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Columnsコラム

ヴィラを建てた建築会社が、そのまま運営までやるべき?最近増えている「運営だけお願いしたい」というご相談

目次

    最近、PROGRESS WORKSに少し特徴的なお問い合わせが増えています。

    お問い合わせをくださるのは、ヴィラを所有したいオーナー様ではありません。

    建築会社様です。

    「クライアントから依頼を受けてヴィラを建築しています」

    「建物の完成後、貸別荘として運営する予定です」

    「宿泊施設の運営部分だけお願いできますか?」

    そんなご相談です。

    以前なら、

    土地を探す会社。

    建物を建てる会社。

    宿泊施設を運営する会社。

    それぞれ比較的はっきり分かれていました。

    ところがヴィラ・貸別荘市場が大きくなるにつれて、

    建築会社様がクライアントから“その後の運営”まで相談されるケース

    が増えているように感じます。

    それだけ、ヴィラを「建てて終わり」ではなく、

    建築後に貸別荘として運営することを前提に計画する方が増えた

    ということでもあります。

    これは私たちにとっても、とても興味深い変化です。

    「建ててもらった会社に、そのまま運営もお願いしたい」

    オーナー様の立場から考えると、この気持ちはよく分かります。

    土地について相談した。

    設計をしてもらった。

    何度も打ち合わせをした。

    自分たちの希望も理解してくれている。

    そして、素敵なヴィラを完成させてくれた。

    そうなると、

    「このまま運営もお願いできませんか?」

    となるのは自然な流れです。

    一から別の会社を探すより安心感もあります。

    建築会社様としても、大切なクライアントからそう言われれば、

    「できるだけ対応してあげたい」

    と思われるでしょう。

    そして、

    「予約サイトへ掲載して、清掃会社を手配すれば運営できるのでは?」

    と考える。

    ここまでは、決して不思議な話ではありません。

    ただ、実際に10年以上宿泊施設を運営してきた立場から見ると、

    ヴィラを建てる仕事と、ヴィラを365日運営する仕事は、かなり違います。

    素晴らしいヴィラを建てられることと、運営できることは別の専門性です

    建築会社様には、建築会社様にしかできない仕事があります。

    土地を読む。

    設計する。

    構造を考える。

    素材を選ぶ。

    施工する。

    工程を管理する。

    予算を管理する。

    そして、図面だったものを実際の建物にする。

    これは完全に専門家の領域です。

    私たち運営会社が、

    「最近ヴィラ案件多いし、建築も自社でやってみようか」

    と言い出したら、

    私は少し止めると思います(笑)。

    それと同じです。

    宿泊運営にも、宿泊運営の専門領域があります。

    ヴィラ運営は「Airbnbに載せる仕事」ではありません

    完成したヴィラを撮影する。

    AirbnbやBooking.comなどのOTAへ掲載する。

    料金を設定する。

    予約が入る。

    清掃会社へ連絡する。

    一見すると、それほど複雑には見えないかもしれません。

    でも、実際の運営はそこからです。

    予約管理。

    宿泊者情報の確認。

    チェックイン案内。

    本人確認。

    ゲストからの問い合わせ。

    多言語対応。

    清掃管理。

    リネン管理。

    忘れ物。

    設備故障。

    騒音。

    近隣対応。

    レビュー管理。

    OTA管理。

    価格調整。

    キャンセル。

    返金。

    台風などの緊急対応。

    行政対応。

    そして、施設ごとに違う細かなルール。

    これが一日だけではありません。

    今日も、明日も、その次の日も続きます。

    ヴィラを一棟運営するというのは、

    一つの小さな宿泊事業を365日動かし続けるということです。

    そして今、宿泊施設の運営管理は以前より軽く考えにくくなっています

    特に近年、民泊・宿泊施設を取り巻く行政の目は変化しています。

    例えば大阪市では、特区民泊施設の増加と周辺住民からの苦情を背景として、2026年3月にガイドラインを改正し、遵守すべき運営管理体制を追加しました。さらに監視指導計画を策定し、法令違反が確認された場合には行政処分を見据えた厳しい対応を行う方針も示しています。2026年5月29日には、特区民泊の新規受付自体も終了しました。

    もちろん、これは大阪市の特区民泊に関する動きであり、全国すべてのヴィラに同じ制度が適用されるという意味ではありません。

    旅館業、住宅宿泊事業、特区民泊では制度も異なります。

    自治体によって運用も異なります。

    だからこそ、

    建物を完成させれば、あとは予約を取るだけ」ではない

    ということです。

    これから宿泊施設を長期運営するのであれば、許認可だけでなく、開業後の適正な運営管理まで考えておく必要があります。

    建築会社が運営まで抱えると、仕事が一気に増えます

    たとえばゲストから、

    「お湯が出ません」

    と連絡が来たとします。

    建築会社様なら、設備については私たちよりずっと詳しいでしょう。

    でも宿泊運営では、それだけでは終わりません。

    ゲストへ連絡する。

    状況を確認する。

    現地スタッフを手配する。

    修理会社へ連絡する。

    修理まで時間がかかるなら代替案を考える。

    必要に応じてOTAともやり取りする。

    ゲストへの補償判断をする。

    チェックアウト後に修理する。

    次のチェックインに間に合うか確認する。

    レビューへの影響も考える。

    設備を直す仕事と、設備が壊れた状態で宿泊事業を止めずに回す仕事は別物です。

    ここが、建築と宿泊運営の大きな違いだと思っています。

    本業ではない運営のために、スタッフを一から育てる必要がありますか?

