民泊のアーリーチェックインは当たり前?無料対応でも低評価になる理由と対策

民泊のアーリーチェックインは当たり前?
16時チェックインなのに15時で低評価。宿泊運営で起きた少し不思議な出来事
通常16時チェックインの施設で、15時から無料でお部屋をご案内したところ、
「アーリーチェックインが遅かった」
というレビューをいただきました。
……ん?
ちょっと待ってください。
16時チェックインの施設です。
15時にご案内しました。
つまり、1時間早いんです。
時計を見間違えたわけでもありません(笑)。
でも、宿泊運営をしていると、ときどきこういう不思議な出来事に出会います。
今回のお客様は、赤ちゃんと小さなお子様を連れたご家族でした。
ご予約前から、できるだけ早くチェックインしたいというご希望をいただいていました。
もちろん、小さなお子様を連れての旅行は大変だと思います。
長時間の移動もありますし、早くお部屋で休みたいお気持ちもよく分かります。
私たちも、できるだけご希望にお応えしたいと思い、
「清掃が終わり次第、早めにご案内できます」
とお伝えしていました。
そして当日。
清掃が完了したため、通常より1時間早い15時から、追加料金なしでお部屋をご利用いただきました。
ところが、宿泊後のレビューでは、アーリーチェックインが遅かったというご意見。
さらに、お子様の体調が悪くなり、夜間に医療機関を受診されたことも書かれていました。
ご家族にとって大変な旅行になってしまったことは、私たちも心配に思っています。
ただ、
お子様の体調のことと、通常より早くご案内したチェックイン時間のことは、分けて考える必要があると思うんです。
今回は、この出来事を通じて感じた、アーリーチェックインの難しさについてお話しします。
そもそも、アーリーチェックインって何時のことでしょうか?
民泊や貸別荘を運営していると、アーリーチェックインのお問い合わせはよくあります。
「飛行機が朝に到着します」
「小さな子どもがいるので、早めに入りたいです」
「荷物が多いので、先に部屋へ行きたいです」
理由はさまざまです。
私たちも、可能であれば早めにご案内したいと思っています。
ただ、ここで少し難しいのが、
「早めに」という言葉です。
例えば、通常16時チェックインの施設。
15時なら1時間早い。
14時なら2時間早い。
13時なら3時間早い。
どれもアーリーチェックインです。
でも、お客様が「できるだけ早く」とおっしゃるとき、頭の中では午前11時を想像されているかもしれません。
あるいは、お昼の12時かもしれません。
一方で、私たちが、
「清掃が終わり次第、早めにご案内できます」
とお伝えしている場合。
それは、
清掃が終わったらご案内できます、という意味です。
13時に終われば13時。
15時に終われば15時。
16時までかかれば、通常どおり16時。
清掃が何時に終わるかは、その日の状況によって変わります。
つまり、
「清掃が終わり次第」と、
「希望する時間に入室できる」は、
まったく違う話なんです。
今回も、私たちはその条件をご案内したうえで、実際に早くお部屋をご用意しました。
でも、お客様が期待されていた時間とは違ったのでしょう。
同じ15時でも、ホストにとっては「1時間早い」、お客様にとっては「思ったより遅い」。
なかなか難しいものです。
無料で早く案内しても、喜んでいただけるとは限らない
今回、私たちは追加料金をいただいていません。
通常16時のところ、15時から無料でご案内しました。
もちろん、無料だから感謝してくださいという話ではありません。
私たちが対応できると判断して、ご案内したものです。
ただ、通常より早く利用できたことが、不満につながってしまった。
そこには、少し考えさせられるものがあります。
例えば、最初から、
「チェックインは16時です」
とだけご案内していたら、どうだったのでしょうか。
16時に入室できれば、通常どおりです。
でも、
「清掃が終われば早く入れるかもしれません」
とお伝えすると、お客様の中に期待が生まれます。
「もしかしたら13時に入れるかも」
「お昼には入れるかな」
そう思われることもあるでしょう。
そして、実際には15時だった。
通常より早いのに、期待していた時間よりは遅い。
結果として、不満につながってしまう。
できるだけ柔軟に対応したことが、必ずしも満足につながるとは限らない。
宿泊運営では、こういうことがあるんです。
