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Columnsコラム

「リゾート地だから民泊で稼げる」は本当?普通の民家を“高収益ヴィラ”として買う前に考えてほしいこと

目次

    海が見える観光地。

    温泉地。

    人気のリゾートエリア。

    最近、こうした地域でも民泊物件をよく見かけるようになりました。

    新築ヴィラや貸別荘だけではありません。

    もともと一般住宅として建てられた戸建住宅を購入し、家具や家電を入れて民泊として運営するケースもあります。

    もちろん、それ自体が悪いわけではありません。

    立地や建物によっては、一般住宅でも十分に宿泊施設として成立します。

    ただ、不動産として購入するのであれば、私は一度立ち止まって考えてほしいことがあります。

    「リゾート地にある」というだけで、その家は“リゾート施設”になるのでしょうか。

    そしてもう一つ。

    旅行者は、わざわざその家を選んで泊まりたいと思うでしょうか。

    ここを考えず、

    「人気観光地だから」

    「民泊可能だから」

    「周辺のヴィラが高く売れているから」

    という理由だけで物件を購入するのは、少し危険です。

    今回は、不動産会社として、そして実際に宿泊施設を運営する会社として、リゾート地で民泊物件を購入する前に見てほしいことをお話しします。

    「観光客が多い」と「この家に泊まる」は別の話です

    例えば、年間を通して多くの観光客が訪れるリゾート地があるとします。

    すると、

    「観光客が多いなら民泊も儲かりそう」

    と思います。

    ここまでは自然です。

    でも宿泊事業では、もう一段考える必要があります。

    その地域に来た旅行者には、

    ホテル。

    旅館。

    温泉宿。

    高級ヴィラ。

    オーシャンビューの貸別荘。

    サウナ付き施設。

    露天風呂付き施設。

    新築の一棟貸し。

    さまざまな選択肢があります。

    その中に、

    普通の住宅を民泊化した施設

    が並びます。

    そこで初めて、

    「では、なぜゲストはこの家を選ぶのか?」

    を考えなければなりません。

    観光需要があることと、その物件に宿泊需要があることは同じではありません。

    ここを一緒にしてしまうと、収支計画が大きくずれることがあります。

    旅行者は「場所」だけを買っているわけではありません

    リゾート旅行を想像してみてください。

    せっかく海辺まで来た。

    せっかく温泉地まで来た。

    せっかく家族で旅行する。

    そのとき、

    普段住んでいる住宅とあまり変わらない家に泊まりたいでしょうか。

    もちろん、

    価格が安い。

    大人数で泊まれる。

    観光地へのアクセスが抜群。

    ペットと泊まれる。

    長期滞在に便利。

    など、明確な理由があれば選ばれることはあります。

    でも、

    「リゾート地に建っている普通の家」

    というだけでは、宿泊商品としての理由にはなりません。

    リゾート地へ旅行するゲストの中には、

    日常から少し離れた体験を求める方も多くいます。

    景色。

    空間。

    お風呂。

    テラス。

    庭。

    インテリア。

    食事。

    サウナ。

    プール。

    その土地らしさ。

    すべてを備える必要はありません。

    ただ、

    「ここに泊まる理由」が一つは欲しい。

    私はそう思います。

    周りのヴィラが1泊8万円なら、この家も8万円?

