2025年、別荘購入は慎重に──特区民泊の法改正が及ぼす影響とは

2025年現在、民泊市場における「特区民泊」に対する規制強化の動きが本格化しています。これは単なる一地域の問題にとどまらず、住宅宿泊事業法(いわゆる民泊新法)や旅館業法を含む宿泊業全体への波及効果がある可能性が高いため、これから貸別荘投資や物件購入を検討している方は、慎重な判断が求められます。
特区民泊の規制強化、その背景
「特区民泊」とは、国家戦略特区に指定された地域で、条例に基づき180日以上の営業が可能な制度です。民泊新法に比べて営業日数や要件の自由度が高く、収益性の高さから多くの投資家や事業者が参入してきました。
しかし近年、ゴミ問題、騒音、無断宿泊、近隣トラブルなどの社会問題が急増。とりわけ都市部では、住宅エリアにおける事業が近隣住民の生活を脅かす存在となり、行政も黙認できない状況になりつつあります。
このような背景から、特区民泊に対する規制の強化・法改正の議論が急速に進んでいます。
住宅宿泊事業法・旅館業法にも影響が及ぶ可能性
特区民泊の規制強化が単体で終わる保証はありません。なぜなら、特区民泊と住宅宿泊事業法・旅館業法は同じ「宿泊」という土俵で営業が行われているためです。行政からすれば、「どの制度を使ってもトラブルが起きるのなら、包括的なルール整備が必要だ」と考えるのが自然です。
つまり、将来的に住宅宿泊事業法の営業日数の見直しや、旅館業法の取得ハードルがさらに上がる可能性も否定できません。特に、都市部や観光地周辺ではより厳格な管理体制が求められるようになるかもしれません。
「今、買うべきか?」貸別荘購入のリスク
貸別荘やセカンドハウスの購入を検討されている方は、上記の法的動向に加え、以下のリスクを念頭に置くべきです。
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営業制限による収益悪化
→ 予定していた稼働率や収益モデルが崩れるリスク -
建築基準や消防設備への追加要件
→ 運用開始後の追加投資が必要になる可能性 -
将来の売却時に流動性が落ちる可能性
→ 市場価値が下がり、出口戦略が難しくなる
まとめ:2025年は“静観”と“情報収集”の年
2025年は、特区民泊の規制が強化されるだけでなく、それが他の民泊制度にも波及する可能性のある“節目の年”です。制度がまだ流動的な今、拙速な投資判断は避け、行政発表や業界の動向をしっかりと見極めることが重要です。
貸別荘は長期保有を前提とする資産です。だからこそ、制度変更のリスクを踏まえた上で、収益性・流動性・合法性の三本柱で冷静に評価すべきです。
将来の法改正に柔軟に対応できる準備をしておくことが、2025年以降も安定した運営を続ける鍵になるでしょう。