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Columnsコラム

民泊でダニがいると言われたら?宿泊者のかゆみの原因とホストの対応

目次

    民泊で「ダニがいる」と言われたら?

    民泊や貸別荘の運営を長く続けていると、本当にいろいろなことが起こります。

    設備の故障、騒音、忘れ物、チェックインのトラブル。

    そして、宿泊運営をしている方なら、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。

    「ベッドにダニがいるのではないでしょうか?」

    「朝起きたら体に赤い発疹ができていました。」

    「寝ている間に何かに刺された気がします。」

    このような宿泊者様からのご連絡です。

    私たちPROGRESS WORKSも、日々さまざまな宿泊施設を運営しているため、こうしたお問い合わせをいただくことがあります。

    そして、そのたびに思うことがあります。

    毎日一生懸命に清掃しているホストさんや清掃スタッフさんほど、このようなご連絡に落ち込んでしまうのではないでしょうか。

    「シーツは毎回交換しているのに」

    「寝具も入念に清掃しているのに」

    「衛生管理には気をつけているのに、どうして?」

    その気持ちは、とてもよく分かります。

    ただ、長年民泊運営に携わってきた立場から、同じような経験をされている皆さんにお伝えしたいことがあります。

    宿泊者様にかゆみや赤みが出たからといって、必ずしも施設の寝具にダニがいたとは限りません。

    旅行中は普段と違う環境で過ごすため、肌に影響する可能性のある要因がたくさんあります。

    もちろん、本当に害虫が発生している可能性もありますので、確認や必要な対応は欠かせません。

    でも、原因が確認できていない段階で、すべてを清掃の問題だと受け止め、必要以上に自分たちを責めることはないと思っています。

    今回は、そんな民泊運営の現場でよくある「ダニがいるのでは?」というご連絡について、私自身の経験も交えながらお話ししたいと思います。

    1.宿泊者様からの「ダニがいる」は、必ずしもダニが確認されたという意味ではない

    まず、最初に知っておいていただきたいことがあります。

    宿泊者様から「ダニがいると思います」とご連絡をいただいた場合、それは必ずしもダニの存在が確認されたということではありません。

    多くの場合、宿泊者様が実際に感じているのは、肌のかゆみや赤みなどの症状です。

    朝起きたら腕がかゆい。

    足に赤い点ができている。

    体に発疹のようなものが出ている。

    こうした症状から「寝ている間にダニに刺されたのかもしれない」と考えられることがあります。

    もちろん、その可能性はあります。

    ただ、肌の症状だけで原因となる虫の種類や、症状が生じた場所を特定することは簡単ではありません。

    虫刺されに似た症状でも、別の原因によって起こっている場合があります。

    だからこそ、私たち運営側は、宿泊者様のお話をきちんと受け止めながらも、原因については冷静に確認する必要があります。

    「かゆみがある」という事実と、「施設にダニがいた」という判断は、分けて考えることが大切です。

    これは、宿泊者様の訴えを疑うということではありません。

    正確に状況を把握し、適切に対応するための考え方です。

    2.私たちはリネンサプライを利用し、寝具の清掃にも力を入れている

    PROGRESS WORKSでは、宿泊者様に安心してお休みいただけるよう、寝具の衛生管理を大切にしています。

    リネン類はリネンサプライを利用し、宿泊者様が入れ替わるたびに交換しています。

    また、寝具やベッド周辺の清掃も入念に行い、UV機器を用いたケアなども取り入れています。

    もちろん、施設によって設備や清掃方法は異なりますが、清潔な宿泊環境を維持することは、私たちにとって基本中の基本です。

    そのため、普段の管理状況から考えると、ダニの発生を疑うようなご連絡には、正直なところ驚くこともあります。

    「これだけ清掃しているのに、どうしてだろう?」

    そう感じるのも自然なことだと思います。

    ただし、ここは誤解のないようにお伝えしたいのですが、リネンサプライを利用していることやUV機器でケアしていることだけで、害虫が絶対に存在しないと証明できるわけではありません。

