【民泊・ヴィラ投資】「今、このエリアが熱い!」と話題になった頃には、もう遅い?本当に良い情報はどこにあるのか

「今、ヴィラを始めるならこのエリア!」
「次に注目されるリゾート地はここ!」
最近は、SNSやネットニュース、テレビなどでも、こうした情報を目にする機会が増えました。
もちろん、新しい観光地や人気エリアを知るきっかけとして、メディアの情報はとても便利です。
ただ、日頃から民泊やヴィラの運営、不動産に関わっている立場からすると、こうした特集を見て、時々思うことがあります。
「あら、今頃ですか?」
……少し意地悪でしょうか(笑)。
もちろん、メディアの情報が間違っているという意味ではありません。
むしろ、実際に人気が高まっているからこそ、取り上げられるのでしょう。
ただ、一般的に広く知られる頃には、すでに現場では次の動きが始まっていることも少なくありません。
今回は、民泊・ヴィラ投資における情報のタイミングと、本当に良い物件情報に出会うために大切なことについてお話ししたいと思います。
「今、熱い!」と紹介された頃には、もう熱くなっている
例えば、ある海沿いのエリアがSNSで話題になったとします。
おしゃれなヴィラが次々と紹介され、インフルエンサーが訪れ、テレビやネットニュースでも特集される。
すると、そのエリアで宿泊施設を始めたいという方が増えてきます。
「ここでヴィラを建てたら人気が出そう!」
「これから土地の価格も上がるのでは?」
そう考えるのは自然なことです。
ただ、そこで一つ気になるのが、その情報を知った時点で、すでに何人の人が動いているのかということです。
人気が出れば、土地や建物を探す人も増えます。
条件の良い物件には購入希望者が集まり、価格が上がることもあります。
さらに、新しい宿泊施設が増えれば、当然ながら競争も激しくなります。
つまり、メディアで「今、熱い!」と紹介される頃には、土地の価格も競争も、すでに十分熱くなっている可能性があるのです。
宿泊需要だけが盛り上がってくれればありがたいのですが、残念ながら土地の価格まで一緒に盛り上がることがあります(笑)。
これが、投資として考えたときの難しいところです。
株式投資と少し似ていると思うんです
民泊やヴィラへの投資は、株式投資と似ている部分があると感じます。
例えば、ある企業がニュースで大きく取り上げられたとします。
「今後の成長が期待される注目企業!」
「株価が急上昇!」
そうした情報を見て、初めてその企業に興味を持つ方も多いでしょう。
もちろん、話題になってから購入しても、さらに株価が上がる可能性はあります。
ただ、注目される前から投資していた人と、ニュースを見てから購入した人では、取得価格が違います。
同じ投資先でも、いつ、いくらで取得したかによって、利益は大きく変わります。
民泊やヴィラも同じです。
同じエリアで、同じような規模のヴィラを開業するとしても、土地を安く取得できた人と、人気が出てから高値で購入した人では、事業のスタート地点が違います。
宿泊料金が同じでも、投資額が違えば収益性は変わります。
そして、後から参入するほど、すでに営業している競合施設との差別化も必要になります。
「人気がある場所」と「今から投資して利益を出しやすい場所」は、必ずしも同じではありません。
ここは、意外と見落とされがちな部分だと思います。
もちろん、早く参入すれば必ず成功するわけではありません。
まだ注目されていないエリアには、宿泊需要が伸びないリスクもあります。
大切なのは、単に早く動くことではなく、将来性を見極めたうえで、適切な価格で参入することです。
本当に良い情報ほど、案外SNSには出てこない
ここからが、今回一番お伝えしたいことです。
物件を探すとき、多くの方はまずインターネットで検索されると思います。
不動産ポータルサイトを見たり、SNSで情報を集めたり。
もちろん、それも大切な情報収集の方法です。
ただ、不動産の世界では、条件の良い物件が必ずしもインターネット上に公開されるとは限りません。
例えば、不動産会社が売却の相談を受けたとします。
その会社に、以前からそのエリアで物件を探しているお客様がいれば、まずその方に紹介することもあるでしょう。
そこで話がまとまれば、広く広告を出す必要はありません。
また、売主様の事情によって、一般公開せずに売却を進めたいケースもあります。
つまり、私たちがネットで検索している間にも、表に出ないところで物件の話が進んでいることがあるのです。
これは物件情報だけではありません。
これから宿泊需要が伸びそうなエリア。
新しい観光施設の計画。
地元の人しか知らない土地の事情。
こうした情報も、必ずしもSNSで発信されているわけではありません。
ネットに出ている情報がすべてではない。
これは、不動産や宿泊事業に関わっていると、特に実感することです。
本当に良い話を、わざわざ全世界に発信するでしょうか?
