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Columnsコラム

ヴィラ運営は長期投資だからこそ、数字で考える運営会社を。

目次

    ヴィラの予約が入らなくなった?

     

    稼働率低下を「最近厳しいですね」で終わらせないでほしい。

    「オープンした頃は、もっと予約が入っていたんですけどね」

    ヴィラや貸別荘のオーナー様から、ときどきこんなお話を伺います。

    開業当初は、週末になると予約が入る。

    連休や夏休みは、早い段階でカレンダーが埋まっていた。

    それが、2年、3年と経つうちに、少しずつ予約の入り方が変わってきた。

    以前なら埋まっていたはずの週末に、空室が残っている。

    運営会社に相談すると、

    「最近は競合施設が増えているので」

    「今年は全体的に予約の動きが鈍いですね」

    と説明される。

    もちろん、そういうこともあると思います。

    ただ、私はそこで少し気になるんです。

    「それって、具体的にどの数字を見て判断したのでしょうか?」

    競合が増えているのかもしれません。

    エリア全体の宿泊需要が落ちているのかもしれません。

    でも、実は自分の施設だけ予約が減っている可能性もあります。

    そこを確認せずに、

    「最近は厳しいですね」

    で終わってしまう。

    それでは、オーナー様も困ってしまうと思うんです。

    だって、

    ヴィラは、数年で終わるような小さな投資ではありません。

    今回は、ヴィラや貸別荘の予約が以前より入らなくなったと悩んでいるオーナー様に向けて、私が運営会社に確認してほしいと思っていることをお話しします。

    新築ヴィラは、いつまでも新築ではありません

    ヴィラを開業するときは、いろいろなことを考えます。

    土地。

    建物。

    間取り。

    家具。

    インテリア。

    プールやサウナ。

    外構や植栽。

    そして、完成した施設を撮影して、OTAに掲載する。

    新築のヴィラは、やはり魅力があります。

    建物も設備も新しく、写真もきれいです。

    周辺に似た施設が少なければ、それだけで注目されることもあります。

    でも、当然ながら、

    新築という魅力には、期限があります。

    1年経てば、開業から1年の施設。

    3年経てば、開業から3年の施設。

    その間に、周辺には新しいヴィラが建つかもしれません。

    以前は珍しかったプライベートサウナやプール、ジャグジーも、エリアによっては似た設備を備えた施設が増えてきます。

    宿泊者様からすれば、選択肢が増えるわけです。

    もちろん、築年数が経ったからといって、予約が入らなくなるわけではありません。

    長く人気を維持している施設もあります。

    ただ、開業時と同じ写真、同じ料金設定、同じ販売方法を続けているだけで、ずっと同じように予約が入るとは限りません。

    ヴィラは建てたら完成ですが、宿泊事業は建ててからが始まりです。

    私は、そう思っています。

    「予約が減った」と言っても、何が減ったのでしょうか?

    例えば、オーナー様から、

    「最近、予約が減っている気がするんです」

    とご相談いただいたとします。

    そこで確認したいことがあります。

    昨年と比べて、何が変わったのでしょうか。

    予約件数でしょうか。

    宿泊日数でしょうか。

    稼働率でしょうか。

    それとも、宿泊単価でしょうか。

    実は、これらは全部少しずつ違います。

    例えば、昨年は1泊6万円で20泊の予約が入っていた施設。

    今年は同じ6万円で15泊しか入っていない。

    これは、宿泊単価は変わっていませんが、宿泊日数が減っています。

    一方で、昨年は20泊、今年も20泊。

    でも、宿泊単価が6万円から5万円に下がっていたらどうでしょうか。

    予約の入っている日数は同じでも、売上は減っています。

    つまり、

    「予約が減った」という一言だけでは、何を改善すればよいのか分からないんです。

    だからこそ、私は運営会社には数字を見て説明してほしいと思っています。

    「何となく予約が少ない気がします」

    ではなく、

    「昨年と比べて、稼働率がこれだけ下がっています」

    「宿泊単価は維持できていますが、平日の予約が減っています」

    「このOTAからの予約が減少しています」

    といった説明です。

    そうすれば、次に何を考えるべきかが見えてきます。

    稼働率70%から50%。これ、結構大きな違いです

    少し数字の話をします。

    難しい計算ではありませんので、お付き合いください(笑)。

    例えば、1か月30日間販売できるヴィラがあるとします。

    昨年は21泊の予約が入っていた。

    今年は15泊になった。

    すると、稼働率はこうなります。

      昨年 今年
    販売可能日数 30日 30日
    宿泊日数 21泊 15泊
    稼働率 70% 50%
    平均宿泊単価 60,000円 60,000円
    月間宿泊売上 126万円 90万円

