【2026年10月30日施行】大阪市の旅館業ルールが変わります|特区民泊・住宅宿泊事業なら関係ない?民泊オーナーと運営会社への影響をやさしく解説

2026年10月30日から、大阪市で宿泊施設に関する新しいルールが始まります。
今回改正されるのは、
「大阪市旅館業法の施行等に関する条例」
です。
大阪市会で2026年9月30日に改正条例案が可決され、10月2日に公布されました。施行日は10月30日です。大阪市公式ウェブサイト
……と、いきなり書きましたが、
「条例って何?」
「旅館業ってホテルの話?」
「うちはAirbnbだから関係ない?」
「特区民泊だから大丈夫でしょう?」
「住宅宿泊事業の届出をしているから関係ないよね?」
と思われる方もいるかもしれません。
行政の資料を開くと、
「条例第3条第1項第12号」
「衛生措置基準」
「鉄筋コンクリート造又は鉄骨鉄筋コンクリート造」
などの言葉が並びます。
民泊を始めたばかりの方なら、3行くらい読んでPDFをそっと閉じても不思議ではありません(笑)。
そこで今回は、大阪市が発表した内容について、
「結局、何が変わるの?」
というところから、できるだけ普通の言葉で説明してみます。
さらに、10年以上民泊・宿泊施設を運営してきた立場から、
今回の変更によって、これから大阪の民泊運営会社にも大きな変化が起きるのではないか
というところまで考えてみます。
まず、「民泊」は全部同じ制度ではありません
最初に、ここだけ覚えてください。
私たちは普段、
「民泊」
と一言で呼んでいます。
しかし実際には、宿泊施設を営業する制度はいくつかあります。
大阪市も、有料で人を宿泊させる場合について、主に旅館業法の許可、特区民泊の認定、住宅宿泊事業法に基づく届出という制度を案内しています。
例えば、
特区民泊。
国家戦略特区の制度を利用して認定を受けて営業するものです。
大阪市では2026年5月29日をもって、新規申請と居室追加等の変更申請の受付が終了しています。
次に、
住宅宿泊事業。
いわゆる「民泊新法」と呼ばれる住宅宿泊事業法に基づき、届出をして営業する方法です。
そして、
旅館業。
ホテルや旅館だけではありません。
民泊でよく利用される簡易宿所営業なども旅館業法の世界です。
つまり、
Airbnbに掲載しているから「Airbnbという種類の民泊」
ではありません。
Airbnbは予約サイトです。
その施設がどの法律・制度に基づいて営業しているのかは別の話なんですね。
今回直接変わるのは「旅館業」のルールです
ここは正確に分けておきましょう。
2026年10月30日に施行される今回の条例改正は、
「大阪市旅館業法の施行等に関する条例」
の改正です。
したがって、
今回新設される旅館業の構造要件などが、そのまま特区民泊や住宅宿泊事業へ適用される、という意味ではありません。
「じゃあ私は特区民泊だから、この記事を閉じていいですね」
……というのは、ちょっと待ってください。
今回の記事で一番お伝えしたいところは、むしろここからです。
「特区民泊だから大丈夫」「住宅宿泊事業だから大丈夫」ではありません
制度が違えば、適用されるルールも違います。
ですから、
今回の旅館業条例の改正内容が、そのまま特区民泊に適用される
という説明は正しくありません。
でも、
「自分は特区民泊だから管理体制は関係ない」
これも違います。
実際、大阪市は2026年3月に特区民泊のガイドラインを改正し、運営管理体制を強化しています。
重点監視対象施設として2,817施設を抽出し、監視項目には、24時間の苦情窓口、電話や口頭による宿泊者への注意、おおむね10分程度の駆けつけ体制、苦情対応の記録、苦情申出者への結果報告などが含まれています。
つまり、
旅館業は旅館業。
特区民泊は特区民泊。
住宅宿泊事業は住宅宿泊事業。
制度はそれぞれ違います。
でも、
「宿泊施設なんだから、きちんと管理してください」
という方向性については、制度の名前だけを見て安心できる状況ではないと思っています。
大阪市自身も、民泊施設について旅館業法、特区民泊、住宅宿泊事業法それぞれに基づき、衛生措置や近隣住民への周知などの基準を設けていると説明しています。大阪市公式ウェブサイト
だからこそ、
「うちは○○制度だから大丈夫」ではなく、「自分の施設に適用される現在のルールを確認する」ことが大切です。
なぜ大阪市は旅館業のルールまで変えるのか?