ここで、少し考えてみてください。
もし、自分がとても魅力的な土地を見つけたとします。
海が見えて、アクセスも悪くない。
宿泊需要も期待できそう。
それなのに、まだあまり注目されておらず、価格も比較的手頃。
そんな場所を見つけたとしたら。
皆さんなら、すぐにSNSで、
「皆さん!ここでヴィラを始めるのが絶対おすすめですよ!」
と発信するでしょうか。
もちろん、情報発信を仕事にしている方なら、紹介することもあるでしょう。
ただ、事業として本気で検討している人なら、まずは自分自身で調べたり、信頼できる取引先やお客様にお伝えしたりするのではないでしょうか。
本当に良い情報ほど、わざわざ大勢に知らせる必要がないこともあります。
少し極端な言い方をすれば、全員が知っている秘密は、もう秘密ではありません(笑)。
もちろん、非公開の情報が必ず優れているわけではありませんし、SNSから有益な情報を得られることもあります。
ただ、誰でも簡単に手に入る情報だけで、ほかの投資家より有利な条件を見つけるのは、そう簡単ではないと思います。
だからこそ、普段から不動産会社や民泊運営会社との関係を築いておく
では、どうすれば良い情報に出会えるのでしょうか。
私が大切だと思っているのは、物件を買いたくなってからではなく、普段から不動産会社や民泊運営会社と良い関係を築いておくことです。
例えば、以前から、
「将来的に海が見えるヴィラを運営したい」
「このくらいの予算で土地を探している」
「自分では管理できないので、運営を任せられる物件がいい」
といった希望を伝えていたとします。
そうすれば、条件に合いそうな情報が入ったときに、思い出してもらえる可能性があります。
一方、初めて連絡をして、
「何か良い物件はありませんか?」
と尋ねても、相手は予算も希望条件も、購入する時期もわかりません。
もちろん、そこから関係を築くこともできます。
ただ、良い情報が入ってきたときに、すでに相談できる関係があるかどうか。
この違いは、意外と大きいものです。
不動産会社にとっても、希望条件や購入意欲を把握しているお客様の方が、具体的な物件を紹介しやすくなります。
また、民泊運営会社であれば、物件そのものの魅力だけでなく、宿泊施設としての収益性や運営上の課題についても相談できます。
単に物件情報を集めるのではなく、その情報を一緒に判断できる相手を持っておくことが重要なのだと思います。
不動産として良い物件と、ヴィラとして良い物件は違う
これは、宿泊施設の運営に携わっていて特に感じることです。
一般的な住宅として人気のある物件が、必ずしもヴィラとして魅力的とは限りません。
反対に、住宅としては少し不便な立地でも、宿泊施設としては大きな魅力になる場合があります。
例えば、周囲に住宅が少ない場所。
普段の生活なら、少し不便に感じるかもしれません。
しかし、プライベート感を重視するヴィラであれば、その静けさが価値になることもあります。
海や山の景色が楽しめる場所。
日常生活では移動が不便でも、非日常を楽しむ宿泊施設としては人気が出る可能性があります。
ただし、どれだけ景色が良くても、清掃スタッフが確保できなければ運営は難しくなります。
リネンの配送や設備のメンテナンス、緊急時の現地対応なども考える必要があります。
また、建物の用途や地域の規制によっては、希望する宿泊事業ができない場合もあります。
「素敵な物件ですね」と「ここで宿泊事業を始めましょう」は、まったく別の話です。
ここを間違えると、購入後に思わぬ問題が発生することがあります。
だからこそ、物件を購入する前から、宿泊運営を理解している会社に相談することをおすすめしています。
物件を買ってから相談されると、少し困ることもあります
実際に、物件を購入された後で、
「ここで民泊を始めたいのですが、運営できますか?」
とご相談いただくことがあります。
もちろん、購入後でもお手伝いできることはあります。
ただ、正直なところ、
「できれば購入前にご相談いただきたかったですね……」
と思うこともあります。
というのも、物件を所有しているからといって、必ずしもそこで民泊や旅館業の営業ができるとは限らないからです。
用途地域や建築基準法、消防法令、旅館業法、住宅宿泊事業法、自治体の条例など、確認しなければならないことがあります。
また、法令上の営業が可能でも、事業として成り立つかは別の問題です。
取得費用。
改装費用。
家具・家電。
清掃費。
リネン費。
光熱費。
予約サイトの手数料。
設備の修繕費。
そして、想定される宿泊単価と稼働率。
これらを踏まえて判断する必要があります。
特にヴィラは、建物や設備にこだわるほど初期投資が大きくなりやすいものです。
サウナやプールを設置すれば魅力は増すかもしれませんが、同時に維持管理費も増えます。
おしゃれなヴィラを造ることと、利益が出るヴィラを運営することは別です。
見た目の魅力だけでなく、長期的に安定した運営ができるかどうかまで考えることが大切です。
人気が出る前に動く人は、何を見ているのか
では、まだメディアで注目されていないエリアの可能性を、どう判断すればよいのでしょうか。
私が大切だと思っているのは、話題性だけでなく、実際の宿泊需要や運営条件を確認することです。
