【別荘を買って民泊を始めたら】夢のヴィラオーナー生活が、まさかの24時間電話番に?自主管理の現実と運営委託の話

自主管理の現実と運営委託の話
「いつか、自分の別荘を持ちたい」
そんな夢を持っている方は、少なくないと思います。
海が見える場所に、素敵なヴィラを建てる。
お気に入りの家具を置いて、照明にもこだわる。
テラスにはおしゃれなチェア。
リビングには大きなソファ。
休日には家族や友人とゆっくり過ごして、使わない日は宿泊施設として貸し出す。
そして、宿泊してくださったお客様からは、
「今まで泊まった中で一番素敵なヴィラでした!」
なんてレビューが届く。
いいですね。
もう、想像するだけで楽しいですよね。
でも、実際に別荘を購入して、自分で民泊やヴィラの運営を始めた方から、こんなご相談をいただくことがあります。
「思っていたより、運営が大変で……」
最初は、皆様本当に楽しそうだったんです。
家具を選ぶのも楽しい。
インテリアを考えるのも楽しい。
写真撮影も楽しい。
予約が入ったら、もちろん嬉しい。
ところが、いざ営業が始まると……。
電話、電話、メール、メール、電話、メール。
「あれ? 私、別荘を買ったんですよね?」
「コールセンターを開業したわけじゃないですよね?」
そんな気持ちになってしまうこともあるようです(笑)。
今回は、夢のヴィラオーナー生活と、実際の宿泊運営のギャップについてお話ししたいと思います。
1.開業前は、頭の中が素敵なインテリアでいっぱい
別荘を購入して、民泊や貸別荘として運営しようと考えたとき。
最初に楽しいのは、やっぱり施設づくりではないでしょうか。
「ソファは何色にしよう?」
「ベッドは少し良いものにしたいな」
「この照明、ホテルみたいで素敵!」
「テラスにハンモックを置いたら喜んでもらえるかな?」
考え始めると、止まりません。
インターネットで家具を探しているだけで、あっという間に数時間。
おしゃれなヴィラの写真を見ては、
「こんな感じにしたい!」
と夢が膨らみます。
そして、頭の中には、すでに理想のお客様が宿泊しています。
チェックインはスムーズ。
室内はきれいに使ってくださる。
設備の使い方もすべて理解してくださる。
夜は静かに過ごして、朝は時間どおりにチェックアウト。
最後には、感謝のメッセージと星5つのレビュー。
最高ですね。
開業前の頭の中では、ゲストの皆様が驚くほど優秀なんです(笑)。
もちろん、実際にも素敵なお客様はたくさんいらっしゃいます。
ただ、宿泊運営を始めると、少し違う現実が待っています。
2.そして開業。最初の予約が入ったときは本当に嬉しい
いよいよ施設が完成。
写真も撮影して、AirbnbなどのOTAに掲載します。
そして、待ちに待った最初の予約。
「やった! 予約が入った!」
これは、本当に嬉しい瞬間だと思います。
自分が選んだ土地。
自分が考えた間取り。
自分が選んだ家具。
その施設に、お金を払って泊まりたいと思ってくださる方がいる。
オーナー様にとっては、特別な喜びですよね。
そして、最初のゲストをお迎えします。
「無事にチェックインできるかな?」
「気に入ってもらえるかな?」
少し緊張しながら、スマートフォンを確認します。
すると、メッセージが届きます。
「こんにちは。チェックイン方法を教えてください」
もちろん、丁寧に返信します。
そのあと、またメッセージ。
「鍵が開きません」
えっ?