    建築会社様が本格的にヴィラ運営へ参入するとなれば、当然、人が必要になります。

    OTAを理解するスタッフ。

    ゲスト対応をするスタッフ。

    価格を管理するスタッフ。

    清掃会社を管理するスタッフ。

    行政対応を理解するスタッフ。

    夜間や休日のトラブルへ対応する体制。

    そして、それぞれを教育する必要があります。

    一棟なら何とかなるかもしれません。

    でも二棟。

    五棟。

    十棟。

    と増えたとき、

    担当者個人の頑張りでは回らなくなります。

    すると、本業である建築とは別に、宿泊運営部門そのものをつくる必要が出てきます。

    そこまでして自社で抱えるべきなのか。

    ここは、一度考えてもいいと思っています。

    私たちは「全部自社でやること」が強い会社だとは思っていません

    ヴィラ事業には、たくさんの専門家が関わります。

    不動産。

    建築。

    設計。

    行政書士。

    消防設備。

    インテリア。

    税務。

    清掃。

    そして宿泊運営。

    それぞれ専門性が違います。

    だから、

    一社ですべてを内製することだけが正解ではありません。

    むしろ、

    建築は建築のプロ。

    許認可は許認可のプロ。

    運営は運営のプロ。

    それぞれが自分たちの得意な領域で仕事をする。

    そして必要な情報だけをきちんと共有する。

    その方が、

    全体のパフォーマンスを安定させやすい

    と私たちは考えています。

    建築会社様には「建築」に集中していただきたい

    これは、最近お問い合わせいただく建築会社様にもお話しすることがあります。

    私たちは建築会社様の仕事を取りたいわけではありません。

    むしろ逆です。

    素晴らしいヴィラをつくることに集中していただきたい。

    そのヴィラを、

    どうOTAで販売するか。

    どう価格設定するか。

    どうゲストを迎えるか。

    どう清掃を回すか。

    どうレビューを積み上げるか。

    どう日々のトラブルに対応するか。

    どう長期間売り続けるか。

    そこは私たちが担当する。

    この関係の方が、シンプルです。

    実は、設計段階から運営会社が入るメリットもあります

    理想を言えば、

    ヴィラが完成してから運営会社へ相談するより、設計段階から運営会社が少し入っている方がいい

    と考えています。

    なぜなら、宿泊施設には、

    「建築として素敵」

    だけでは見えない部分があるからです。

    何名で販売するのか。

    その人数分の荷物はどこに置くのか。

    ダイニングに全員座れるのか。

    洗面は足りるのか。

    トイレはどうか。

    清掃動線はどうか。

    リネンをどこに保管するのか。

    消耗品のストック場所はあるか。

    ゲストが迷いやすい設備はないか。

    屋外設備をどう管理するか。

    写真を撮ったときに、どこが一番魅力的に見えるのか。

    こうしたものは、完成後に変更すると余計な費用がかかることがあります。

    設計段階なら、

    「ここ、収納を少し取れませんか?」

    の一言で済むこともあります。

    完成後なら、

    「収納がないですね。どうしましょう」

    になります。

    この差は結構大きいです。

    「建築+運営」ではなく「建築×運営」

    私は、この関係が一番いいと思っています。

    建築会社が運営会社になる。

    運営会社が建築会社になる。

    ではありません。

    建築会社と運営会社が、それぞれの専門性を持ったまま組む。

    建築会社様は、

    クライアントへ、

    「建物は私たちが責任を持ってつくります。完成後の宿泊運営については、専門のパートナーと一緒に対応します」

    と説明できる。

    オーナー様からすれば、

    建築会社を変える必要もありません。

    自分で運営会社を一から探す必要もありません。

    そして私たちは、

    完成した施設を突然渡されるのではなく、

    必要に応じて開業前から情報を共有できます。

    三者それぞれにメリットがあります。

    運営会社をパートナーにしても、建築会社とクライアントの関係はなくなりません

    ここを心配される建築会社様もいらっしゃるかもしれません。

    運営会社を紹介したら、

    その後クライアントとの関係が薄くなるのではないか。

    私たちは、そういう関係にしたいとは考えていません。

    建築会社様は建物の専門家。

    私たちは宿泊運営の専門家。

    役割が違います。

    設備や建物について確認したいことがあれば、建築会社様へ相談する。

    宿泊運営については、私たちが対応する。

    そして必要な場合には、オーナー様を含めて三者で共有する。

    誰がどこを担当するのかを最初に明確にする。

    その方が、オーナー様にとっても分かりやすいと思います。

