ヴィラ投資を始めたけど予約が入らない?|「もしかして失敗?」と思ったときに確認したいポイント

念願のヴィラを購入した。
家具も入れた。
サウナも付けた。
写真撮影もした。
AirbnbなどのOTAにも掲載した。
あとは予約が入るのを待つだけ。
ところが。
……予約が入らない。
カレンダーを開く。
閉じる。
また開く。
さっき見たので、たぶん増えていません(笑)。
ヴィラ投資を始めたオーナー様から、
「思っていたほど予約が入らない」
「事業計画の売上と全然違う」
「このまま運営を続けて大丈夫でしょうか」
というご相談をいただくことがあります。
何千万円という資金を投じて始めたヴィラ投資です。
予約が入らなければ、
「もしかして、この投資は失敗だった?」
と不安になるのも当然です。
ただ、ここで一つお伝えしたいことがあります。
予約が入らない=ヴィラそのものが失敗
とは限りません。
立地や建物に問題がある場合もあります。
そもそもの事業計画が強気すぎた場合もあります。
でも実際には、
物件ではなく「運営の仕方」に原因があるケースもあります。
せっかく購入したヴィラです。
「失敗だった」と結論を出す前に、
まずはどこで予約を取りこぼしているのか。
一つずつ見てみましょう。
まず、「予約が入らない」の基準を確認してください
最初に確認したいのは、
本当に予約が入っていないのか
です。
少し変な質問に聞こえるかもしれません。
でもヴィラ経営では、
「思っていたより予約が少ない」
と、
「事業として問題があるほど予約が少ない」
は別です。
例えばリゾート地では、
繁忙期と閑散期があります。
平日と週末でも需要は違います。
開業直後でレビューがほとんどない施設と、何年も運営してレビューが積み上がっている施設でも条件は違います。
だから、
「今月は10日しか予約が入っていない」
という数字だけでは判断できません。
確認したいのは、
稼働率・ADR・RevPAR・売上・利益
です。
ADRとは、実際に販売できた日の平均宿泊単価。
RevPARとは、販売可能な日数も含めて、一日あたりどれくらい宿泊売上を生み出しているかを見る指標です。
簡単に言えば、
「何日埋まったか」だけではなく、「いくらで売れて、結局いくら売上をつくったのか」まで見ましょう
ということです。
カレンダーが埋まっていると、なんとなく安心します。
でも、
銀行口座はカレンダーの埋まり具合を褒めてくれません(笑)。
大切なのは、利益が残っているかです。
予約が入らないから、とりあえず値下げ?
予約が入らないときに、一番分かりやすい対策があります。
宿泊料金を下げる。
確かに価格を下げれば、予約が入りやすくなることはあります。
10万円で売れない。
では8万円。
まだ入らない。
では6万円。
5万円。
こうしていけば、どこかでは予約が入るかもしれません。
でも、
ちょっと待ってください。
清掃費も一緒に半額になりましたか?
OTA手数料も半額ですか?
電気代も?
水道代も?
運営費も?
修繕費も?
固定資産税も?
残念ながら、
宿泊料金だけ、ずいぶん素直に下がってくれます(笑)。
その結果、
「予約は入るようになりました!」
でも、
「利益は残っていません」
では意味がありません。
だから私たちは、
予約が入らない=まず値下げ
とは考えません。
なぜ予約されていないのかを先に確認します。
その価格、本当に高いのでしょうか?
宿泊料金が高すぎる場合は、もちろん調整が必要です。
ただし、
「周辺の宿より高いから下げましょう」
だけでは少し雑です。
ヴィラの場合、
宿泊人数。
延床面積。
寝室数。
サウナ。
露天風呂。
プール。
BBQ設備。
眺望。
駐車場。
ペット可否。
アクセス。
築年数。
内装。
さまざまな条件によって適正価格は変わります。
近くにあるからといって、
全部が競合ではありません。
2名向けの小さな宿と、
8名で泊まれる一棟貸しヴィラを、
同じ宿泊料金だけで比較しても意味がありません。
お隣さんだからライバル、というほど単純ではないんです(笑)。
本当に比較すべき施設を選び、
その中で自分のヴィラがどう見えているのかを確認する必要があります。
写真の一枚目で、もう負けていませんか?