今回の資料には、改正の趣旨がかなりはっきり書かれています。
背景にあるのは、
特区民泊で顕在化した騒音等の課題です。
大阪市は、特区民泊施設の増加に伴って周辺住民から多くの苦情が寄せられているとして、2026年3月にガイドラインを改正しました。
さらに、特区民泊の新規受付を2026年5月29日に終了しています。大阪市は、その理由として、施設増加に伴う周辺住民とのトラブルや苦情の増加などを挙げています。
そこで今回、
特区民泊の新規受付が終わったあと、
「では旅館業を取ればいい」
という流れの中で同じ問題が発生しないよう、旅館業側についてもルールを見直した、というのが大阪市の説明です。
ここ、かなり重要だと思います。
制度の名前を変えれば、
騒音が消えるわけではありません。
旅館業だから、
ごみが勝手に片付くわけでもありません。
特区民泊だから、
近隣トラブルが起きないわけでもありません。
結局、宿泊施設を誰がどう管理するのか。
ここが問われています。
今回の条例改正は、大きく分けると3つです
大阪市の資料をものすごく簡単にすると、今回の主な変更は、
① 長屋・共同住宅で旅館業をする場合の構造要件
② 宿泊者が滞在している間の管理体制
③ 小規模施設を含めた近隣住民への周知
この3つです。
ここから、一つずつ説明します。
① 長屋・共同住宅の一部を旅館業にする場合、建物の要件が変わる
まずは建物です。
今回、長屋や共同住宅について、
人が住んでいる部分と旅館業として使う部分が同じ建物内にある一定のケースについて、新しい構造上の要件が設けられます。
資料には、
「鉄筋コンクリート造」
「鉄骨鉄筋コンクリート造」
という言葉が出てきます。
不動産サイトで、
RC造
という文字を見たことがないでしょうか。
RCとは、
Reinforced Concrete=鉄筋コンクリート
の略です。
SRCは、
Steel Reinforced Concrete=鉄骨鉄筋コンクリート
です。
難しく見えますが、
「建物の構造についても、一定の安全性・防音性を求めます」
と考えると分かりやすいと思います。
ただし、例外や経過措置があります。
ですから、
「木造なら全部ダメ」
などと、この一枚の資料だけで判断しないでください。
さらに今回の資料では、
居室追加など面積増加を伴う変更許可
についても対象となることが示されています。
「もう許可を持っているから関係ない」
とも限らないということです。
② 宿泊者がいる間の「管理」がより重要になる
運営会社である私たちが特に注目しているのが、こちらです。
大阪市の資料では、
宿泊者が旅館業の施設を利用している間、施設従事者の常駐による衛生管理を義務付ける
という内容が示されています。
ここで、
「常駐ってことは、一軒の民泊に一人ずつ24時間座っているの?」
と思われるかもしれません。
必ずしも、そういう意味で読まない方がいいです。
資料では、
施設内にスタッフがいるケースだけでなく、
管理棟等から管理する形
も示されています。
細かな要件については、大阪市が施行日に申請手続きや様式等をホームページやガイドラインで示す予定です。関連する規則・審査基準・指導要綱についても改正作業が進められています。
ですから、
「この運営方法なら絶対OK」
「これは絶対NG」
と現時点で自己判断するのではなく、最新基準を確認する必要があります。
「電話に出られる」と「宿泊施設を管理できる」は別です
ここは10年以上運営してきて、本当に感じます。
例えば深夜1時。
ゲストが外で大声を出している。
近隣住民から電話が来る。
水漏れが起きる。
鍵が開かない。
設備が壊れる。
ごみを道路へ出している。
こんなとき、
チャットで、
「ご迷惑をおかけしております」
と送信して終わり。
……では、宿泊施設の管理とは言えません。
必要なのは、
誰が判断するのか。
誰がゲストへ連絡するのか。
誰が現地へ行くのか。
夜間でも動けるのか。
その記録を誰が残すのか。
という体制です。
実際、特区民泊について大阪市が重点監視の判断材料としている項目にも、メールやSNSだけで注意している、電話が24時間体制になっていない、駆けつけに10分を超える、苦情記録を残していない、といったものが含まれています。
「24時間受付」と「24時間管理」は、似ているようで全然違います。
③ 近隣住民への周知対象が大きく広がる
次は、
近隣住民への周知です。
「周知」というのも行政資料によく出てくる言葉ですが、