送った手順どおりに操作していただければ開くはずなんですが……。
写真を送っていただき、操作方法をご案内します。
無事に入室できました。
よかった、よかった。
と思ったら、今度は別のメッセージです。
「この電気は、どうやってつけるんですか?」
……なるほど。
ヴィラオーナー生活、思っていたよりスマートフォンを見る時間が長いですね(笑)。
3.電話、電話、メール、メール。気づけばスマホが仕事道具に
宿泊運営を始めると、本当にいろいろなお問い合わせが届きます。
例えば、こんな感じです。
「お湯が出ません」
「Wi-Fiにつながりません」
「エアコンが動きません」
「テレビがつきません」
「この電気のスイッチはどこですか?」
「鍵が開きません」
「鍵が見つかりません」
「駐車場はどこですか?」
「チェックイン時間より早く入れますか?」
「チェックアウトを延長できますか?」
一つひとつは、それほど難しい質問ではないかもしれません。
でも、これが重なると大変です。
しかも、お問い合わせが来る時間を選べるわけではありません。
夕食中。
お風呂に入ろうとしたとき。
家族と出かけているとき。
ようやくソファに座って、テレビを見始めたとき。
そんなタイミングで、スマートフォンが鳴ります。
「お湯が出ないんですけど!」
こちらとしても、すぐに対応しなければなりません。
給湯器の電源は入っているのか。
リモコンは正常なのか。
どの蛇口からもお湯が出ないのか。
確認することがいろいろあります。
そして、やっと解決したと思ったら、今度は別のゲストから連絡が来ます。
「鍵が開きません」
スマートフォンが鳴るたびに、ちょっとドキッとするようになってきます。
最初は予約通知が嬉しかったのに。
いつの間にか、通知音を聞くだけで背筋が伸びる。
これも、宿泊運営あるあるかもしれません(笑)。
4.一番困るのは、電話では解決できないトラブル
お問い合わせの中には、メッセージで解決できるものもあります。
例えば、照明のスイッチの場所。
Wi-Fiのパスワード。
家電の操作方法。
こうしたことは、写真や説明を送れば解決する場合があります。
でも、すべてがそうとは限りません。
「鍵が壊れているかもしれません」
「お湯がまったく出ません」
「設備から異音がします」
こうした場合、現地で確認しなければならないこともあります。
では、誰が行くのでしょうか。
オーナー様ご自身で運営している場合、自分で現地へ向かうことになるかもしれません。
近くに住んでいれば、まだ対応できることもあるでしょう。
でも、別荘が自宅から車で2時間の場所にあったら?
しかも、連絡が来たのが夜だったら?
「今から向かいます!」
と簡単に言えるでしょうか。
別荘は、普段の生活から少し離れて、ゆっくり過ごすために購入したはずです。
それなのに、気づけばトラブルが起きるたびに別荘へ向かっている。
自分の別荘なのに、行く理由が毎回『設備の確認』になってしまう。
それは、ちょっと寂しいですよね(笑)。
5.騒音トラブルは、もっと大変です
ヴィラや貸別荘では、グループ旅行のお客様も多くいらっしゃいます。
家族や友人と集まって、楽しい時間を過ごしていただく。
それ自体は、とても素敵なことです。
ただ、ときには声が大きくなってしまうこともあります。
夜遅くまで屋外で話している。
音楽の音が大きい。
近隣の方から苦情が入る。
こうした場合、運営側は対応しなければなりません。
ゲストに連絡して、状況を確認する。
ルールを説明する。
必要に応じて、再度注意する。
場合によっては、現地での対応も必要になります。
ここで大切なのは、宿泊者様だけでなく、近隣の方への配慮です。
宿泊施設は、周囲の地域の中で運営しています。
だから、騒音の問題を放置するわけにはいきません。
でも、オーナー様がご自身で運営していると、夜間の対応も自分の仕事になります。
「今日は早く寝よう」
と思っていた夜に、騒音の連絡。
そして、ゲストに電話。
連絡がつかなければ、もう一度電話。
ようやく静かになったと思ったら、今度は別の施設の予約問い合わせ。
……そろそろ、自分の睡眠時間も予約制にしたくなりますね(笑)。
6.チェックアウト時間になっても、ゲストが出てこない
宿泊運営で意外と困るのが、チェックアウトに関するトラブルです。
例えば、チェックアウト時間が午前10時だったとします。
清掃スタッフさんは、次のゲストをお迎えするために現地へ向かいます。
ところが、10時になってもゲストが出てこない。
10時10分。
まだ出てこない。
清掃スタッフさんから連絡が入ります。
「まだチェックアウトされていないようです」
そこで、ゲストへメッセージを送ります。
返信がありません。
電話をかけます。
出ません。
もう一度かけます。
ようやく連絡がついたと思ったら、
「今から準備します」
……今からですか(笑)。
もちろん、さまざまな事情があると思います。
でも、そのあとには清掃が待っています。
そして、次のチェックイン時間も決まっています。
オーナー様としては、ゲストへの連絡だけでなく、清掃スタッフさんとの調整も必要になります。
予定していた清掃時間がずれれば、次のゲストへの影響も考えなければなりません。
一人のチェックアウトが遅れるだけで、何人もの予定が動いてしまうことがあるんです。
これも、実際に運営してみないと分かりにくい部分だと思います。
7.そして最大の問題。「自分も旅行に行きたいんですけど!」
ここまでのお話を聞いて、
「大変そうだけど、自分なら何とかできるかも」
と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
確かに、予約が少ないうちは、ご自身で対応できることもあると思います。
でも、ここで一つ質問です。
ご自身が旅行に行くときは、どうしますか?