    寝具の衛生管理と、害虫が発生していないかどうかの確認は、別の視点も必要です。

    だからこそ、宿泊者様からご連絡をいただいた場合には、日頃の清掃状況を確認しながら、必要に応じて寝具やベッド周辺の点検を行います。

    日頃の清掃に自信を持つことと、万が一の可能性をきちんと確認することは、矛盾しません。

    3.旅行中の肌トラブルには、実はさまざまな原因が考えられる

    ここからが、今回のコラムで特にお伝えしたい部分です。

    旅行中に肌のかゆみや赤みが出たとき、私たちはつい「寝具に何か問題があったのでは」と考えてしまいがちです。

    でも、旅行先では普段の生活と違うことがたくさんあります。

    そして、その一つひとつが肌に影響する可能性があります。

    普段使っているシーツや寝具と素材が違う

    例えば、自宅では肌触りの柔らかい綿のシーツを使用している方が、旅行先では違う素材のシーツを使用することがあります。

    リネン類の洗濯に使用する洗剤や仕上げの方法も、普段とは異なるかもしれません。

    肌が敏感な方の場合、こうした違いが刺激になる可能性があります。

    清潔に洗濯された寝具であっても、肌との相性が合わないことはあります。

    つまり、清潔であることと、すべての方の肌に刺激がないことは、必ずしも同じではないのです。

    普段と違う水道水や入浴環境

    旅行先では、水道水の硬度や水質が自宅と異なることがあります。

    また、旅行中は普段より長くお風呂に入ったり、熱いシャワーを浴びたりすることもあります。

    こうした入浴環境の変化によって、肌の乾燥やかゆみを感じる場合があります。

    水道水が違うから必ず肌トラブルが起こる、ということではありません。

    ただ、普段と違う環境が重なっている可能性は考えておきたいところです。

    普段使っていないボディソープやシャンプー

    民泊や貸別荘には、ボディソープやシャンプーなどのアメニティを用意している施設が多くあります。

    しかし、普段から決まった製品を使用している方にとっては、旅行先のアメニティが肌に合わない場合もあります。

    香料や洗浄成分などに反応し、かゆみや赤みが生じる可能性もあります。

    これも、アメニティの品質が悪いという話ではありません。

    人によって肌質や体質が異なるということです。

    旅行中の食事

    旅行先では、普段食べないものを食べる機会も増えます。

    海鮮料理、地域の名物料理、普段はあまり口にしない食材。

    旅行の楽しみの一つですよね。

    ただ、食べ物によるアレルギー反応などが、皮膚症状として現れる場合もあります。

    宿泊施設に戻ってから症状に気づいたとしても、その原因が必ずしも宿泊施設の中にあるとは限りません。

    長時間の移動や旅行中の疲れ

    飛行機や新幹線での長時間移動。

    慣れない気候。

    普段より多い歩行量。

    汗をかく機会の増加。

    睡眠不足や疲労。

    旅行中は、こうしたさまざまな変化が重なります。

    汗や衣服との摩擦、肌の乾燥などによって、かゆみを感じることもあります。

    観光中に虫に刺されている可能性

    もちろん、実際に虫に刺されている可能性もあります。

    ただし、その場所が宿泊施設とは限りません。

    公園や観光地、屋外の飲食スペースなど、旅行中にはさまざまな場所を訪れます。

    虫刺されによる症状は、時間がたってから気づくこともあります。

    そのため、朝起きて赤みを見つけたからといって、必ずしも寝ている間に刺されたとは限らないのです。

    このように、旅行中の肌トラブルには、考えられる原因が本当にたくさんあります。

    宿泊者様が不快な症状を感じていることは大切に受け止める。でも、その原因を最初から一つに決めつけない。

    私は、これが大切だと思っています。

    4.その後の宿泊者様からは、同じご連絡が来ないこともある

    実際の運営で、私たちが経験することがあります。

    ある宿泊者様から「ダニがいるのではないか」とご連絡をいただく。

    清掃状況を確認し、寝具やベッド周辺を点検する。

    しかし、確認した範囲では虫や明らかな痕跡は見つからない。

    そして、その後に何組もの宿泊者様が同じお部屋を利用されても、同じようなご連絡は届かない。

    こうしたケースはあります。

    もちろん、次の宿泊者様から申告がないからといって、ダニがいなかったと断定できるわけではありません。

    虫刺されへの反応には個人差もありますし、症状が出ない方もいらっしゃいます。

    ただ、同じようなご連絡が続かず、点検でも問題が確認されなかった場合には、施設以外の原因も考えられます。

    私がここでお伝えしたいのは、一件のご連絡だけで、これまでの清掃管理がすべて間違っていたかのように受け止める必要はないということです。

    原因が確認できないことも、宿泊運営では起こり得ます。

    だからこそ、確認した内容を記録し、必要な対策を取ったうえで、冷静に次の運営につなげていくことが大切です。

    5.「ダニはいません」と言い切るのも、「ダニがいました」と認めるのも早い

    宿泊者様からご連絡をいただいたとき、ホストとしての返信にも気をつけたいところです。

    例えば、普段から清掃を徹底しているからといって、

    「当施設にダニがいることはあり得ません」

    と断言するのは適切ではありません。

    実際に確認する前に、可能性を完全に否定することはできないからです。

    一方で、原因が確認できていない段階で、

    「ダニがいたようで申し訳ございません」

    と決めつける必要もありません。

    まずは、宿泊者様が不快な症状を感じていることに寄り添い、必要な確認を進めることが大切です。

    例えば、次のような返信です。

    「この度は、ご滞在中にお肌のかゆみが生じているとのこと、ご不快な思いをされていることと存じます。当施設ではリネンの交換や寝具の清掃を実施しておりますが、念のため状況を確認させていただきたいと考えております。差し支えなければ、症状が出た時期や状況についてお知らせいただけますでしょうか。」