    PROGRESS WORKSも、運営のプロであり続けたい

    PROGRESS WORKSは2015年から、民泊・貸別荘・ヴィラなどの宿泊施設運営に携わってきました。

    10年以上続けていると、宿泊運営が年々複雑になっていることを感じます。

    OTAは変わります。

    ゲストのニーズも変わります。

    競合施設も増えます。

    行政対応も変わります。

    求められる運営体制も変わります。

    だから私たちは、

    運営会社である自分たち自身も、運営という仕事に集中しなければならない

    と思っています。

    何でも自社でやることが強さではありません。

    自分たちの専門領域を理解していること。

    そして、自分たちより得意な専門家がいる仕事は、その専門家と組むこと。

    それが結果として、オーナー様の施設を長く安定して運営することにつながると考えています。

    「ヴィラを建ててほしい」と言われたら、その先も考えてみる

    これからヴィラを建築される建築会社様には、

    建物の完成だけではなく、

    そのヴィラが完成した翌日から誰が動かすのか

    も少しだけ考えていただければと思います。

    オーナー様は、

    ヴィラが完成した瞬間がゴールではありません。

    そこから予約を受け、

    ゲストを迎え、

    清掃し、

    設備を維持し、

    レビューを積み上げ、

    何年も運営していきます。

    建築会社様が、そのすべてを抱える必要はありません。

    私たち運営会社も、建築のすべてを抱える必要はありません。

    プロは、プロの領域で仕事をする。

    そして、

    必要なところで手をつなぐ。

    私は、これからヴィラ事業がさらに成熟していくほど、こうした形が大切になっていくと思っています。

    建築会社様からのご相談も歓迎しています

    最近PROGRESS WORKSでは、

    「クライアントから依頼されてヴィラを建築している」

    「完成後の貸別荘運営を任せたい」

    「自社で宿泊運営部門をつくるか迷っている」

    「設計段階から運営会社の意見も聞きたい」

    「ヴィラ建築の提案に、運営まで含めた体制をつくりたい」

    といった建築会社様からのお問い合わせをいただいています。

    運営会社になる必要はありません。

    建築のプロとして、良いヴィラをつくる。

    私たちは運営のプロとして、そのヴィラをゲストへ届け、長く運営する。

    オーナー様にとって大切なのは、

    一社が何でもできることではなく、

    それぞれの分野を、本当にできる人が担当していること。

    建築会社様と運営会社。

    競合ではなく、パートナーとして組む。

    これからのヴィラ事業では、そんな形がもっと自然になっていくのではないでしょうか。

    このコラムについて

    本コラムは、民泊運営歴10年以上・宅地建物取引士資格を持つ管理部長・柳瀬が、これまでの実務経験をもとに執筆しています。

    Airbnb・Booking.com等のOTA運用、価格調整や稼働率改善、住民・ゲスト・管理組合との調整、行政対応、是正指導、そして思うようにいかなかった運営や撤退判断まで。

    現場責任者として、順調なときだけではなく、難しい場面にも数多く向き合ってきました。

    また、宅地建物取引士として、民泊不動産・中古ヴィラ・貸別荘の購入前確認、収支、物件選び、許認可、開業準備、運営、収益改善、将来の売却まで、不動産と宿泊事業の両方から考えることを大切にしています。

    だからこそ、私たちは不動産と運営は切り離さず考える一方で、それぞれの専門家の領域も大切にしています。

    「クライアントからヴィラ建築と、その後の運営まで相談されている」

    「宿泊運営部分だけ任せられる会社を探している」

    「自社で運営部門を立ち上げるべきか迷っている」

    「ヴィラの設計段階から運営会社にも参加してほしい」

    「建築後もクライアントへ安心して紹介できる運営パートナーがほしい」

    「継続的にヴィラ案件を一緒に進められる会社を探している」

    そんな建築会社様・設計会社様からのご相談もお受けしています。

    オーナー様、建築会社様、そして運営会社。

    それぞれが得意な領域を担当しながら、長く選ばれる宿を一緒につくる。

    「建ててから困る」のではなく、

    「最初から運営まで考えておいてよかった」と思えるヴィラづくりを。

    PROGRESS WORKSは、民泊・貸別荘・ヴィラの不動産と運営、その両方の視点からお手伝いしています。

    Our Experts

    この知識を、
    実際のヴィラ・民泊事業として
    扱う専門家がいます。

    PROGRESS WORKSは、
    不動産・事業スキーム設計・
    ヴィラ開発・データ戦略・OTA・
    運営まで、
    専門領域ごとに
    専門家が分担する体制です。

    藤堂 司

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