少し複雑な気持ちになりますが(笑)、だからこそ事前の説明が大切なのだと思います。
民泊や貸別荘は、清掃が終わらないと次のお客様を迎えられません
ここは、宿泊者様にも知っていただきたいところです。
ホテルであれば、複数のお部屋があるため、空室状況によっては早めに別のお部屋をご案内できる場合があります。
でも、一棟貸しの貸別荘や、一室単位で運営している民泊は少し違います。
前のお客様がチェックアウトされたあと、同じお部屋を清掃する必要があります。
私たちが運営している施設では、基本的にチェックアウトが10時、チェックインが16時です。
その間に、清掃スタッフが次のお客様をお迎えする準備をします。
シーツの交換。
ベッドメイク。
浴室やトイレの清掃。
キッチンの清掃。
床や家具の清掃。
タオルや備品の補充。
設備の確認。
一棟貸しの大きなヴィラであれば、作業する場所も増えます。
しかも、毎回同じ時間で終わるとは限りません。
前のお客様がきれいにお使いくださっていれば、比較的早く終わることもあります。
反対に、通常より清掃に時間がかかることもあります。
設備の不具合が見つかれば、確認や対応も必要です。
そんな中で、
「お昼には入りたいです」
と言われても、必ずご希望にお応えできるわけではありません。
私たちも早くご案内できるなら、そうしたいんです。
ただ、
清掃を急がせて、お部屋がきれいになっていなければ意味がありません。
早く入れたけれど、浴室が汚れていた。
ベッドメイクが終わっていなかった。
前のお客様の使用したものが残っていた。
それでは、今度は別の問題になります。
清掃スタッフも、限られた時間の中で一生懸命作業してくださっています。
宿泊者様のご希望も大切ですが、清掃の品質も大切です。
そこは、運営会社として守らなければならない部分だと思っています。
確実に午前中から入りたいなら、前日からの予約がおすすめです
小さなお子様連れの旅行。
長時間のフライト。
深夜や早朝の到着。
こうしたご事情があれば、できるだけ早くお部屋に入りたいお気持ちはよく分かります。
ただ、
「早く入れたらうれしい」と「絶対に早く入る必要がある」は、別の話です。
例えば、朝9時に到着して、すぐにお部屋で休みたい場合。
当日からの宿泊予約では、まだ前のお客様が滞在されている可能性があります。
チェックアウトが10時なら、朝9時はまだ前のお客様の利用時間です。
当然ながら、その時間に次のお客様をご案内することはできません。
そこで、私たちがおすすめしたいのが前日からのご予約です。
前日からお部屋を確保しておけば、施設のチェックイン方法や利用条件を確認したうえで、早朝に到着してもお部屋を利用できます。
もちろん、前日分の宿泊料金は必要です。
でも、確実にお部屋を利用できるという安心感があります。
特に赤ちゃんや小さなお子様を連れての旅行では、予定どおりに移動できないこともあると思います。
そんなとき、到着後すぐに休める場所があるのは大きいのではないでしょうか。
「清掃が早く終わったら入りたい」
という場合は、アーリーチェックイン。
「午前中から必ず利用したい」
という場合は、前日からの予約。
この違いを知っていただくだけでも、旅行の計画は立てやすくなると思います。
赤ちゃんの体調が悪くなったことについても、少し考えました
今回のレビューには、赤ちゃんの体調が悪くなり、夜間に医療機関を受診されたことも書かれていました。
小さなお子様が旅行中に体調を崩されたら、ご家族は本当に心配だったと思います。
慣れない土地で夜間に病院を探すのも大変です。
私たちも、お子様が無事に回復されていることを願っています。
ただ、今回のチェックインについては、通常16時のところ15時からご案内しています。
それ以上に早い時間からの入室を、お約束していたわけではありません。
そして、お子様の体調が悪くなった原因についても、私たちには分かりません。
ですから、チェックイン時間と体調の問題を、直接結びつけて考えることはできないと思っています。
もちろん、小さなお子様連れだからこそ、できる限り配慮したい。
その気持ちはあります。
でも、清掃が終わっていないお部屋をご案内することはできません。
前のお客様に早く退室していただくこともできません。
できる限り配慮することと、できないことまでお約束することは違います。
宿泊運営では、その線引きも大切なのだと思います。
低評価レビューをいただいたとき、ホストはどうすればいい?