    ※分かりやすくするための仮の数字です。

    宿泊単価は変わっていません。

    でも、月間の宿泊売上は36万円減っています。

    これが仮に同じような状態で12か月続けば、単純計算で年間432万円の差になります。

    もちろん、実際のヴィラは季節によって稼働率も宿泊単価も変わるので、毎月同じ数字にはなりません。

    ただ、少し予約が減っただけに見えても、年間で考えると大きな金額になることが分かります。

    オーナー様にとっては、決して小さな話ではありません。

    そこで運営会社から、

    「最近は競合が増えているので、仕方ないですね」

    と言われたら。

    私は、もう少し聞いてみてほしいと思います。

    「では、どうすればいいと思いますか?」

    競合が増えているなら、何が変わったのか。

    料金なのか。

    設備なのか。

    写真なのか。

    宿泊者様のニーズなのか。

    原因を考えなければ、改善策も出てきません。

    私が運営会社に見てほしいと思う数字

    宿泊運営には、いろいろな指標があります。

    専門用語もたくさんあります。

    でも、オーナー様がすべて覚える必要はないと思っています。

    むしろ、そういう数字を確認して、分かりやすく説明するのが運営会社の仕事です。

    私が特に大切だと思うのは、次のような数字です。

    稼働率

    販売できる日数のうち、何日予約が入っているか。

    前年同月と比べてどうなのか。

    平日と週末では、どちらが落ちているのか。

    ADR(平均宿泊単価)

    実際に販売できた1泊あたりの平均単価です。

    予約が入っていても、値下げを繰り返して単価が下がっていれば、売上や利益に影響します。

    RevPAR

    販売可能な1泊あたり、どれだけ宿泊売上を生み出せているかを見る数字です。

    一棟貸しヴィラなら、宿泊売上を販売可能日数で割ることで確認できます。

    稼働率と宿泊単価の両方を踏まえて販売状況を見られるので、便利な指標です。

    予約リードタイム

    宿泊日の何日前に予約が入っているか。

    以前は2か月前から予約が入っていたのに、最近は直前にならないと入らない。

    そういう変化があれば、料金調整や販売のタイミングを見直す必要があるかもしれません。

    OTAごとの予約状況

    Airbnb、Booking.com、Trip.com、Agoda、Expediaなど、どの予約サイトから予約が入っているか。

    特定のOTAだけ予約が減っているのか。

    それとも、すべてのOTAで減っているのか。

    これによっても、考えるべきことが変わります。

    もちろん、数字を見ればすべての原因が分かるわけではありません。

    でも、

    数字を見なければ、原因を探すことすら難しい。

    私はそう思っています。

    予約が減ったから、とりあえず値下げ?