    ここは物件購入時に特に注意したいところです。

    例えば販売資料に、

    「周辺では1泊8万円以上のヴィラも多数」

    と書かれていたとします。

    確かに嘘ではないかもしれません。

    でも、

    その8万円の施設を見てください。

    海が見える。

    新築。

    露天風呂付き。

    サウナ付き。

    大人数対応。

    内装にもかなり投資している。

    写真もプロが撮影している。

    レビューも蓄積している。

    一方、購入を検討している物件は、

    住宅地の中にある普通の戸建。

    眺望なし。

    一般的な浴室。

    一般的なリビング。

    一般的なキッチン。

    それでも、

    同じ地域にあるから、同じ宿泊単価で売れるでしょうか。

    住所が近いだけで、宿泊商品として同じとは限りません。

    周辺の一番高く売れているヴィラの宿泊料金だけを持ってきて、

    購入予定の物件の想定売上を作る。

    これはかなり注意したい収支の作り方です。

    以前のコラムでも触れましたが、

    良い数字だけ仲良く集合させても、現実の売上にはなりません(笑)。

    「民泊可能物件」と「民泊で稼げる物件」は違います

    これも、とても大切です。

    不動産情報で、

    「民泊可能」

    という言葉を見ることがあります。

    魅力的ですよね。

    でも、

    民泊ができることと、

    民泊で利益が出ることは別です。

    「民泊可能」は基本的に、

    事業として使用できる可能性についての話。

    一方、

    「民泊で稼げるか」は、

    商品力と事業性の話。

    まったく違います。

    許認可の条件を満たせる。

    消防対応もできる。

    だから民泊として営業できる。

    でも、

    予約が入るかどうかは別問題です。

    少し極端に言えば、

    営業できても、誰も泊まりたくなければ売上はゼロです。

    「民泊できます」。

    ここで物件調査を終わらせてはいけません。

    むしろ宿泊事業としての調査は、そこから始まります。

    不動産会社の「想定売上」は、何を根拠にしていますか?

    民泊向けとして販売されている物件を見ると、

    想定宿泊単価。

    想定稼働率。

    想定年間売上。

    想定利回り。

    などが提示されていることがあります。

    もちろん、きちんと市場調査された数字もあります。

    ただ、購入する側は、

    その数字がどうやって作られたのか

    を確認してください。

    例えば、

    「想定ADR50,000円、稼働率70%」

    と書かれている。

    ここで、

    「年間1,000万円以上売れそうですね」

    で終わらせない。

    私なら、

    「なぜ5万円なんですか?」

    と聞きます。

    比較した施設はどこですか。

    同じ宿泊人数ですか。

    築年数は。

    眺望は。

    設備は。

    サウナは。

    温泉は。

    プールは。

    駐車場は。

    レビュー数は。

    駅や観光地からの距離は。

    平日も5万円で売れていますか。

    それとも繁忙期だけですか。

    ここまで見ると、

    同じ「リゾート地の一棟貸し」でも、

    まったく別の商品だと分かることがあります。

    「高級ヴィラが増えている」という現実も見てほしい

    現在のリゾート民泊市場では、施設の質そのものが上がっています。

    以前なら、

    一棟貸し。

    BBQ可能。

    大人数宿泊可能。

    これだけでも十分差別化できた地域がありました。

    でも今は、

    建築段階から宿泊施設として設計されたヴィラも増えています。

    写真を見た瞬間に、

    「ここに泊まりたい」

    と思わせる施設です。

    そして、ゲスト側もいろいろな宿泊施設を経験しています。

    高級ホテル。

    旅館。

    グランピング。

    一棟貸し。

    海外のAirbnb。

    サウナ付きヴィラ。

    つまり、

    施設側のレベルが上がると同時に、ゲストの見る目も上がっています。

    その市場へ、

    「普通の住宅にベッドを置きました」

    だけで参入する。

    以前より難しくなっていると考えた方がいいでしょう。

    「安くすれば泊まる」は投資として成立していますか?