簡単に言えば、
「近所の方へ、ここで宿泊施設を営業しますと事前に知らせること」
です。
今回の資料では、住宅を転用した小規模な旅館業施設について、周知の対象となる総客室面積が、
改正前:33㎡未満
から、
改正後:200㎡未満
へ広がります。
さらに周知する内容として、
営業者等の氏名、
施設の名称・所在地、
営業種別、
苦情等対応者の氏名・電話番号、
廃棄物の処理方法などに加え、
騒音を防止するための方法
火災等の緊急時の対応方法
が追加されます。
これも考えてみれば当然です。
オーナーにとっては、
「新しく一施設を始める」
という話です。
でも隣に住む人からすれば、
明日から自宅の横へ、毎日違う旅行者が来るかもしれない
という話です。
感じ方が違うのは当然です。
「特区民泊だから安心」ではありません
今回の条例改正を見て、
特区民泊オーナーの方に一番気をつけていただきたいのがここです。
今回の条例改正そのものは旅館業に関するものです。
しかし、
特区民泊については、すでに別の形で運営管理体制の監視が強化されています。
大阪市は2026年度、2,817施設を重点監視対象として抽出しています。
調査項目には、
24時間対応の苦情窓口、
施設外への騒音・ごみの注意掲示、
電話・口頭による直接の注意、
苦情対応記録、
申出者への結果報告、
おおむね10分程度の駆けつけ体制などがあります。
ですから、
「うちは特区民泊の認定を取っているから大丈夫」
ではなく、
「認定を取ったあと、現在求められている運営をできているか」
の方が大切です。
許認可はゴールではありません。
宿泊事業では、
むしろ許認可を取ってからがスタートです。
住宅宿泊事業だから関係ない、でもありません
住宅宿泊事業、いわゆる民泊新法についても同じ考え方です。
今回の旅館業条例の新しい規定がそのまま適用される、という意味ではありません。
しかし、
住宅宿泊事業には住宅宿泊事業のルールがあります。
だから、
「旅館業じゃないから何もしなくていい」
ではありません。
大切なのは、
自分がどの制度で営業しているかを把握し、その制度で現在求められている管理体制を守ること。
制度名を盾にするのではなく、
実際に適正な宿泊施設として運営できているかを見る。
これから大阪で民泊を続けていくうえでは、ますます重要になると思います。
そして今後、大きな影響を受ける可能性があるのが「民泊運営代行会社」です
ここからは大阪市が発表している内容そのものではなく、
10年以上民泊・宿泊施設を運営してきた私たちの実務上の見方です。
今回の条例改正や、今年に入ってからの特区民泊への監視強化を見ていると、
これから大阪では、
運営会社そのものの「体制」がかなり問われるようになる
と感じています。
特に気になるのは、
単純に、
「管理料金が安い会社」
ということではありません。
むしろ私たちが注意したいのは、
運営歴がまだ浅い会社や、短期間で管理施設数を急激に増やした会社、管理施設数に対して現地スタッフや管理拠点が十分に整っていない会社です。
もちろん、
新しい会社だから悪い、
という意味ではありません。
運営歴が短くても、非常にしっかりした会社はあります。
反対に、
長く営業しているだけで安心とも限りません。
見るべきなのは、
「実際に何か起きたとき、会社として動ける体制があるか」
です。
民泊運営は「パソコン1台で100室管理」だけでは終わらない
民泊運営の仕事には、
予約管理、
OTA管理、
価格調整、
ゲストへのメッセージ、
チェックイン案内、
清掃手配、
レビュー対応などがあります。
ちなみにOTAとは、
Online Travel Agent(オンライン・トラベル・エージェント)
の略。
AirbnbやBooking.comなどの予約サイトのことです。
こうした仕事は、
ITを使うことでかなり効率化できます。
大阪市内に100施設あっても、
100人が予約管理をする必要はありません。
でも、
現地対応は違います。
水漏れが起きた。
ゲストが騒いでいる。
近隣から苦情が来た。
鍵が壊れた。
警察から連絡が入った。
火災設備に問題がある。
こうなったとき、
パソコンからスタッフは出てきません。
残念ながら、
管理画面の「現地対応」ボタンを押したら、人間が瞬間移動してくれる機能もまだありません(笑)。
結局、
最後は人です。
管理戸数だけ増えて、現地体制が追いついていない会社はどうなる?