    予約が入らなくなると、まず料金を下げようという話になることがあります。

    もちろん、料金調整は大切です。

    高すぎる料金設定が原因で予約を逃しているのであれば、見直した方がよいでしょう。

    でも、

    「予約が入らないので、とりあえず値下げしましょう」

    という提案だけでは、少し心配になります。

    例えば、1泊6万円のヴィラを5万円に下げたとします。

    それで予約が増えればよいのですが、増えなければ単純に売上が減るだけです。

    しかも、ヴィラにはいろいろな経費がかかります。

    清掃費。

    光熱費。

    OTA手数料。

    設備の維持管理費。

    プールやサウナがあれば、その管理費用もあります。

    予約が増えても、値下げによって利益が減ってしまう可能性があります。

    カレンダーが埋まることと、オーナー様に利益が残ることは別の話です。

    だからこそ、料金を下げるのであれば、

    「どの期間を下げるのか」

    「どのくらい予約が増えると考えているのか」

    「売上や利益にどう影響するのか」

    そこまで考えてほしいと思います。

    値下げ自体が悪いのではありません。

    何となく値下げすることが、よくないのです。

    ヴィラ投資は、2年や3年で終わるものではありません

    私は、ここが一番大切だと思っています。

    ヴィラ投資は、基本的に長期の投資です。

    土地を購入して、建物を建てる。

    家具や設備を揃える。

    外構を整える。

    プールやサウナを設置する。

    開業するまでに、かなりの費用がかかることもあります。

    当然、投資回収には時間がかかります。

    それなのに、

    開業して2年、3年で予約が思っていたより入らなくなってしまったら。

    当初の収支計画はどうなるでしょうか。

    借入金の返済は続きます。

    固定資産税もかかります。

    建物や設備の維持管理費も必要です。

    さらに、年数が経てば修繕費用も増えていきます。

    売上が減ったからといって、支出が全部減ってくれるわけではありません。

    そこが難しいところです。

    開業当初の収支シミュレーションでは、順調に投資回収できる予定だった。

    でも、数年後の稼働率が想定を大きく下回ってしまった。

    そうなると、長期的な投資計画そのものを見直す必要が出てくるかもしれません。

    だから私は、

    ヴィラの運営会社は、開業時の集客だけでなく、5年後、10年後の運営まで考えるべきだと思っています。

    開業したばかりの施設に予約を入れることも大切です。

    でも、数年経っても選ばれる施設であり続けること。

    そのために何をするか。

    そこまで考えてこそ、長期的なヴィラ運営ではないでしょうか。

    予約が順調なときは、運営会社の違いが分かりにくい

    これは、宿泊運営をしていて感じることです。

    予約が順調に入っているときは、あまり問題が表に出てきません。

    カレンダーが埋まっている。

    売上も安定している。

    ゲスト対応も大きな問題がない。

    オーナー様も安心されていると思います。

    でも、予約が減り始めると、運営会社の考え方が見えてくることがあります。

    例えば、

    「最近は予約が少ないですね」

    で終わる会社。

    一方で、

    「昨年と比べて平日の稼働率が下がっています」

    「週末の単価は維持できています」

    「予約が入るタイミングが以前より遅くなっています」

    「なので、まずはこの期間の販売方法を見直しましょう」

    と説明する会社。

    同じように予約が減っていても、オーナー様の安心感は違うと思います。

    もちろん、改善策を実施したからといって、必ず予約が増えるわけではありません。

    市場の状況によっては、なかなか結果が出ないこともあります。

    でも、

    何が起きているのか分からないまま待つことと、原因を考えながら改善を続けることは、まったく違います。

    私は、予約が少ないときほど、運営会社の仕事が重要になると思っています。

    「集客を頑張ります」だけでは、少し困ります(笑)

    オーナー様が運営会社に、

    「最近、予約が減っているんですが」

    と相談したとします。

    そこで、

    「今後は集客を頑張ります!」

    と言われたら。

    もちろん、頑張っていただきたいです。

    それはもう、ぜひ頑張っていただきたい(笑)。

    でも、

    具体的に何を頑張るのでしょうか?