    もちろん、価格を下げれば予約が入る可能性は高くなります。

    でも投資物件なら、

    それで終わりではありません。

    想定では1泊50,000円だった。

    実際には予約が入らず30,000円まで下げた。

    それでも清掃費は必要です。

    OTA手数料も必要です。

    水道光熱費も必要です。

    運営管理費も必要です。

    固定費もあります。

    修繕費も将来発生します。

    ローンを組んでいれば返済もあります。

    すると、

    稼働率は高いのに、オーナー様にはほとんどお金が残らない

    ということもあり得ます。

    だから購入前に見るべきなのは、

    「泊まってもらえるか」

    だけではありません。

    「利益が残る価格で泊まってもらえるか」

    です。

    普通の民家でも、成功する可能性はあります

    ここは誤解してほしくないところです。

    私は、

    「リゾート地の民家は民泊に向かない」

    と言っているわけではありません。

    例えば、

    10名で泊まれる。

    観光地まで徒歩圏。

    駐車場が複数台ある。

    庭が広い。

    ペット可にできる。

    ファミリーに使いやすい間取り。

    長期滞在に向いている。

    価格競争力がある。

    リノベーションによって魅力的な空間をつくれる。

    こうした明確な強みがあれば、一般住宅からでも十分に宿泊商品をつくれる可能性があります。

    大切なのは、

    「普通の民家だからダメ」でも、「リゾート地だから大丈夫」でもない。

    その物件に、

    選ばれる理由をつくれるか

    です。

    買ってから「どうやってリゾート感を出しましょう?」では遅いこともあります

    私たちができれば避けたいのは、

    物件を購入したあとに、

    「この家、民泊としてどうでしょう?」

    と相談をいただくケースです。

    もちろん購入後でも、できることは考えます。

    ただ、

    購入前ならもっと選択肢があります。

    例えば、

    リビングが狭い。

    庭がない。

    屋外スペースがない。

    駐車場が足りない。

    浴室が小さい。

    眺望がない。

    大人数で食事できるスペースがない。

    こうしたものは、

    家具を少しおしゃれにしただけでは解決できないことがあります。

    インテリアで変えられることと、不動産そのものが持っている条件は別です。

    購入前なら、

    「この物件ではない」

    という選択もできます。

    購入後は、それができません。

    「民泊向けです」と言われたら、もう一つ聞いてください

    物件を紹介され、

    「このエリアは民泊需要がありますよ」

    「民泊向けですよ」

    「貸別荘として運用できます」

    と言われたら、

    私はもう一つ質問してほしいと思っています。

    「実際に、どんなゲストが、いくらで、この家を選ぶ想定ですか?」

    この質問です。

    答えが、

    「観光地なので需要があります」

    だけなら、少し足りません。

    ファミリーなのか。

    海外ゲストなのか。

    カップルなのか。

    大人数グループなのか。

    何泊するのか。

    平日は誰が泊まるのか。

    閑散期はどうするのか。

    競合施設と比べて何が強いのか。

    それが宿泊単価にどう反映されるのか。

    ここまで考えて、

    初めて宿泊事業の計画になります。

    私たちは「売れる物件」より「運営できる物件」を見ています

    PROGRESS WORKSでは、不動産だけを見ているわけではありません。

    実際に民泊・貸別荘・ヴィラを運営しています。

    だから物件を見るときも、

    「この家を売れるか」だけではなく、「この家を宿として売れるか」

    を考えます。

    写真にしたとき、魅力が出るか。

    ゲストは何人で泊まるか。

    ダイニングはその人数で使えるか。

    洗面・トイレは足りるか。

    荷物を置けるか。

    清掃しやすいか。

    リネンを保管できるか。

    近隣への騒音リスクは。

    駐車場は。

    どのOTAで売るか。

    どんな写真を一枚目にするか。

    ADRはいくらを狙うのか。

    競合は何か。

    そして、

    全部の経費を引いたあと、オーナー様にいくら残るのか。

    不動産を見る目と、

    宿泊施設を運営する目。

    民泊物件を購入するときには、私は両方必要だと思っています。

    悪質な「民泊投資話」に惑わされないために

    すべての不動産会社や販売会社が、宿泊運営に詳しいわけではありません。