正直に言うと、今回のレビューには少し驚きました。
通常16時の施設で、15時から無料でご案内した。
それでも「アーリーチェックインが遅かった」という評価。
「いや、早かったんですけどね……」
と思ってしまいます(笑)。
でも、公開レビューで感情的に反論することは、あまり良い対応ではないと思っています。
レビューは、そのお客様だけが読むものではありません。
これから宿泊を検討される方も目にします。
だからこそ、私たちは事実を落ち着いて伝えることが大切だと考えています。
今回であれば、
通常のチェックイン時間は16時だったこと。
清掃が終わり次第、早めにご案内できると事前にお伝えしていたこと。
実際には15時から無料でご利用いただいたこと。
そうした事実を、必要に応じて簡潔に説明する。
そして、お子様の体調については、お気遣いの言葉を添える。
それでよいと思っています。
レビューで言い争っても、あまり良いことはありません。
公開レビューへの返信は、相手に勝つためではなく、これから宿泊される方に正しい情報を伝えるためのもの。
私はそう考えています。
「清掃が終わり次第」は、もっと具体的に伝えた方がいいのかもしれません
今回の出来事を通じて、私たちも改めて考えたことがあります。
それは、アーリーチェックインのご案内方法です。
私たちは、
「清掃が終わり次第、早めにご案内できます」
とお伝えしていました。
運営側としては、清掃完了が条件であることを説明しているつもりです。
でも、お客様によっては、
「早めに入れるんだ」
という部分が強く印象に残るのかもしれません。
そこで、もう少し具体的にお伝えすることも大切だと思いました。
例えば、
「通常のチェックイン時間は16時です。清掃が早く完了した場合には、追加料金なしで早めにご案内できる可能性がございます。ただし、清掃完了時間は当日の状況によって異なるため、16時より早い時間の入室は確約できません」
というご案内です。
少し長いです。
でも、誤解を防ぐためには必要な説明だと思います。
宿泊運営では、
「できるだけ対応します」
という言葉が、必ずしも親切になるとは限りません。
場合によっては、
「その時間はお約束できません」
とはっきりお伝えする方が、お客様の旅行計画のためになることもあります。
私たちも、そこは今後さらに意識していきたいと思っています。
ホストの善意が、いつの間にか当たり前になってしまうこと
宿泊運営をしていると、通常のサービス以外にも、いろいろなご相談をいただきます。
アーリーチェックイン。
チェックアウト時間の延長。
荷物のお預かり。
備品の追加。
特別なご事情への対応。
できることであれば、私たちも柔軟に対応したいと思っています。
ただ、すべてのご希望にお応えできるわけではありません。
そして、対応できたとしても、それが必ずしも満足につながるとは限りません。
今回のように、通常より早くお部屋をご案内したことが、かえって不満につながってしまう場合もあります。
もちろん、宿泊者様に悪気があるとは限りません。
ただ、最初に期待していたサービスと、実際に受けられたサービスに差があれば、そう感じてしまうこともあるのでしょう。
だからこそ、運営会社としては、
何が通常のサービスなのか。
何が状況に応じた対応なのか。
どこまでお約束できるのか。
そこをきちんと説明する必要があります。
宿泊者様に気持ちよく過ごしていただくことも大切。
清掃スタッフに無理をさせないことも大切。
次のお客様を、きれいなお部屋でお迎えすることも大切。
宿泊運営は、誰か一人の希望だけで成り立っているわけではありません。
いろいろな人の事情を考えながら、毎日運営しています。
最後に|16時チェックインの15時は、やっぱり早いと思うんです(笑)
今回の出来事。
通常16時チェックインの施設で、15時から無料でお部屋をご案内しました。
それでも、アーリーチェックインが遅かったというレビューをいただいた。
宿泊運営を長くしていても、こういうことには驚かされます。
もちろん、お客様がもっと早い時間を期待されていたことは理解できます。
小さなお子様連れの旅行で、早く休みたかったお気持ちも分かります。
ただ、私たちとしては、事前にお伝えした条件の中で、できる限りの対応をしました。
そのことは、きちんと整理しておきたいと思っています。
アーリーチェックインは、必ず提供できるサービスではありません。
清掃が早く終わり、お部屋の準備が整った場合に、ご案内できることがあります。
そして、確実に早い時間からお部屋を利用したい場合には、前日からの予約など、別の方法を検討していただくことも大切です。
今回の経験から、私たちも事前の説明をより明確にしていこうと思いました。
でも、やっぱり最後に一つだけ。
16時チェックインの施設で15時に入れたら、それはアーリーチェックインですよね?(笑)
そんなことを、改めて考えさせられた出来事でした。
このコラムについて
本コラムは、株式会社PROGRESS WORKS 管理部長・宅地建物取引士の柳瀬が執筆しています。
民泊・宿泊運営に10年以上携わり、宅地建物取引士として民泊不動産・民泊可能物件・中古ヴィラ・貸別荘・旅館業許可付き物件・土地探しなどの不動産分野に関わるとともに、宿泊事業ではゲスト対応・現地対応の統括、OTA掲載、WEB・情報設計、運営スキーム構築など、運営全体の設計・統括を担当しています。
今回ご紹介したのは、通常16時チェックインの施設で、15時から無料でお部屋をご案内したにもかかわらず、アーリーチェックインが遅かったというレビューをいただいた事例です。
宿泊運営では、宿泊者様のご希望にできるだけお応えしたい一方で、清掃時間や施設の利用条件を守ることも必要です。
PROGRESS WORKSでは、宿泊者様への丁寧なご案内と、清掃スタッフ・現地スタッフとの連携を大切にしながら、日々の宿泊運営に取り組んでいます。
できることは、できる限り気持ちよく。
できないことは、理由を添えてきちんとお伝えする。
これからも、そんな当たり前のことを大切にしていきたいと思っています。