    大切なのは、宿泊者様の不安を否定しないこと。

    そして、確認できていない原因を決めつけないことです。

    必要に応じて現地を点検し、症状が強い場合には医療機関への相談をおすすめすることも必要です。

    6.ダニとトコジラミは、同じものではありません

    ここで、もう一つ触れておきたいことがあります。

    宿泊施設で「虫に刺された」と言われたとき、ダニとトコジラミが混同されることがあります。

    しかし、ダニとトコジラミは異なる生き物です。

    また、すべてのダニが人を刺すわけではありません。

    一般的な室内のダニの中には、人を刺すのではなく、アレルギーの原因になるものもいます。

    一方、トコジラミは人の血を吸う害虫で、ベッドフレームやマットレスの縫い目、家具の隙間などに潜むことがあります。

    そのため、通常の寝具交換や清掃だけでは対応が難しい場合もあります。

    そして、実は私たちPROGRESS WORKSにも、トコジラミへの対応を実際に経験したことがあります。

    これは、今回お話ししているような「ダニがいるのでは?」というお問い合わせとは、また少し違うお話です。

    実際にトコジラミが発生した場合、運営現場では本当にさまざまな対応が必要になります。

    害虫の確認方法。

    専門業者への依頼。

    宿泊者様への対応。

    次のご予約への影響。

    そして、AirbnbなどのOTAに連絡した際、どのような対応になるのか。

    このあたりは、実際に経験してみないと分からないことも多いと感じました。

    特にOTA側の対応については、ホストとして知っておいた方がよいことがいろいろあります。

    ただ、この話を始めると今回のコラムとは別の記事になってしまうほど、内容が多くなります。

    ですので、実際にトコジラミが発生した際の対応や、OTAとのやり取りについては、また別の機会に詳しく書きたいと思っています。

    宿泊運営をされている方には、ぜひ知っておいていただきたい内容です。

    7.清掃スタッフさんにも、必要以上に落ち込んでほしくない

    今回のコラムで、私が特に伝えたいことがあります。

    それは、清掃スタッフさんにも、必要以上に落ち込んでほしくないということです。

    民泊や貸別荘の清掃は、決して簡単な仕事ではありません。

    限られた時間の中で、ベッドメイクをして、浴室やトイレを清掃して、キッチンを整えて、床を清掃して、備品を確認する。

    次の宿泊者様が気持ちよく過ごせるように、たくさんの作業を行っています。

    そして、清掃が終われば、また次のお客様をお迎えする。

    毎日、その繰り返しです。

    そのような中で、「ダニがいる」と言われてしまうと、まるで自分たちの清掃が不十分だったと言われたように感じることもあると思います。

    でも、どうか必要以上に自信をなくさないでください。

    もちろん、実際に問題が見つかった場合は改善が必要です。

    清掃の不備があれば、きちんと見直さなければなりません。

    ただ、原因が特定できていない肌トラブルを、すべて清掃スタッフさんの責任にする必要はありません。

    日々丁寧に清掃してくださっていること。

    細かいところまで気を配ってくださっていること。

    宿泊者様が快適に過ごせるよう、毎回お部屋を整えてくださっていること。

    その努力は、一件のご連絡でなくなるものではありません。

    私は、宿泊運営を支えてくださっている清掃スタッフの皆さんに、そこは自信を持っていただきたいと思っています。

    8.ホストは「原因を決めつけない」「確認する」「記録する」

    では、実際にこのようなご連絡をいただいたとき、ホストはどうすればよいのでしょうか。

    私は、大切なことは大きく3つだと思っています。

    ① 原因を決めつけない

    宿泊者様がかゆみを感じたことは事実として受け止めます。

    ただし、原因がダニなのか、ほかの虫なのか、肌への刺激なのかは、確認できるまで断定しません。

    ② 必要な確認を行う

    寝具の交換状況や清掃記録を確認します。

    必要に応じて、マットレスやベッドフレーム、周辺家具なども点検します。

    疑わしい痕跡がある場合や、同様の申告が繰り返される場合には、専門業者への相談も検討します。

    ③ 確認した内容を記録する

    宿泊者様からご連絡をいただいた日時。

    症状について伺った内容。

    清掃状況。