    これは悪いことではありません。

    不動産売買と宿泊施設運営は、そもそも違う専門分野だからです。

    ただし購入する側としては、

    「民泊」という言葉だけで物件価値を高く見積もっていないか

    には注意してください。

    「人気リゾート地」

    「民泊可能」

    「高稼働が期待できる」

    「高利回り」

    「周辺ヴィラは1泊○万円」

    魅力的な言葉です。

    でも、本当に大切なのは、

    その言葉を一つずつ数字に戻せるか。

    なぜ高稼働なのか。

    なぜそのADRなのか。

    どの施設と比較したのか。

    必要な改修費はいくらか。

    運営費はいくらか。

    修繕費は。

    そして、

    その物件そのものに、旅行者がお金を払って泊まりたい理由があるのか。

    ここを確認してください。

    リゾート地の物件だからこそ「自分なら泊まりたいか」

    最後は、とても単純な話かもしれません。

    物件を見たとき、

    一度、不動産投資家ではなく、

    旅行者の目線

    になってみてください。

    家族で数か月前から楽しみにしていた旅行。

    せっかくリゾート地まで来た。

    同じ予算でいくつもの施設を選べる。

    そのとき、

    自分なら、この家を予約するでしょうか。

    そして、

    なぜ予約するのでしょうか。

    その答えが見つからない物件を、

    「リゾート地だから」という理由だけで買うのは、私はおすすめしません。

    不動産として良い物件と、

    宿泊施設として良い物件は、

    必ずしも同じではありません。

    リゾート地に家があることと、リゾートヴィラを持っていることも、同じではありません。

    民泊物件を購入するときこそ、

    「民泊できますか?」の一歩先へ。

    「この物件なら、本当に選ばれますか?」

    そこまで確認してからでも、購入は遅くありません。

    このコラムについて

    本コラムは、民泊運営歴10年以上・宅地建物取引士資格を持つ管理部長・柳瀬が、これまでの実務経験をもとに執筆しています。

    Airbnb・Booking.com等のOTA運用、価格調整や稼働率改善、ゲスト対応、近隣対応、設備トラブル、清掃管理、行政対応、そして思うようにいかなかった運営や撤退判断まで、現場責任者として実際の宿泊事業に携わってきました。

    また、宅地建物取引士として、民泊不動産・中古ヴィラ・貸別荘の購入前確認、収支、物件選び、許認可、開業準備、運営、収益改善、将来の売却まで、不動産と宿泊事業の両方から考えることを大切にしています。

    私たちが大切にしているのは、不動産と運営は切り離さず考えることです。

    「民泊可能」というだけで物件をおすすめするのではなく、

    その地域に宿泊需要があるのか。

    その物件に選ばれる理由があるのか。

    競合施設はいくらで売れているのか。

    必要な改修はいくらか。

    どの程度のADR・稼働率が現実的なのか。

    運営費や将来の修繕費まで考えて、利益が残るのか。

    購入した翌日から実際に運営するつもりで、物件を見る。

    それが、私たちの民泊不動産に対する考え方です。

    「民泊向けとして紹介された物件を、このまま購入していいか不安」

    「提示された想定売上が現実的なのか確認したい」

    「リゾート地で中古ヴィラ・民泊物件を探している」

    「物件探しから開業、運営までまとめて相談したい」

    「すでに購入した物件を、宿泊商品としてどう改善すればいいか相談したい」

    そんなご相談もお受けしています。

    物件を売るための収支ではなく、買ったあとにオーナー様が実際に向き合う収支を見る。

    「買ってから困る」のではなく、

    「あのとき、きちんと確認しておいてよかった」と思える判断を。

    PROGRESS WORKSは、民泊・貸別荘・ヴィラの不動産と運営、その両方の視点からお手伝いしています。

    これ、かなり強いで。特にタイトルは「悪質な不動産会社に騙されないで」を前面に出すより、本文を読んだ結果「あ、販売会社の数字だけで買ったらあかんのや」って気づかせる方が上品

    あと、最後の 「リゾート地に家があることと、リゾートヴィラを持っていることは同じではありません。」 は、このコラムの芯としてかなり使えると思う。

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    この知識を、
    実際のヴィラ・民泊事業として
    扱う専門家がいます。

    PROGRESS WORKSは、
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    運営まで、
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