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Columnsコラム

「このレビュー、消してくれないんですか?」それでもいい。これからは宿泊施設もOTAを選ぶ時代です

目次

    宿泊施設を長く運営していると、一度くらいは頭を抱えるレビューに出会います。

    「これは事実と違うのでは?」

    「こちらがルール違反を注意した直後のレビューですよね?」

    「この内容まで掲載されるんですか?」

    運営会社としてOTAへ削除申請をすることもあります。

    もちろん、削除されることもあります。

    一方で、

    「ポリシー違反とは判断できないため、削除できません」

    という回答になることもあります。

    施設側としては、

    「いやいや、そこはもう少し見てください」

    と思うこともあります(笑)。

    でも最近、私は少し考え方が変わってきました。

    削除しないという判断なら、それはそれでいい。

    レビューをどこまで掲載するのか。

    何を削除対象とするのか。

    ゲストと施設の主張が食い違ったとき、どこで線を引くのか。

    それは最終的には、それぞれのOTAが決めることです。

    ただし。

    その判断によってつくられたレビュー環境で、予約を販売するのもそのOTAです。

    ここは、意外と大切なところだと思っています。

    ゲストを守る。当然です

    まず誤解のないように書いておきたいのですが、私たちは「施設側に都合の悪いレビューを消してほしい」と考えているわけではありません。

    設備が汚れていた。

    説明と実際が違った。

    スタッフの対応が悪かった。

    チェックインが分かりにくかった。

    そうした実際の宿泊体験について、ゲストが率直なレビューを書く。

    これは当然です。

    むしろ運営会社としては、耳の痛いレビューほど改善材料になることがあります。

    悪いレビュー=削除してほしいレビューではありません。

    ここは全く別の話です。

    問題になるのは、

    事実関係に大きな食い違いがある場合。

    宿泊とは直接関係のない内容。

    施設側がルール違反を注意したことなどをきっかけとして投稿されたと疑われるレビュー。

    そういったケースです。

    それでもOTA側が、

    「掲載基準上、削除対象にはなりません」

    と判断することがあります。

    では、そのレビューを残したら誰が困るのでしょう

    もちろん最初に困るのは施設です。

    評価が下がります。

    これから予約を検討するゲストにも見られます。

    場合によっては予約判断にも影響するでしょう。

    施設としては、

    「きちんと運営しているのに」

    と思います。

    だから削除申請もします。

    でも、もう少し長い目で見ると、

    それは施設だけの問題なのかな

    とも思うのです。

    例えば、同じ施設を複数のOTAで販売していたとします。

    AというOTAでは評価が高い。

    BというOTAでは低い。

    販売価格はほぼ同じ。

    掲載している写真も同じ。

    運営している人も同じ。

    もちろん利用者層やレビュー件数などさまざまな違いがありますから、単純比較はできません。

    それでも長期間、

    「なぜかこのOTAだけ予約が弱い」

    ということがあれば、運営会社は当然その数字を見ます。

    私たちは感情ではなく、予約実績を見るからです。

    OTAも「売り場」です

    宿泊施設にとってOTAは、とても大切なパートナーです。

    でも同時に、

    大切な販売チャネルの一つ

    でもあります。

    百貨店で考えると分かりやすいかもしれません。

    同じ商品をA店とB店へ置いている。

    A店ではよく売れる。

    B店ではあまり売れない。

    そうなれば、

    「なぜだろう?」

    と考えます。

    そして最終的には、

    どこへ商品を多く出すのか。

    どこでキャンペーンするのか。

    どこに在庫を優先するのか。

    販売する側も考えます。

    宿泊施設も同じです。

    昔より、宿泊施設側にも選択肢があります

    現在、宿泊施設には複数の販売チャネルがあります。

    Airbnb。

    Booking.com。

    Expedia。

    Trip.com。

    楽天トラベル。

    一休。

    じゃらん。