例えば、海外旅行。
空港へ向かって、チェックインを済ませる。
荷物を預けて、いよいよ出発です。
久しぶりの旅行。
楽しみですよね。
ところが、搭乗前にスマートフォンを見ると、宿泊中のゲストからメッセージ。
「鍵が開きません」
えっ、今ですか?
すぐに返信します。
操作方法を説明します。
でも、なかなか解決しません。
そして、機内への搭乗案内が始まります。
「そろそろ機内モードにしてください」
……無理です。
今、鍵が開かないんですけど!?(笑)
もちろん、飛行機では機内モードにしなければなりません。
でも、ゲストからの連絡が来るかもしれない。
何かトラブルが起きるかもしれない。
そう思うと、安心してスマートフォンを手放せません。
しかも、飛行機に乗っている間は、すぐに対応できない時間が発生します。
では、その間に問題が起きたら、誰が対応するのでしょうか。
海外に到着して、ようやくスマートフォンを確認すると、未読メッセージが何件も。
「お湯が出ません」
「先ほど連絡した件ですが」
「至急返信してください」
せっかく旅行に来たのに、空港で最初にすることが宿泊施設のトラブル対応。
これは、なかなか切ないものがあります。
自分が旅行を楽しむために買った別荘なのに、別荘の運営が理由で旅行を楽しめなくなる。
何だか、逆転してしまっていますよね。
8.別荘オーナーになったはずが、いつの間にか管理人になっていた
別荘を購入したとき、思い描いていたのはどんな生活だったでしょうか。
休日にゆっくり過ごす。
家族や友人を招く。
自然の中でリフレッシュする。
使わない日は宿泊施設として運営し、収益も得る。
とても魅力的な計画だと思います。
でも、運営をすべて自分で行うと、思っていた以上に時間を使うことがあります。
予約管理。
ゲストとのメッセージ。
チェックイン案内。
清掃の手配。
設備の確認。
備品の補充。
トラブル対応。
レビューへの返信。
そして、OTAとのやり取り。
一つひとつは小さな仕事でも、積み重なるとかなりの時間になります。
気づけば、毎日スマートフォンを確認している。
休日も気が抜けない。
旅行中も通知が気になる。
そして、ふと思うんです。
「あれ? 私、こんなに働くために別荘を買ったんでしたっけ?」
夢のヴィラオーナー生活が、いつの間にか自分専用の宿泊施設管理業務になっている。
そんな状態になってしまうこともあります。
もちろん、ご自身で運営することが好きな方もいらっしゃいます。
ゲストとの交流が楽しい。
予約管理が面白い。
自分で工夫して売上を伸ばしたい。
そういう方にとっては、自主管理も魅力的な選択肢だと思います。
ただ、すべてのオーナー様が、日々の運営業務まで楽しめるとは限りません。
9.実際に運営を始めてから、委託のご相談をいただくこともあります
私たちPROGRESS WORKSには、すでに民泊やヴィラの運営を始めているオーナー様から、ご相談をいただくことがあります。
最初は、ご自身で運営しようと考えていた。
予約対応もできると思っていた。
清掃の手配も、それほど難しくないと思っていた。
でも、実際に始めてみると、想像以上に時間を取られる。
特に、トラブルが起きたときの対応が大変。
そして、
「そろそろ運営を任せたいんです」
というお話になることがあります。
こういうご相談をいただくと、私は少し気持ちが分かるんです。
開業前には、どうしても楽しい部分を想像しますよね。
素敵なインテリア。
きれいな写真。
喜んでくださるゲスト。
高評価のレビュー。
でも、実際の運営では、そういう場面ばかりではありません。
鍵が開かない。
お湯が出ない。
チェックアウトしていない。
騒音の苦情が入る。
そうしたことにも対応しなければなりません。
だからこそ、実際に運営してみて、
「これは専門の会社に任せた方がいいかもしれない」
と考えるのは、とても自然なことだと思っています。
むしろ、ご自身で運営した経験があるからこそ、運営会社が何をしているのか、よく理解していただけることもあります。
10.運営を委託することは、単に仕事を減らすことではありません
民泊やヴィラの運営委託というと、
「管理手数料がかかる」
という点が気になる方も多いと思います。
もちろん、費用は大切です。
運営会社に任せる以上、委託費用が発生します。
ただ、私はもう一つ考えていただきたいことがあります。
オーナー様ご自身の時間には、どれくらいの価値があるでしょうか。
例えば、仕事が終わってからゲストへ返信する時間。
休日に設備の確認へ行く時間。
清掃スタッフさんと連絡を取る時間。
トラブルが起きたときに対応する時間。