    OTAの掲載内容を見直すのか。

    写真を変更するのか。

    料金設定を調整するのか。

    平日の集客を強化するのか。

    特定の宿泊者層に向けた販売方法を考えるのか。

    そして、それをいつ実施するのか。

    実施したあと、どの数字で結果を確認するのか。

    そこまで聞けると、オーナー様も安心できると思います。

    私たちも、宿泊運営で必ず結果を出せると約束できるわけではありません。

    宿泊需要には波がありますし、競合施設や市場環境の影響も受けます。

    ただ、

    「なぜ予約が減っていると考えているのか」

    「今、何を改善しようとしているのか」

    「その結果をどう確認するのか」

    そうしたことは、きちんと説明できるようにしておきたいと思っています。

    売上を保証することはできなくても、考えていることと実行していることは説明できる。

    私は、それが運営会社として大切な姿勢だと思っています。

    オーナー様には、ぜひ運営会社に聞いてみてほしいことがあります

    もし今、

    「以前より予約が入らなくなった」

    「最近、売上が落ちている」

    と感じているのであれば、一度運営会社に確認してみてほしいことがあります。

    例えば、

    「昨年の同じ月と比べて、稼働率はどうなっていますか?」

    「宿泊単価は下がっていますか?」

    「どのOTAからの予約が減っていますか?」

    「周辺の競合施設と比べて、うちの料金はどうですか?」

    「今後、どんな改善を考えていますか?」

    こうした質問です。

    難しい分析資料を作ってもらう必要はありません。

    もちろん、資料があれば分かりやすいですが、まずは現在の状況を具体的に説明してもらうことが大切です。

    そこで、

    「今はこういう状況です」

    「原因としては、こういうことが考えられます」

    「なので、次はこういう改善をしてみたいと思っています」

    と話してもらえれば、オーナー様も判断しやすくなります。

    反対に、何度聞いても、

    「最近は厳しいので」

    「競合が増えているので」

    という説明だけで終わってしまうのであれば、少し考えてみてもよいかもしれません。

    運営会社をすぐに変更する必要はありません。

    ただ、

    大切な資産を任せている相手が、数字を見て運営してくれているかどうか。

    そこは、ぜひ確認していただきたいと思っています。

    最後に|ヴィラは建てて終わりではなく、そこからが長いんです

    ヴィラや貸別荘は、開業するときが一番華やかかもしれません。

    建物が完成する。

    家具が入る。

    写真を撮る。

    OTAに掲載する。

    そして、最初の予約が入る。

    オーナー様にとっても、とても嬉しい瞬間だと思います。

    でも、宿泊事業はそこから何年も続きます。

    3年。

    5年。

    10年。

    その間に、競合施設も増えます。

    宿泊者様の好みも変わります。

    建物や設備も少しずつ古くなります。

    開業時と同じように予約が入るとは限りません。

    だからこそ、運営会社には、その変化を見ながら考え続けてほしいと思います。

    予約が減ったときに、

    「最近は厳しいですね」

    で終わるのではなく、

    「昨年と比べて、ここが変わっています」

    「なので、次はこういう方法を試してみましょう」

    と、具体的に話してくれること。

    私は、そこが大切だと思っています。

    ヴィラ投資は長期戦です。

    数年だけ予約が入ればよいというものではありません。

    だからこそ、オーナー様には、予約が順調なときだけでなく、予約が減ったときにも一緒に考えてくれる運営会社を選んでいただきたいと思います。

    もちろん、私たちも日々勉強です。

    宿泊市場は変化しますし、昨日までうまくいっていた方法が、明日も通用するとは限りません。

    でも、だからこそ面白い仕事でもあります。

    数字を見て、現地を見て、考えて、改善する。

    そして、また数字を見る。

    なかなか終わりのない仕事です(笑)。

    でも、オーナー様が長い時間をかけて取り組む投資だからこそ、私たち運営会社も、長い目で施設と向き合っていきたいと思っています。

    このコラムについて

    本コラムは、株式会社PROGRESS WORKS 管理部長・宅地建物取引士の柳瀬が執筆しています。

    民泊・宿泊運営に10年以上携わり、宅地建物取引士として民泊不動産・民泊可能物件・中古ヴィラ・貸別荘・旅館業許可付き物件・土地探しなどの不動産分野に関わるとともに、宿泊事業ではゲスト対応・現地対応の統括、OTA掲載、WEB・情報設計、運営スキーム構築など、運営全体の設計・統括を担当しています。

    PROGRESS WORKSでは、ヴィラ・貸別荘・民泊の運営において、稼働率や宿泊単価、OTAごとの予約状況などを確認しながら、施設ごとの特徴に合わせた販売方法や運営改善を考えています。

    宿泊施設は、建てて終わりではありません。

    長く運営していく中で、数字を確認し、現地を見て、必要な改善を続けること。

    オーナー様の大切な資産を、長期的な視点で運営していくことを大切にしています。

    Our Experts

    この知識を、
    実際のヴィラ・民泊事業として
    扱う専門家がいます。

    PROGRESS WORKSは、
    不動産・事業スキーム設計・
    ヴィラ開発・データ戦略・OTA・
    運営まで、
    専門領域ごとに
    専門家が分担する体制です。

    藤堂 司

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    Strategy / Data / OTA

    柳瀬 絵里香

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    平田 智哉

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    Acquisition / Development

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    何を大切にしているのか。

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    この記事の背景には、
    10年分の現場があります。

    民泊とともに10年以上。
    物件を見て、事業を考えて、
    空間をつくり、運営しながら
    数字と向き合ってきました。

    ここで書いていることは、
    その積み重ねの中から
    出てきたものです。

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