これはかなり大事です。
OTAでは、ゲストが最初からあなたの施設を詳しく読んでくれるわけではありません。
検索結果には、
たくさんの宿泊施設が並びます。
その中で、
写真。
価格。
レビュー。
立地。
設備。
などを比較して選びます。
つまり、
OTAの一枚目の写真は、不動産でいう外観や店頭看板のようなものです。
どれだけ素敵なサウナがあっても、
10枚目まで見ないと出てこない。
せっかく絶景なのに、
一枚目はリビングのソファ。
プール付きなのに、
最初の写真ではプールが見えない。
これでは、
ゲストに魅力を知ってもらう前に、
次の施設へ移られてしまう可能性があります。
ヴィラを建てるときには何千万円もかけたのに、
OTAの一枚目だけ急に無頓着。
ここ、意外とあります(笑)。
「8名宿泊可能」と「8名で快適」は違います
これもヴィラでよく確認するポイントです。
最大8名。
最大10名。
最大12名。
数字だけ見ると、大人数旅行に強そうです。
でも、
8名泊まれるのにダイニングテーブルは4名用。
ソファも4名。
BBQスペースも4~5名。
洗面所は一つ。
ベッド配置もかなり窮屈。
となると、
ゲストは写真を見ながら考えます。
「残りの4名様、どちらで夕食を召し上がるのでしょうか(笑)」
宿泊可能人数は、
布団を敷ける人数だけではありません。
食事をする。
くつろぐ。
お風呂に入る。
荷物を置く。
その人数で本当に快適に過ごせるか。
ここまで含めて商品設計です。
運営会社が施設の特徴をきちんと理解していれば、
販売人数そのものを見直した方が収益につながるケースもあります。
サウナを付けたら予約が入る、ではありません
最近のヴィラでは、
サウナ。
露天風呂。
プール。
BBQ。
ドッグラン。
こうした設備が増えています。
もちろん、大きな魅力になります。
でも、
設備がある=予約が入る
ではありません。
周辺にもサウナ付きヴィラが10棟あれば、
「サウナ付き」だけでは差別化にならないかもしれません。
大切なのは、
誰に泊まってほしいのか。
何人で泊まるのか。
どんな旅行で選ばれるのか。
その設備によって、どんな体験ができるのか。
ここまで設計してOTA上で伝えることです。
サウナを付けました。
はい、満室。
そんなに素直なら、私も毎日サウナを発注しています(笑)。
Airbnbに載せたら、世界中から予約が来る?
これも開業時によくある誤解です。
Airbnbへ掲載した。
Booking.comへ掲載した。
これで販売開始です。
でも、
「掲載されている」と「売れている」は別です。
タイトル。
写真。
説明文。
設備登録。
宿泊人数。
最低宿泊日数。
キャンセルポリシー。
価格設定。
曜日別料金。
連泊割引。
直前料金。
販売期間。
検索条件。
レビュー。
これらが組み合わさって予約につながります。
さらに、施設によっては複数OTAで販売した方がよい場合もあります。
Airbnbだけで十分な施設もあれば、
Booking.comやその他のOTAとの相性が良い施設もあります。
OTAに載せた瞬間、世界中のゲストが拍手しながら予約してくれるわけではありません(笑)。
掲載してからが運営です。
返信の速さやレビューも「売上」に関係しています
予約が入らないと、
どうしても価格や写真ばかり見てしまいます。
でも、運営品質も無視できません。
問い合わせへの返信。
チェックイン案内。
清掃品質。
設備トラブルへの対応。
レビューへの対応。
こうした一つひとつがゲスト満足度につながります。
そして、
良いレビューが積み上がれば、
次のゲストが予約するときの安心材料になります。
逆に、
建物は素晴らしいのに、
「問い合わせへの対応が遅かった」
「説明が分かりにくかった」
「トラブル時の対応が残念だった」
というレビューが続けば、
新しいゲストは当然読みます。
何千万円もかけたヴィラでも、
最後に評価されるのは宿泊体験全体です。
ゲスト、建築費までは忖度してくれません(笑)。
「まだ開業したばかりですから」は、いつまで言いますか?