ここは今後、
運営会社にとってかなり大きな問題になる可能性があります。
例えば、
創業して間もない。
営業が非常に強い。
オーナーをどんどん獲得する。
100室。
200室。
300室。
管理施設は増えていく。
でも、
現地対応できるスタッフは数人。
夜間担当者も少ない。
管理拠点も限られている。
緊急対応を外注しているけれど、実際の運用状況までは十分確認できていない。
こうなると、
平常時は回ります。
予約が入って、
メッセージを送って、
清掃して、
チェックインする。
何も起きなければ問題ありません。
宿泊運営で本当に会社の力が分かるのは、
「何か起きた日」です。
これから必要になるのは「予約管理会社」ではなく「宿泊施設を管理できる会社」
私は、
ここが今後かなり変わってくると思っています。
これまで民泊業界では、
「Airbnbの運用ができます」
「料金調整ができます」
「メッセージを24時間返信します」
「清掃を手配します」
というところが運営代行会社の比較ポイントになりやすい傾向がありました。
もちろん全部重要です。
でも、
これからはそれだけでは足りません。
近隣対応ができるか。
行政対応ができるか。
緊急時に現地へ行けるか。
夜間に判断できる責任者がいるか。
苦情対応の記録を残せるか。
スタッフ教育ができているか。
管理戸数が増えても、その体制を維持できるか。
ここまで含めて、
「民泊運営会社」
になるのだと思います。
管理体制を整えれば、当然コストは上がります
そして、
ここはオーナー様にも理解していただきたいところです。
人を雇う。
夜間シフトを組む。
現地スタッフを配置する。
管理拠点をつくる。
スタッフを教育する。
行政の制度変更を確認する。
マニュアルを更新する。
緊急時の連絡網を整える。
当然、
お金がかかります。
きちんと管理しようとすれば、管理コストはゼロにはできません。
今後、大阪市で宿泊施設に求められる管理水準が上がっていけば、
運営代行会社側のコストが増え、
結果として運営代行料金や現地対応費用が上昇する可能性もあると思います。
運営歴の浅い会社には「制度変更への対応」という別の難しさもあります
ここも、
単純に経験年数だけで会社を評価したいわけではありません。
ただ、
宿泊施設の運営は、
経験して初めて分かることが非常に多い仕事です。
台風。
停電。
断水。
騒音苦情。
ごみ問題。
警察対応。
消防対応。
設備故障。
ゲストの怪我。
鍵の紛失。
近隣トラブル。
OTAとの交渉。
行政からの確認。
法律や条例の変更。
10年以上やっていると、
本当にいろいろあります。
そして制度が変わったときには、
単に新しい文章を読むだけではなく、
「では、今の現場オペレーションのどこを変えればいいのか」
まで落とし込まなければなりません。
経験は、
「昔からやっているから偉い」
という話ではありません。
制度や市場が変わったときに、過去の失敗や対応経験を使って判断するための蓄積
だと思っています。
運営会社の撤退・統合・事業継続困難も考えておく必要がある
ここからは将来についての私たちの見方であり、大阪市が予測している話ではありません。
管理に必要な人員や設備、拠点、教育などのコストが増えれば、
運営会社の経営にも当然影響します。
今までの料金体系では採算が合わなくなる。
新規受託を止める。
対応エリアを縮小する。
管理契約を終了する。
現地対応費を値上げする。
他社と提携する。
会社同士で統合する。
宿泊運営事業から撤退する。
そうした動きが出てくる可能性はあります。
そして当然、
経営環境によっては、
事業継続そのものが難しくなる会社が出てくる可能性も否定できません。
ただし、
「今回の条例改正によって民泊運営会社の倒産が相次ぐ」
と現時点で断定できる根拠はありません。
そこまで煽る必要もないと思っています。
重要なのは、
運営会社も、制度変更に耐えられる経営と現場体制を持っているか。
ということです。
民泊オーナーは「運営会社リスク」まで考えていますか?