    現地確認の結果。

    実施した対策。

    こうした情報を残しておくことは、今後の施設管理にも役立ちます。

    また、万が一OTAなどから状況の確認を求められた場合にも、実施した対応を正確に説明しやすくなります。

    宿泊運営では、何か起こったときに、感情だけで対応しないことが大切です。

    宿泊者様には誠実に、現場には冷静に。

    この姿勢を忘れずにいたいと思っています。

    9.民泊運営では、原因が分からないこともある

    長年宿泊運営をしていると、すべての出来事に明確な答えが出るわけではないと感じます。

    ご連絡をいただいたので確認したけれど、原因が見つからない。

    清掃スタッフにも確認したけれど、特に異常はなかった。

    その後、同じようなお問い合わせもない。

    そんなこともあります。

    だからといって、宿泊者様が嘘をついているという話ではありません。

    宿泊者様が実際にかゆみを感じていても、その原因が分からないことはあります。

    そして、原因が分からないことと、運営側に落ち度があったことは、必ずしも同じではありません。

    ここを分けて考えることは、ホストにとっても大切だと思います。

    私たちができるのは、施設を清潔に保ち、必要な確認を行い、改善すべき点があれば改善することです。

    それ以上に、宿泊者様の体質や旅行中のすべての出来事まで管理することはできません。

    だからこそ、できることをきちんと行ったのであれば、必要以上に自分を責めなくてもよいのではないでしょうか。

    最後に|民泊ホストの皆さん、一件のご連絡で自信をなくさないでください

    民泊や貸別荘の運営は、毎日たくさんの人と関わる仕事です。

    宿泊者様の感じ方も、体質も、生活習慣も、それぞれ違います。

    どれだけ丁寧に清掃していても、どれだけ衛生管理に力を入れていても、予想していなかったご連絡をいただくことはあります。

    「ダニがいるのではないでしょうか?」

    その一言に、ショックを受けることもあるでしょう。

    でも、少し思い出していただきたいのです。

    旅行中には、普段と違う寝具、洗剤、水道水、ボディソープ、食事、生活環境など、肌に影響する可能性のあるものがたくさんあります。

    だから、かゆみや赤みが出たからといって、必ずしも寝具にダニがいたとは限りません。

    もちろん、実際に害虫がいる可能性を軽く考えてはいけません。

    必要な確認や対策は、しっかり行うことが大前提です。

    そのうえで、問題が確認されなかったのであれば、必要以上に落ち込む必要はないと思っています。

    一件のご連絡が、これまで積み重ねてきた清掃や運営の努力を否定するわけではありません。

    そして、同じ宿泊運営に携わる皆さんに、もう一つお伝えしたいことがあります。

    実際にトコジラミが発生したときの対応は、今回のような原因が確認できないお問い合わせとは、まったく違う難しさがあります。

    私たちも経験があり、現場対応だけでなく、OTAとのやり取りについても、共有できることがたくさんあります。

    このお話は、また改めて一つのコラムにしたいと思います。

    今回お伝えしたかったのは、何よりも、毎日現場で頑張っているホストさんや清掃スタッフさんに、必要以上に落ち込んでほしくないということです。

    宿泊者様の声を大切にしながら、自分たちが積み重ねてきた仕事にも自信を持つ。

    そんな気持ちで、これからも一緒に宿泊運営を続けていけたらと思っています。

    このコラムについて

    このコラムは、民泊・貸別荘・ヴィラの運営に携わる株式会社PROGRESS WORKSの管理部長・柳瀬が、実際の宿泊運営で経験してきた出来事をもとに執筆しています。

    宿泊者様から「ダニがいるのではないか」とご連絡をいただいた際、どのように受け止め、確認し、対応していくべきなのか。

    また、日々丁寧に清掃や衛生管理に取り組んでいるホストさんや清掃スタッフさんが、原因の特定できないご連絡によって必要以上に自信を失わないでほしい、という想いを込めています。

    なお、本記事は肌のかゆみや発疹の原因を医学的に診断するものではありません。実際に害虫が疑われる場合には、適切な調査や専門業者による対応が必要です。

    同じ宿泊運営に携わる皆様にとって、日々のゲスト対応を考える際の参考になれば幸いです。

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