もちろん、開業直後は難しい時期があります。
レビューがありません。
OTA上での販売実績もありません。
認知もありません。
ですから、
最初から理想どおりの宿泊単価と稼働率になるとは限りません。
ここは焦らなくて大丈夫です。
ただし、
3か月。
半年。
一年。
ずっと、
「まだ始まったばかりですから」
で終わっているなら、一度立ち止まった方がいいかもしれません。
人間でも一年経てば、
「新人なので」で全部許してもらうのは、そろそろ難しくなります(笑)。
数字を確認して、
仮説を立てて、
価格を変える。
写真を変える。
OTAページを改善する。
販売チャネルを見直す。
プランを変える。
ターゲットを見直す。
そして結果を確認する。
運営とは、
この繰り返しです。
それでも予約が入らないなら、「物件」ではなく「運営会社」を見てみる
ここまで確認して、
物件そのものには魅力がある。
立地も悪くない。
設備もある。
レビューでも施設自体は評価されている。
それなのに、
想定していた売上にならない。
そんな場合は、
一度、運営会社の運用方法を確認してみてもいいと思います。
これは、
「予約が入らないのは全部運営会社が悪い」
という話ではありません。
そんなに簡単なら、こちらも診断が楽です(笑)。
ただ、
運営会社によって、
価格調整の方法。
OTAの使い方。
写真の見せ方。
販売チャネル。
レビューへの考え方。
問い合わせ対応。
データの見方。
収益改善の方法。
ここには、かなり違いがあります。
毎月の報告が「稼働率○%でした」で終わっていませんか?
例えば、
「今月の稼働率は60%でした」
という報告。
もちろん必要です。
でもオーナー様が本当に知りたいのは、
「で、これは良いんですか?悪いんですか?」
ではないでしょうか。
前年と比べてどうなのか。
周辺需要はどうだったのか。
ADRはどう変化したのか。
RevPARはどうなのか。
売上はいくらだったのか。
予約リードタイムはどう変化しているのか。
どのOTAから予約が入っているのか。
平日が弱いのか。
週末の単価を取り切れていないのか。
何を改善するのか。
そして、
改善した結果どうなったのか。
ここまで見て、
初めて「運営」だと思っています。
毎月数字を送るだけなら、
Excelもかなり優秀です(笑)。
「値下げしました」だけが収益改善になっていませんか?
予約が少ない。
料金を下げる。
まだ少ない。
もう少し下げる。
これは価格調整というより、
場合によっては、
予約が入るまで値段を下げているだけ
になっていることがあります。
もちろん、需要に合わせた値下げは必要です。
でも同時に、
高く売れる日は高く売る。
連休を早く安売りしない。
直前需要を見る。
平日の売り方を変える。
連泊を取りにいく。
ターゲットを変える。
写真を改善する。
OTAを増やす。
こうした施策も必要です。
運営会社の仕事は、
空室を埋めることだけではなく、利益を残すこと。
ここを間違えると、
稼働率は高い。
スタッフは忙しい。
清掃も多い。
設備も傷む。
なのに、
オーナー様だけ、あまり儲かっていない。
なんとも切ない完成形です(笑)。
運営会社を変更しただけで、物件そのものは変わりません
運営会社を変更しても、
土地は同じです。
建物も同じです。
サウナも同じ。
プールも同じ。
ベッドも同じ。
でも、
「どう売るか」は変えられます。
写真の順番。
OTAページ。
販売チャネル。
価格。
宿泊プラン。
最低宿泊日数。
ターゲット。
問い合わせ対応。
レビュー管理。
日々の収益管理。
つまり、
物件という商品は同じでも、売り方と運営方法は変えられる。
ここが、ヴィラ経営のおもしろいところです。
だから、
「このヴィラは失敗だった」
と結論を出す前に、
「今の運営方法が、このヴィラに合っているのか」
を一度確認していただきたいと思っています。
運営会社を変えれば必ず売上が上がる、とは言いません
ここは大切なので、はっきり書いておきます。
運営会社を変更したからといって、
必ず売上が上がるわけではありません。
立地上の問題。
需要そのものが少ない。
建物の商品設計。
購入価格が高すぎた。
開業時の事業計画が現実離れしていた。
こうした問題なら、
運営会社を変更するだけでは解決できない場合もあります。
だから私たちも、
数字を見ずに、
「うちに変えれば売上上がりますよ」
とは言いません。
それ、言えたら営業は楽なんですけどね(笑)。
まず現状を見る。
過去の売上を見る。
価格を見る。
予約状況を見る。
OTAページを見る。
レビューを見る。
施設そのものを見る。
そのうえで、
改善できるところと、
運営だけでは変えられないところを分けます。
運営会社を変えるなら、「安い会社」ではなく「改善できる会社」