例えば、周辺の宿泊施設の数や価格帯。
観光地へのアクセス。
季節による需要の変動。
どのような客層が訪れるのか。
ファミリー層なのか、カップルなのか、グループ旅行なのか。
また、そのエリアでどのような宿泊施設が求められているのか。
同じ海沿いの地域でも、日帰り観光が中心の場所と、宿泊してゆっくり過ごすことに価値がある場所では、事業の考え方が変わります。
そして、競合施設が少ないからといって、必ずしもチャンスとは限りません。
競合が少ないのは、まだ誰も気づいていないからなのか。それとも、そもそも宿泊需要が少ないからなのか。
この違いを見極めることが重要です。
そのためには、ネットの情報だけでなく、地元の不動産会社や宿泊運営会社が持っている現場の情報も参考になります。
もちろん、最終的には収支シミュレーションや現地調査を行い、客観的に判断する必要があります。
ただ、こうした情報を日頃から集めている方は、いざ良い物件が出てきたときに、検討を進めやすいのではないでしょうか。
良い情報が入ってくる人には、理由がある
不動産会社や運営会社と良い関係を築くといっても、特別なことをする必要はありません。
希望するエリアや予算を伝える。
購入を考えている時期を共有する。
紹介された物件について、きちんと検討結果を返す。
条件が合わなければ、その理由も伝える。
そうした日々のやり取りが大切です。
例えば、物件を紹介しても、毎回返事がなかったり、希望条件がわからなかったりすると、次に何を紹介すればよいのか判断しにくくなります。
一方で、具体的な希望がわかっていて、紹介後のやり取りも丁寧な方であれば、条件に合う情報が入ったときに思い出してもらいやすくなります。
良い情報を得るためには、良い情報を紹介したいと思ってもらえる関係を築くこと。
これも、不動産投資では大切なことだと思います。
もちろん、人脈があれば必ず良い物件が手に入るわけではありません。
ただ、情報が公開されてから探し始めるのと、普段から希望を共有しておくのとでは、得られる選択肢が変わる可能性があります。
「今、熱い!」という情報は、投資の答えではなくヒント
ここまで、メディアで話題になってから動くことの難しさについてお話ししてきました。
ただ、SNSやネットニュースの情報が役に立たないというわけではありません。
むしろ、新しい観光需要や人気の変化を知るきっかけとして、とても便利です。
大切なのは、メディアの情報をそのまま投資判断にしないことです。
「人気が出ているから買う」
「SNSで話題だからヴィラを建てる」
それだけでは、事業計画として十分とはいえません。
人気が高まったことで宿泊需要が安定し、結果的に参入しやすくなるエリアもあります。
反対に、人気に合わせて土地の価格が上がりすぎてしまい、期待する利益を確保しにくくなる場合もあります。
つまり、話題になる前が必ず正解というわけでも、話題になった後が必ず失敗というわけでもありません。
重要なのは、いつ話題になったかではなく、自分がどの条件で参入できるか。
その判断ができるように、普段から情報を集めておくことが大切なのだと思います。
最後に。「今頃ですか?」と思えるくらいが、ちょうどいいのかもしれません
ネットニュースやSNSで、
「今、注目のヴィラエリア!」
と紹介されているのを見ると、つい気になってしまいます。
ただ、現場で不動産や宿泊運営に関わっていると、
「その話、少し前から出ていましたね」
ということもあります。
もちろん、何でも早く知っていればよいわけではありません。
情報を早く手に入れても、正しく判断できなければ意味がありません。
ただ、広く話題になってから初めて動き出すよりも、普段から情報を集め、準備をしておく方が、選択肢は広がります。
そして、本当に良い物件や事業の話ほど、必ずしもSNSで華々しく紹介されているわけではありません。
良い情報は、検索結果の上位ではなく、日頃の信頼関係の中から生まれることもあります。
だからこそ、民泊やヴィラへの投資を考えている方には、物件を買う予定が決まってからではなく、普段から不動産会社や民泊運営会社との関係を築いておくことをおすすめしたいと思います。
ニュースを見て「今がチャンス!」と慌てるのではなく、
「ああ、あのエリアですね。実は以前から気になっていました」
と落ち着いて言えるくらいが、理想かもしれません。
そして、いつかメディアで「今、このエリアが熱い!」と紹介されたときに、
「あら、今頃ですか?」
と、少し余裕を持って眺められたら。
それはそれで、なかなか素敵なことではないでしょうか(笑)。
このコラムについて
このコラムは、株式会社PROGRESS WORKSの管理部長・宅地建物取引士である柳瀬が、民泊・貸別荘・ヴィラ運営の現場で感じたことや、不動産に関する知識をもとに執筆しています。
株式会社PROGRESS WORKSでは、大阪を拠点に、民泊・貸別荘・ヴィラなどの運営代行を行っています。
物件取得前の運営に関するご相談から、開業準備、予約管理、ゲスト対応、清掃手配、開業後の運営改善まで、宿泊事業をサポートしています。
これから民泊やヴィラへの投資を検討されている方、すでに物件をお持ちで運営方法をお悩みの方は、お気軽にご相談ください。