こうした時間を、すべてご自身で使っているとしたら。
その時間を、家族と過ごすことに使えたかもしれません。
趣味を楽しむことに使えたかもしれません。
旅行に行くこともできたかもしれません。
もちろん、運営会社に委託すれば、オーナー様が何もしなくてよくなるわけではありません。
修繕や設備更新など、所有者として判断していただくこともあります。
それでも、日常的な予約対応やゲスト対応、清掃手配などを任せることで、負担を減らせる可能性があります。
運営委託は、業務を任せるだけでなく、自分の時間を取り戻すための選択肢でもある。
私は、そう思っています。
11.運営会社を選ぶなら、トラブルが起きたときの対応を聞いてみてください
では、実際に運営を委託するなら、どんな会社を選べばいいのでしょうか。
管理手数料。
売上実績。
予約サイトの運用。
清掃体制。
もちろん、どれも大切です。
ただ、私はぜひ、トラブルが起きたときの対応についても確認していただきたいと思っています。
例えば、
「夜に鍵が開かないと連絡が来たら、どう対応しますか?」
「お湯が出ない場合、誰が確認しますか?」
「騒音の苦情が入った場合、どう対応しますか?」
「チェックアウトが遅れた場合、清掃との調整はどうなりますか?」
「オーナーが海外旅行中でも、対応してもらえますか?」
こうした質問です。
宿泊施設の運営は、予約を獲得することだけではありません。
予約が入ったあと、お客様が安心して宿泊できるようにすることも大切な仕事です。
そして、トラブルが起きたときに、どこまで対応できるのか。
そこに運営会社の実力が表れると思っています。
ただし、すべてのトラブルを即座に解決できる会社はありません。
設備の故障内容や現地の状況によっては、対応に時間がかかることもあります。
だからこそ、できることとできないことを事前に確認しておくことが大切です。
最後に|せっかく買った別荘。オーナー様にも旅行を楽しんでほしい
別荘を購入して、ヴィラや貸別荘として運営する。
それは、とても素敵なことだと思います。
自分が好きな場所に、自分の施設を持つ。
使わない日は宿泊施設として活用する。
宿泊されたお客様に喜んでいただく。
そんな楽しみがあります。
でも、運営をすべて自分で抱えてしまうと、思っていた以上に時間を取られることがあります。
電話、電話、メール、メール。
鍵が開かない。
お湯が出ない。
騒音の苦情。
チェックアウトしていない。
そして、ようやく自分が旅行に行こうとしたら、
「機内モードにする時間があるなんて、無理!」
……いや、飛行機には乗ってください(笑)。
せっかく別荘を持ったのですから、オーナー様ご自身にも、人生を楽しんでいただきたいと思っています。
自分で運営することが楽しい方は、もちろんそのまま続けていただいていいと思います。
でも、もし今、
「思っていたより大変だな」
「休日もスマートフォンが気になるな」
「そろそろ誰かに任せたいな」
と感じているのであれば、運営委託という選択肢も考えてみてはいかがでしょうか。
私たちPROGRESS WORKSでは、すでに運営中の民泊やヴィラについても、運営委託のご相談を承っています。
今の運営方法を見直したい方。
ご自身での対応に限界を感じている方。
これから別荘を購入して宿泊事業を始めたい方。
そんな方は、ぜひ一度ご相談ください。
別荘を買ったのに、別荘の運営が理由で旅行に行けない。
それでは、少しもったいないですよね。
夢のヴィラオーナー生活。
せっかくなら、オーナー様ご自身にも、ゆっくり楽しんでいただきたいと思っています。
そして、海外旅行へ出発するときには、どうぞ安心して機内モードにしてください。
……ただし、飛行機を降りたら、宿泊施設からの通知ではなく、旅行先の素敵な景色を最初に見ていただきたいですね(笑)。
このコラムについて
本コラムは、株式会社PROGRESS WORKS 管理部長・宅地建物取引士の柳瀬が執筆しています。
民泊・宿泊運営に10年以上携わる中で、別荘オーナー様からいただく運営相談や、日々の宿泊施設管理で感じてきたことをまとめました。
株式会社PROGRESS WORKSでは、民泊・貸別荘・ヴィラの運営代行を行っています。
予約管理、ゲスト対応、清掃手配、OTA運用、トラブル対応など、宿泊施設の運営に関するさまざまな業務に取り組んでいます。
すでにご自身で民泊やヴィラを運営されている方からの運営委託相談も承っています。
「別荘を所有する楽しみ」と「宿泊施設を運営する仕事」は、必ずしも全部一人で抱える必要はありません。
オーナー様に合った運営方法を、一緒に考えられたら嬉しく思います。