運営会社の変更を考えるとき、
運営手数料だけで比較したくなるかもしれません。
20%。
15%。
10%。
確かに費用は重要です。
でも、
年間3,000万円売る会社の20%と、
年間2,000万円しか売れない会社の15%。
オーナー様の手元に残る金額は、単純に手数料率だけでは比較できません。
しかも、
清掃品質。
レビュー。
設備管理。
価格調整。
OTA運用。
トラブル対応。
これらも長期的な収益に影響します。
だから見るべきなのは、
「何%で運営してくれるか」だけではなく、
「その会社が何をして売上と利益をつくるのか」。
ここです。
運営手数料だけ安くなって、
売上まで一緒に安くなったら、
そこはセット割にしなくていいんです(笑)。
ヴィラ投資は、「買ったあと」の方が長い
土地を探す。
融資を受ける。
ヴィラを購入する。
建築する。
許認可を取る。
家具を入れる。
OTAへ掲載する。
ここまで来ると、
「やっと完成した」
と思います。
でも投資として考えれば、
そこからの方が長い。
5年。
10年。
それ以上。
ヴィラは運営され続けます。
だから、
購入時の事業計画だけではなく、
運営開始後に数字を見ながら改善し続けられるか
がとても重要です。
購入した瞬間に、10年分の売上が確定するわけではありません。
残念ながら、
過去の想定売上まで一緒に登記されるわけでもありません(笑)。
運営して、
改善して、
レビューを積み上げて、
適正な宿泊単価をつくっていく。
そこまで含めて、ヴィラ投資です。
「失敗だった」と決める前に、運営を変えてみる
予約が入らない。
想定していた売上にならない。
毎月の収支を見るのが少し怖くなってきた。
そんなとき、
すぐに、
「この物件を買ったのが失敗だった」
と決める必要はありません。
確認する順番があります。
物件なのか。
価格なのか。
写真なのか。
OTAなのか。
レビューなのか。
商品設計なのか。
運営なのか。
そもそもの事業計画なのか。
原因を分けて考える。
そして、
物件に可能性があるのに、運営で取りこぼしているのであれば、運営会社の変更も一つの選択肢です。
建物を建て直すのは大変です。
立地も動かせません。
でも、
運営は変えられます。
せっかく購入したヴィラです。
売却を考える前に、
今の運営方法で、本当にこの物件の力を出し切れているのか。
一度確認してみてもいいのではないでしょうか。
ヴィラ投資で怖いのは、
一か月予約が少ないことだけではありません。
予約が少ない理由が分からないまま、同じ運営を何年も続けること。
こちらの方が、私は怖いと思っています。
「もう少し様子を見ましょう」
も、ときには必要です。
ただ、
何を見ながら様子を見るのか。
そこまで説明できる運営会社であること。
長期でヴィラ投資を続けるなら、
案外ここが、とても大切です。
このコラムについて
本コラムは、民泊運営歴10年以上・宅地建物取引士資格を持つ管理部長・柳瀬が、これまでの実務経験をもとに執筆しています。
Airbnb・Booking.com等のOTA運用、価格調整、ADR・稼働率・RevPARの改善、ゲスト対応、レビュー、設備トラブル、近隣対応、運営会社の変更や収益改善まで、実際の宿泊運営に携わってきました。
また、宅地建物取引士として、民泊不動産・中古ヴィラ・貸別荘の購入前確認、収支、物件選び、許認可、開業準備、運営、収益改善、将来の売却までご相談いただいています。
私たちが一貫して大切にしているのは、
不動産と運営は切り離さず考えること。
ヴィラ投資では、
良い物件を買うことも大切です。
でも、
その物件を長期にわたって、どう運営し、どう売上をつくるか。
こちらも同じくらい大切です。
現在、
「ヴィラを購入したものの、想定より予約が入らない」
「運営会社から数字の説明がほとんどない」
「値下げばかりで、本当にこの運営でいいのか不安」
「運営会社を変更すると売上改善の余地があるのか見てほしい」
「売却する前に、もう一度運営を立て直したい」
といったご相談もお受けしています。
運営会社の変更ありきではなく、
まず現在の運営状況と数字を確認し、
何が原因で、どこに改善余地があるのか
を整理することから始めます。
物件そのものに問題があるのか。
運営方法に改善余地があるのか。
ここを分けずに判断すると、
本当は伸ばせたヴィラまで「失敗物件」として扱ってしまうかもしれません。
「買ってから困る」のではなく、
「あのとき、きちんと確認しておいてよかった」と思える判断を。
そして、すでに購入されたヴィラなら、
「買ったのが失敗だった」と決める前に、
「今の運営で、本当にこの物件の力を出せているか」を確認する。
PROGRESS WORKSは、民泊・貸別荘・ヴィラの不動産と運営、その両方の視点からお手伝いしています。