これは、
民泊投資をする方にはぜひ知っておいていただきたいです。
物件購入時には、
物件価格、
売上、
稼働率、
宿泊単価、
利回り、
清掃費、
運営代行費、
ローン返済などを計算します。
でも、
意外と計算されていないものがあります。
運営会社が変わるリスクです。
例えば、
現在お願いしている運営会社が、
そのエリアから撤退したら?
管理料金が上がったら?
新しい管理体制に対応できなくなったら?
管理会社自体がなくなったら?
次の会社は同じ料金で受けてくれるでしょうか。
そもそも、
その地域で必要な体制を持っている会社が見つかるでしょうか。
これは、
民泊不動産を購入するときに考えておくべき、
立派な事業リスクです。
「この会社に全部任せます」で物件を買うのは少し危険です
私たちは不動産の相談も受けています。
その中で、
「運営は○○社に全部任せるので大丈夫です」
という話を聞くことがあります。
もちろん、
信頼できる運営会社へ委託するのは一つの方法です。
でも、
その会社が10年後も存在し、同じ料金・同じ体制で運営してくれる保証はありません。
だから物件を買うときには、
運営会社が変わっても成立するのか。
管理料金が上がっても黒字なのか。
宿泊事業をやめたら賃貸にできるのか。
売却できるのか。
ほかの用途へ変更できるのか。
ここまで考える。
民泊投資は、不動産を買って終わりではありません。
むしろ、
買ってからの方が長いです。
「特区民泊が終わったから旅館業を取ればいい」でもありません
これも、
これから大阪市で民泊可能物件を探している方には重要です。
大阪市では特区民泊の新規受付が終了しました。
そこで、
「それなら旅館業を取ればいい」
という話になることがあります。
でも、
今回の条例改正を見ると分かるように、
旅館業には旅館業のルールがあります。
建物。
用途地域。
構造。
消防。
近隣周知。
管理体制。
許可。
そして、
運営開始後の管理。
だから、
不動産広告に、
「民泊可能」
「旅館業可能」
と書いてあるだけで物件を買うのはおすすめしません。
「許可が取れる物件」と「良い民泊投資」は違います
旅館業許可が取れる。
それは重要です。
でも、
許可が取れる=儲かる
ではありません。
消防設備にいくらかかるのか。
管理体制にいくらかかるのか。
清掃費はいくらなのか。
運営代行費はいくらなのか。
平均宿泊単価はいくらなのか。
何%稼働すれば黒字になるのか。
制度変更で追加コストが発生しても耐えられるのか。
将来売却できるのか。
ここまで考える必要があります。
だからPROGRESS WORKSでは、
不動産と運営は切り離さず考える
ことを大切にしています。
「許可が取れます」
で終わるのではなく、
「その許可を使って、10年後も事業を続けられる物件なのか」
を見る。
ここが民泊不動産では非常に重要だと思っています。
私たちは今回の規制強化を「面倒な規制」とだけ考えていません
運営会社としては、
管理基準が厳しくなれば、
当然大変です。
スタッフも必要です。
費用もかかります。
仕組みも変えなければなりません。
だから、
運営会社にとって何も負担がない話ではありません。
でも、
宿泊事業をしている以上、
ゲストの安全を守る。
近隣住民の生活を守る。
騒音を防ぐ。
ごみを管理する。
トラブルが起きたら対応する。
これは、
本来やらなければならない仕事です。
規制されるからやるのではなく、宿泊事業だからやる。
私はそう思っています。
民泊を守りたいなら、近隣住民の生活を守る
私がこの仕事をしていて、
ずっと大切だと思っていることがあります。
ゲストは、
数日後には帰ります。
でも、
近隣住民の方は、そこに住み続けます。
民泊を長く続けたいのであれば、
地域から、
「もう民泊は無理です」
と言われる状態をつくらないことが大切です。
だから、
悪質な民泊を減らすことと、
真面目に運営している民泊を守ることは、
反対の話ではありません。
同じ話です。
これからの運営会社選びは「歴」だけでも「料金」だけでも決めない
今回の改正を見て、
これから民泊運営会社を選ぶ方にお伝えしたいことがあります。
料金だけではなく、
会社の設立年や民泊運営歴。