    自社予約。

    施設の種類やエリア、ターゲットによって相性は違います。

    「全部掲載すればいい」

    とも限りません。

    あるOTAでは海外ゲストが強い。

    あるOTAでは国内予約が強い。

    あるOTAでは長期予約が多い。

    あるOTAでは客単価が高い。

    そして、

    キャンセル率。

    問い合わせ。

    トラブル。

    レビュー。

    手数料。

    入金。

    サポート対応。

    こうしたものも含めて、

    「この施設にとって、どのOTAと相性がいいのか」

    を運営会社は見ています。

    OTAが施設を審査するように、施設もOTAを見る

    これまでは、

    「大手OTAに掲載してもらう」

    という感覚が強かったように思います。

    もちろん今でも、OTAの集客力は非常に大きなものです。

    ただ、複数の販売チャネルを運用していると、

    少し違う景色も見えてきます。

    OTAは施設を評価します。

    レビューがあります。

    掲載基準があります。

    場合によってはペナルティもあります。

    それでいいと思います。

    宿泊者を守り、サービス品質を保つためには必要な仕組みです。

    一方で施設側も、

    OTAの対応品質を見ています。

    問題が起きたときのサポート。

    ゲストと施設双方への確認。

    レビューへの対応。

    トラブル時の判断。

    販売力。

    予約単価。

    キャンセル率。

    そして、実際にそのOTAからどれだけ予約が入っているのか。

    これは感情論ではありません。

    経営判断です。

    「削除してくれなかったから掲載をやめる」ではありません

    ここは大事です。

    一件のレビューが削除されなかったから、

    「じゃあ、このOTAやめます」

    という話ではありません。

    それでは少し短絡的です。

    私たちが見るのは、

    そのOTA全体で施設にどんな結果が出ているか。

    年間予約数。

    売上。

    平均宿泊単価。

    宿泊日数。

    キャンセル率。

    ゲスト層。

    問い合わせ負担。

    トラブル発生率。

    サポート品質。

    そしてレビュー環境。

    それらを総合して、

    「この施設は、このOTAと相性がいい」

    「こちらは少し弱い」

    と判断します。

    レビュー対応も、その判断材料の一つということです。

    施設の評価を守ることは、OTA自身の商品を守ることでもあります

    ここが、今回一番書きたかったことです。

    OTAに掲載されている宿泊施設は、

    OTAにとっても「商品」です。

    良い施設が掲載されている。

    正確な情報が掲載されている。

    ゲストがレビューを信用できる。

    施設側も安心して販売できる。

    その積み重ねが、

    「このOTAで宿を探そう」

    につながるのではないでしょうか。

    だからレビュー制度は、

    ゲストだけのものでも、

    施設だけのものでもありません。

    OTA自身の信用にも関わる仕組みだと思っています。

    ゲストを守る。そして施設も守る

    もちろん、立場の弱いゲストを守る仕組みは必要です。

    施設側の都合だけでレビューを自由に削除できるようになれば、レビューそのものが信用できなくなります。

    一方で、

    施設側から十分な資料が提出され、

    客観的な事実関係を確認できるケースまで、

    すべて、

    「ゲストが書いたレビューなので」

    だけで終わってしまえば、

    今度は施設側がそのプラットフォームを信頼できなくなります。

    大切なのは、

    ゲストか施設か、どちらか一方を守ることではなく、公平な市場をつくること

    ではないでしょうか。

    これからは「どこに掲載するか」も運営戦略になる

    PROGRESS WORKSでは複数のOTAを運用しています。

    だからこそ、

    OTAごとの違いが数字として見えてきます。

    同じ施設でも、

    予約の入り方は違います。

    ゲスト層も違います。

    単価も違います。

    トラブルの傾向も違います。

    サポートも違います。

    だから私たちは、

    「有名だから掲載する」

    だけではなく、

    その施設にとって本当に必要な販売チャネルなのか

