補助ホストが多すぎるAirbnbリスティングにゲストが感じる不安

増える“補助ホスト”登録、その背景にある事情
Airbnbを使った民泊運営では、物件オーナーや管理会社が「補助ホスト」を複数人登録して、運営に関わるタスクを分担することが一般的になりつつあります。
清掃担当者、ゲスト対応スタッフ、運営サポート担当など、役割ごとにアカウントを分けることで効率化を図るという意図は理解できます。しかしながら、最近では**「補助ホストが5人以上表示されている」**ようなリスティングも増え、これが一部のゲストにとって不安材料になっているのです。
「誰が責任者なの?」という不安
旅行中のゲストにとって、緊急時に頼れる“ホストの顔”がはっきりしているかどうかは非常に重要です。
しかし、補助ホストが多すぎるリスティングでは、誰に連絡すべきかが不明確になりがちで、
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「誰が本当の責任者?」
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「この人に伝えたことが他の人に共有されているのか?」
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「問い合わせのたびに違う人が対応するけど…」
といった不信感につながるケースが少なくありません。これはレビューにも影響します。
ゲストとの“信頼関係”は人で決まる
ホテルとは異なり、民泊は“人”との関係が重視される宿泊形態です。
ホストとのやりとりがスムーズで丁寧であれば、それ自体が高評価につながり、次のリピートや紹介にもつながっていきます。
しかし、「問い合わせのたびに違う人」「メッセージの文体もバラバラ」という状況では、ゲストはAIや機械的な対応に近い印象を受けてしまい、「人の温かみのない、事務的な民泊」と評価される危険性があります。
本当に必要なのは“顔の見える運営”
民泊や貸別荘の運営で最も大切なのは、「ゲストにとって安心できる対応ができる体制を整えること」です。
補助ホストの数が増えること自体が悪いわけではありませんが、それが「顔が見えない運営」になってしまうのであれば本末転倒です。
誰が責任者なのかが明確で、対応に一貫性があること。
それだけでゲストの安心感は大きく変わります。
「多言語対応」の記載と現実とのギャップ
もうひとつ、最近多く見られるのが「多言語対応可能」とプロフィールに記載しながら、実際には日本語でしか対応できないケースです。特に電話対応になると、翻訳ツールを介したチャットではなく、リアルな会話が必要になります。その際、ホスト側は「電話は日本語しか話せません」「簡単な英語だけです」となることがほとんどです。
翻訳機チャット頼みのホスピタリティの限界
メッセージのやり取りにおいても、補助ホストの多くは翻訳ツールを使って対応しており、やや不自然な表現になることも珍しくありません。私が実際に相談を受けた物件では、翻訳ミスが原因でチェックイン情報を誤解されたゲストが鍵を見つけられず、夜遅くに電話をかけてきたという事例もあります。ホストは「翻訳機では伝わったはず」と言いますが、音声での補足説明が必要な場面では限界があります。
補助ホストの「数」ではなく「質」を重視すべき
補助ホストの人数が多ければよいというものではありません。むしろ、責任の所在が明確で、日本語だけでなく、英語や中国語など、実際に口頭で対応可能なホストがいることが、信頼性の高い運営につながります。Airbnbのレビューでも「ホストに電話が通じなかった」「言語が通じず不安だった」といった評価は、次の予約に大きく影響します。言語対応に関しては、「対応できる」と書く以上、実際に電話で対応できる体制を整えておくべきでしょう。