があります。
ケース2:喫煙・飲酒の発覚
「建物内は禁煙と伝えていたにも関わらず、室内にタバコのにおいが残っていました。未成年なので当然禁煙・禁酒ですが、酒瓶も残されており、事後対応に苦慮しました。」
このようなケースでは、ルールを守らないことで施設の信頼が損なわれるだけでなく、違法行為に関わることになり、ホストにも責任問題が及ぶ可能性があります。
ケース3:避難情報を見落として危険に
「大雨で一部エリアに避難指示が出ていたが、宿泊者はスマホの通知を無視してそのまま滞在。連絡も取れず、翌朝ようやく確認が取れたが、周囲の道路は一部冠水していた。」
自然災害が増える中で、非常時に適切な判断や避難行動が取れないことは大きなリスクとなっています。
ホストが行っている実際の対策
✅ 保護者の同意書提出
宿泊前に、保護者の同意書と緊急連絡先を提出してもらうのが基本。形式的な書類ではなく、実際に連絡が取れるかどうかも確認が必要です。
✅ 禁止事項の明文化と確認
「室内禁煙・未成年の飲酒禁止・BBQは◯時まで」など、具体的なルールを明文化し、宿泊前にしっかりと同意を取ることが重要です。
✅ 代表者の責任を明確化
予約代表者にルールや注意点を説明し、「トラブルが起きた際は責任を持って対応する」ことを求める施設も増えています。
宿泊者・保護者側が注意すべきポイント
未成年のみで民泊・貸別荘を利用する際には、以下の点をしっかりと確認しておく必要があります。
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火の扱い(BBQ含む)に細心の注意を払う
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飲酒・喫煙などの違法・迷惑行為は厳禁
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非常時の連絡体制・避難経路を事前に確認しておく
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施設のルールを守り、責任ある行動をとる
保護者としても、ただ「行ってらっしゃい」で終わらせるのではなく、緊急連絡先の共有や、施設の情報確認、リスクに対する意識づけが不可欠です。
まとめ:未成年宿泊は“自由と責任”のバランスがカギ
民泊や貸別荘は、友人と自由に過ごせる魅力的な空間ですが、その自由にはルールと責任が伴います。
とくに未成年グループの宿泊では、BBQや火の扱い、喫煙・飲酒、災害対応などのリスクを見落とすことはできません。ホストにとっても宿泊者にとっても、事前の対話と信頼が何より重要です。
「安い」「自由」だから選ばれる宿が、「安全で心に残る体験」の場となるように、信頼・ルール・準備を大切にした滞在を心がけましょう。