    を考えます。

    これから宿泊市場が変化し、販売チャネルの選択肢が増えていけば、この視点はさらに重要になると思っています。

    OTAが宿泊施設を選ぶ。

    ゲストがOTAを選ぶ。

    そして、

    宿泊施設もOTAを選ぶ。

    そんな関係になっていくのではないでしょうか。

    「掲載してもらっている」から「一緒に売っている」へ

    私たちはOTAと敵対したいわけではありません。

    むしろ逆です。

    10年以上宿泊施設を運営してきたからこそ、OTAの集客力に何度も助けられてきました。

    自社だけでは出会えなかった世界中のゲストと出会える。

    決済できる。

    多言語で販売できる。

    レビューを蓄積できる。

    非常に大きな仕組みです。

    だからこそ、

    施設とOTAは、

    「掲載してもらう側」と「掲載してあげる側」ではなく、同じ宿泊商品を販売するパートナー

    であってほしいと思っています。

    ゲストにとって良いOTA。

    施設にとっても良いOTA。

    その両方が成立して初めて、長く使われるプラットフォームになる。

    消してくれない。それでもいい。

    「このレビューは事実と違います」

    「報復的な内容ではないでしょうか」

    そう申し立てても、削除されないことはあります。

    納得できないこともあります。

    それでもいいと思っています。

    削除するかどうかは、そのOTAの基準と判断です。

    そして私たちには、

    そのOTAを今後どのように使っていくのかを判断する自由があります。

    予約が入るのか。

    売上につながっているのか。

    良いゲストと出会えているのか。

    施設側にも公平なサポートがあるのか。

    その数字と経験を積み重ねて、販売戦略を決めればいい。

    少し前まで、

    「OTAに選ばれる施設をつくる」

    という言葉をよく使っていました。

    もちろん、それは今でも大切です。

    でもこれからは、もう一つ。

    「施設から選ばれるOTAであること」

    も大切になっていくのではないでしょうか。

    OTAにも選択肢がある。

    ゲストにも選択肢がある。

    そして施設にも、選択肢があります。

    宿泊施設とOTA。

    どちらかが上なのではなく、

    お互いに選ばれ続ける関係であればいい。

    10年以上、いくつものOTAと付き合ってきて、最近そんなことを思います。

    このコラムについて

    本コラムは、民泊運営歴10年以上・宅地建物取引士資格を持つ管理部長・柳瀬が、これまでの実務経験をもとに執筆しています。

    Airbnb・Booking.com等のOTA運用、価格調整や稼働率改善、住民・ゲスト・管理組合との調整、行政対応、是正指導、そして思うようにいかなかった運営や撤退判断まで。現場責任者として、順調なときだけではなく、難しい場面にも数多く向き合ってきました。

    また、宅地建物取引士として、民泊不動産・中古ヴィラ・貸別荘の購入前確認、収支、物件選び、許認可、開業準備、運営、収益改善、将来の売却まで、不動産と宿泊事業の両方から考えることを大切にしています。

    民泊・貸別荘の収益は、物件だけで決まるものではありません。

    どのOTAで、誰に、いくらで、どのように販売するのか。

    開業後の販売戦略まで含めて考えるからこそ、私たちは不動産と運営は切り離さず考えることを大切にしています。

    「OTAごとの売上を見直したい」

    「レビュー評価が落ちて予約への影響が気になる」

    「一つのOTAだけに依存していて不安がある」

    「運営会社を変更して、販売戦略から見直したい」

    「新規開業時から複数OTAで販売したい」

    そんな運営・新規開業のご相談もお受けしています。

    「買ってから困る」のではなく、

    「あのとき、きちんと確認しておいてよかった」と思える判断を。

    PROGRESS WORKSは、民泊・貸別荘・ヴィラの不動産と運営、その両方の視点からお手伝いしています。

    Our Experts

    この知識を、
    実際のヴィラ・民泊事業として
    扱う専門家がいます。

    PROGRESS WORKSは、
    不動産・事業スキーム設計・
    ヴィラ開発・データ戦略・OTA・
    運営まで、
    専門領域ごとに
    専門家が分担する体制です。

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