実際の管理施設数。
その数に対するスタッフ数。
現地スタッフの有無。
管理拠点。
夜間体制。
緊急時の対応方法。
行政対応の経験。
近隣トラブルへの対応経験。
制度変更への対応実績。
こうした部分まで見てほしいと思います。
ただし、
「10年やっているから良い会社」でもありません。
大切なのは、
経験が、現在の管理体制として形になっているか。
です。
100施設を管理している会社と、
1,000施設を管理している会社なら、
1,000施設の会社が必ず優れているわけでもありません。
大事なのは、
その管理戸数を、本当に管理できる体制があるのか。
ここです。
2026年10月30日以降、大阪の民泊は「運営の中身」を見る時代へ
今回の大阪市の条例改正は、
単なる旅館業の手続き変更として終わらないと私は見ています。
もちろん、
今回直接改正されるのは旅館業の条例です。
でもその背景では、
特区民泊についても監視指導が強化されています。
大阪市は2026年度、迷惑民泊根絶チームによる監視指導を進めています。
これから問われるのは、
「許可・認定・届出があるか」だけではなく、「その後どう運営しているか」
ではないでしょうか。
予約を取れる。
Airbnbを操作できる。
メッセージを送れる。
それだけではなく、
現地で動ける。
近隣へ対応できる。
行政へ説明できる。
ゲストの安全を守れる。
スタッフを教育できる。
制度が変われば運営方法も変えられる。
そこまで含めて、
宿泊施設の運営会社です。
民泊という仕事は、
画面の中だけでは完結しません。
最後は、
現場です。
今のルールだけを見て、長期の不動産投資を判断しない
今回の大阪市の動きを見て、
これから民泊投資をする方へ一番お伝えしたいことがあります。
「今できる」と「将来も同じ条件でできる」は違います。
不動産は、
今日買って来月売るとは限りません。
10年。
20年。
場合によっては、
もっと長く所有します。
その間に、
法律も変わります。
条例も変わります。
運営コストも変わります。
運営会社も変わります。
市場も変わります。
だから、
「今、民泊できるか」
だけではなく、
制度が変わっても持ち続けられるか。
管理費が上がっても事業が成立するか。
民泊をやめたら別の使い方ができるか。
最後に売却できるか。
そこまで考えて物件を選ぶ。
これからの民泊・簡易宿所・貸別荘投資では、
ますます重要になってくると思います。
このコラムについて
本コラムは、株式会社PROGRESS WORKS 管理部長・柳瀬が執筆しています。
民泊運営歴10年以上、宅地建物取引士。
Airbnb・Booking.comなどのOTA運営、料金・稼働率改善、宿泊者対応、清掃管理、設備トラブル、近隣住民への対応、行政対応・是正指導への対応など、民泊・簡易宿所・貸別荘・ヴィラの運営実務に長年携わっています。
またPROGRESS WORKSでは、民泊不動産・中古ヴィラ・貸別荘の購入前確認から、収支計画、物件選び、許認可、開業準備、OTA運用、日々の宿泊運営、収益改善、将来の売却・事業再生までを一つの流れとして考えています。
私たちが大切にしているのは、
「不動産と運営は切り離さず考える」
ということです。
「民泊可能物件だから買う」。
「旅館業許可が取れるから買う」。
それだけではなく、
その物件を、宿泊事業として長く運営し続けられるのか。
そこまで確認することが大切です。
制度は変わります。
市場も変わります。
運営会社も変わります。
だからこそ、
良い話だけではなく、
悪い場合まで想定してから判断する。
「買ってから困る」のではなく、
「あのとき、きちんと確認しておいてよかった」と思える判断を。
PROGRESS WORKSは、民泊・貸別荘・ヴィラの不動産と運営、その両方の視点からお手伝いしています。
※本記事は2026年10月4日時点で大阪市が公表している情報をもとにしています。2026年10月30日に施行される今回の条例改正は旅館業に関するものであり、特区民泊・住宅宿泊事業に同一の規定がそのまま適用されるという意味ではありません。それぞれ適用法令・基準が異なるため、個別施設については大阪市の最新情報をご確認ください。


